娘が言う
家内はまだここの入居者たちの水道代の管理をしてる
たまにこの家へ現われるのだが当然僕の居る時ではない
そこで不思議な光景が繰り広げられるのだという
猫大好きな家内(という言葉が適当かどうかだが敢えて書いておく)
ニャミも彼女の手を経て近所の薬屋さんからやってきた
当然毎日世話をしつつ 猫から見れば世話されつつ
良好な関係が続き
お互いこの家の中で最もいい関係ができていた二人だった
ところが皆さんもご存じのように 家内は・・何年前だ?
もう指折り数えてもわからなくなるくらいだが 6年前か
確か2004年この家を娘の手を引き飛び出した
僕だけでなくニャミに何の説明も無しに、だったようだ
昨年春娘が帰ってくるまで ニャミは時々突発的に帰る息子がいるとき以外
僕と二人だけの生活を余儀なくされた
ニャミの一番好きだった人の去られた悲しみを思いやることはできなかった・・・
今日もそうだけど 僕が帰ると もうドアの向こうで僕を待ってる
カギを開けようとすると声がかかる
「お帰り 寂しかったよ」 といつもそうしゃべってるんだろう
熱い彼女のお出迎えを受ける
だから家内がたまにここへ現われるときっと熱烈歓迎をしてるんだとばかり思ってた
でも娘がここにいてそこに家内が現れる様子を見てるとどうも様子が違うらしい
ニャミは完全に家内を避けてる というのだ
あんたなんか嫌い という風な態度のまま
昨年娘からそんな様子を時々聞いたりしていたが
今日もその極端なニャミの態度を聞かされた
実際僕には見せたことのない態度で全く信じられないのだが
本当に嫌ってる様子で抱っこしようとしても暴れて逃げ出すのはもちろん
顔を見ただけで 威嚇のフ~という声を発するのだという
こんな愛想のいい猫はそういないと思ってたのに実に意外な展開だ
前にテレビでやってたことがあったが
急に暴れだす猫がいてもう家族でも手がつけられないような状態の中
動物と話せる人が登場して
その猫に話を聞いた
そうしたら一番好きだったその家の娘さんが猫に事情を説明せずに家を出たことに憤慨していたのだという
その後しっかり解らせたらその狂暴さが影を潜めたのだという
ということでニャミにも説明不足だったんでしょう
もっともその前に夫である僕への説明も何にもないんでねぇ
ニャミ ヨシヨシ