右側はBCに給気して膨らませた状態。
A セカンドステージ(レギュレター)これを咥えて呼吸をする。
B 予備のセカンドステージ(ホースがやや長め・オクトパスと呼ばれている)。
左右に振り分ける(他にエアを分け与えるためには)場合が多いが自分のトラブルを回避するためには右手側に着けるべき。
C インフレターホース と 中圧ホースを接合
D 給気釦(BCを膨らませる)
E 排出口(インフレーターホースを引くとBCの空気が抜ける。
F 排気バルブ
G コンパス・残圧計 ゲージと呼ばれている。水深計を組み込んだ三連タイプが多い。ガイド付きのファンダイブでは残圧計があれば充分。
私はの水深計はダイバーズウォッチに組み込まれている。
H インフレーターホース
J 自分の呼気を利用しても膨らますことができる
K 排気釦 これを押しながらインフレーターホースを上に持ち上げるとBCの空気が抜ける。
このジャケットはインフレーターホースを引くだけで排気できる。
※ セッティング
左から タンク / タンクにファーストステージ(レギュレーターのタンクに接続する部分。空気圧を一次減圧する装置のこと)を取り付けたところ。 → ヨークスクリュー
/ 通常はBCを先に取り付ける。『Buoyancy Compensator(浮力調整器)の略。他にBCD・BCV・BCJと呼ぶこともある』
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三本目 ハウスリーフ ダイビングサービス / レフトサイド
ダイビング雑誌にはバナナリーフは流れが非常に強いとあった。
心配性のM美は予約を入れたもののそれが頭痛の種であった。
朝食の話題は終始それであった、
コテージに戻った。ドーニーは九時出航。バナナリーフでダイビングするなら急いで準備をする必要がある。
協議。
強流によるM美の恐怖心。
昨日のポテトリーフの透明度では本日も期待できない。
私の疲労。(本当は大したことは無かったが理由をひとつ追加)
バナナリーフ取りやめ。
M美とY子がダイビングサービスに走った。
「そんなに疲れてるの?」
「少々睡眠不足かな」
「ぽーさん、寝ないからね」
「うん。睡眠不足もあるが透明度が悪いのがな・・・・・・どこに行っても写真にならないよ。撮れないのだったらドーニーでの移動が無いハウスリーフの方が楽だしね」
「じゃあ暫くしたらハウスリーフを潜りますか?」
「昨日センセイを捜しに行ったとき左側は結構綺麗だった。いいと思うよ」
「今日も捜してみます」
「いい、たぶん見つからないよ、あの流れでは」
「・・・・・・・・・」
「女性軍のスキルがもう少しあれば何処でもいいのだがな・・・」
「明日はマンタポイントだって」M美とY子が戻るやいなやそう叫んだ。
「では、明日は何が何でもボートダイビングだ」
M美の顔が少々ひきつった。
午前十時半。翌日のマンタポイント予約。まだ申し込みは僅かだ。
セッティング。エア漏れ。タンクを換えてみたが差はない。
「駄目、ここのOリングみんなへたっている」とE君。
使用頻度が高いためか高温のためか確かに満足な物は少ない。
高価な物ではないのでこまめに交換して欲しいものだ。
ヨークスクリューを効果は期待できないがいつもよりきつく締めた。だがエア漏れは完全には止まらなかった。
少々迷った。エア漏れと言ってもホンの僅かである。こまめに残圧チェックを心がけよう」
ネクサスの重量ではウェイトを減らしても大丈夫そうである。1Kg抜いた。
M美・Y子、二人も同様に減らしても大丈夫そうである。
十時五十五分。エントリー。水深15m。すぐにレフトサイドへ移動。
いきなり大型のタテジマキンチャクダイ。ここでは珍しい魚ではない。潜水するたびに必ず顔を出す。
ニシキヤッコも複数現れた。
モンガラカワハギ。沖縄で視るものよりかなり大きい。さらに嬉しいことにかなりの距離まで寄れる。
沖縄では2mが限界であったから写真派の私にはありがたい。これで透明度が良ければ言うことは無いのだが。
※英名はクラウン トリガー フィッシュ。トリガーとは銃の引き鉄のことである。カワハギの仲間は背鰭が角(ツノ)のように立っている。
それが名前の所以である。クラウンは王冠(CROWN)ではなく道化師(CLOWN)の意味。(LとRの発音の違いをカナにすることはまず無理です)
イソギンチャクとクマノミ(モルディブ アネモネ フィッシュ)は定番。
その中にはミツボシクロスズメダイ。ミスジリュウキュウスズメダイ↑も普通にみる。
チョウチョウウオ・・・バタフライフィッシュ(バタフライフィッシュを以後省略)の類を羅列すれば
群れをなしている白黒ツートーンのブラックピラミッド。
いつもカップルでいる白に黄の縁取りのイエローヘッド。
モルディブなのに何故かマダガスカル。
胡麻をふったようなスポッテッド。
日本でもお馴染みのトゲチョウチョウウオ。
イッテンチョウチョウウオは沖縄のそれとは色合いが異なる。
ツーサドルバック↑に スポットネイブ。
トライアングラーはミカドチョウチョウウオのモルディブ版。
ミスジチョウチョウウオ 縦縞が沢山ありますが?たぶんこれはカウントしていない。どれを持ってミスジなのか理解に苦しむ命名。
ちなみに英名は「Oval butterflyfish」楕円形のチョウチョウウオ。
フエヤッコダイ ハタタテダイに・・・まだ名前を憶えていないものが・・・・・・この辺までにしておきます。
岩の裂け目を覗き込んだ。
奥の方に全長2mほどのエイ。マダラトビエイか?。三人を手招きして呼ぶ。
三段のテーブル珊瑚。住宅事情が悪いとは思えないが階層を分け合ってインディアングラントが三匹、
エキジット語「あの阪神タイガースみたいな魚」と宣うY子はやはり浪速娘。
50cm強のジャイアントクラム(大シャコ貝) 貝殻を大きく広げている。紺色の外套膜が誘うように揺れていた。
この色は植物性プランクトンを身体に取り込んでいるためらしいが・・・妖しい色である。
写真を一枚撮ってM美を手招き。・・・M美が傍に来た。
いきなり手首を掴んでクラムの開口部へ。あまりしつこくするとパニックをおこしかねないのであっさりと手を離す。
だがこれくらいの大きさになると貝殻がピタリと閉じることは無い。すでに私は折れた枝珊瑚で実験済であった。
Y子がいない。周囲を見回したが視界の範囲には何処にも見当たらない。深場に落ち込んだいる筈は無いので不安は無いが・・・・・・。
E君が上を指さした。排気泡の中に朧げな影が・・・・・・。海面で手を振っている。
その余裕があれば大丈夫そうだが・・・・・・。
浮上。
「どうしたんだ?」
「急に浮いちゃった」ウェィトを減らしたのが原因か?
