木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

朱鷺

2006-04-23 22:55:08 | 仕事
仕事の話をする時はどうしても口にしてしまうことがある
ずっと前に書いた日記を貼り付けてもいいかな


  職人の戯言・・・

今日のテレビ番組紹介欄に小さく出ていたこと
それは西川きよしが地元の職人さんを訪ねるというもの
その職人の言葉が一言
「もう技術も道具も伝えない」  って
その一言は身にしみるほどよく分かる
息子に託せない 弟子にも託せない
今 手仕事やってる人たちの偽らざる心境なんです
この国はそういう人たちを守ってないから
コスト面で太刀打ちできない
二倍くらいのコストならいいんですよ
それだけ働けば競争できるから
でも数十倍ですからね
職人はもう競争する気力を失ってしまってるんです
特別 高度な技術はこの日本では残っていくのでしょうが
普通のものづくりは もう終わりですよ
毎日毎日職人が減ってゆく
今から 日本が軌道修正しても多分元には戻れない
小泉首相が言っていた
「ああ どんどん中国から輸入しなさい」
それは貿易不均衡を少しでも和らげるための その場しのぎの政策ってことがわかんないんだな
今までいろんな職人の手を経て一つのものができてきた
でも受け渡す手が今日もひとつ明日もひとつ減ってゆきます
頑張ってる人が 頑張りようがなくなってくる
だからまた年金に頼る元職人が増える
できるのに何にもしないじいさんばあさんが増えてゆく

中国の物価が上がってコスト面の格差が縮小したとき
かの国から職人の逆輸入すればいいんだよね
ちょうど 日本で絶滅した 朱鷺のように・・・


二年前に書いたものなんだけど
今もその状況は変わらない んん もっと顕著になってるかもしれない
ただ少し帰って来てる企業もあるようです
主にハイテクと言われるような会社の工場です
僕らの仕事はもう帰って来れないでしょうね
22歳の息子も違う職に就きました
この話をする時は寂しいバージョンになってしまいますが
でも物を作ること自体は楽しいですよ
いいものが出来た時は2倍ね



コメント
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