「BCのエアをちゃんと抜いたのか?」
「いくら引っ張ってもこれ以上は無理」
水面で直立姿勢を取らせた。Yこのインフレーターホースを引いた。
BCからエアが抜けた。潜行。二人に合流。
M美が近寄って来てジェスチャー。どうやら自分の写真を撮って欲しいらしい。
だがこの透明度では期待に添えない。
「澱があるからここでは無理、場所を変えた方が良い」とやはりジェスチャー。
どうにか伝わったようだ。
潜水時間四十分。そろそろ昼食の時間だ。
潜行ロープ迄水深5mを保って水中移動。減圧停止時間を移動に使うのは退屈しないので良い。
途中手ごろな岩を拾う。Y子を手招き、ウェィトがわりに持たせる。
私の意志がうまく伝わらなかったようだ。すぐに放り出した。『まあいい』
エキジット。
エア漏れの所為か残圧が昨日より少なかった。もっとも僅かな量だからさほど問題は無いが。
ダイビングサービスは昼休み。現地人スタッフが一人いるだけ。
我々の帰還を確かめて戸締りを始めた。
マンタポイントは流石に人気がある。申し込み氷河すでにいっぱいになって新たな一枚が追加されていた。
「こんなに沢山でドーニーに乗り切れるの?」
「どっちにしろ俺たちは大丈夫だろう。かなり早く申し込んだのだから」
「私が写真を撮って欲しいと言ったとき・・・なんて言ったの?」
「浮遊物が多いからここでは諦めた方がいい。別な場所で」
「やっぱりそうなんだ。あのとき『センセイがあればなー』と思ったわ」
E君、苦笑い。
「岩を渡したのはウェイト代わりに・」
「そうだよネクサスを渡そうかと思ったが・・・それはネー」
「あれから浮かなかったじゃないか」
「そう、大丈夫だった」
「BCのエアを充分抜けばあのウェィトで丁度いいと思うよ」
「何度もインフレーターホースを引いたのよ。でもドンドン浮いちゃって」
「エアの排出口が肩の上にあるから直立姿勢でホースを引けば問題ないはずだ」
「でもバランスを崩したら?」
「その辺に掴まって体制を整えろ」
遅い昼食を摂った。連日のカレーライスであるが不思議と飽きが来ない。
「さて午後はどうするか」と言う話になった。
すぐに二本目を潜るのは賢明なダイバーのすることでは無い。
※カタマラン(双胴のセールボート・かなり速い・品名はホビーキャット) +沖に浮かぶのはクダバンドス
「四人でカタマランで走る」と言う案もあったが『定員は三人』と言うことでまたの機会に。
二組に分かれてE君とM美はウィンドサーフィン。
私はY子を連れてアミューズ施設でダーツをコーチ。結果は・・・多くを語る必要は無いだろう。
部屋に戻ると早速次の撮影準備である。F4にリアラを装填した。
リアラはネガフィルム故にビデオ編集には難があるがプリントには最適である。
今回が初めての使用で発色は不明だがプリントを含めて割高である分多少の差はあるだろう。
パッケージに『水中写真にもどうぞ』と印刷されているし。
ダイバーならば自分の水中写真が欲しいのは当たり前である。
まして撮った写真すべてをアルバムに貼りつくす者なら、なおのことである。
そろそろM美の願いを叶えてやることにした。
ニコノスVにはコダックのアンダーウォーターフィルム(以下UW)を装填した。
水中ストロボが一個しかないので普通のフィルムでは青一色の世界になってしまう。
色感特性の異なるUWの試験撮影の意味も含めての準備であった。
午後四時になろうとしていた。二人が帰って来た。
「あれ!もう行って来たの?」
「いや、これからだよ。・・・一緒に行くか?」
「行きます」
つ づ く