昨日は、暗黒物質の証明をしようという試みが公表された記念すべき日。
ヒックス粒子の観測という大事件があったばかりですが、これも劣らず大事件。
偶々、近所の図書館で「宇宙の始まりの小さな卵:ビックバンからDNAへの旅」という本を小説家の三田誠広が書いているのを見つけ、興味を持ちました。
「宇宙について考えて、宇宙について理解することができる・・・その時・・・人間は宇宙そのものよりも偉大な存在になると」と。ヒックス粒子の観測という大事件があったばかりですが、これも劣らず大事件。
偶々、近所の図書館で「宇宙の始まりの小さな卵:ビックバンからDNAへの旅」という本を小説家の三田誠広が書いているのを見つけ、興味を持ちました。
宇宙に「偉い」「偉くない」があるか、どうか。
人間の「偉さ」を宇宙と比較しようというのは小説家だからでしょう。
形容詞を除けば「人間は宇宙より大きい」かどうかという問題になります。
宇宙の中に人間がいることを承知した上でそう言っているのです。
論理破綻でしょうか。論理的に考えて「人間は宇宙を理解できない」という結論を予定しているのでしょうか。
彼は本当に「人間の方が宇宙よりも大きい」と思っているのでしょう。
宇宙とか素粒子とか人間の常識を超えて大きいものや小さいものと、人間の大小との比較を行うのであれば、そういう大小の認識に逆転がないとも言えません。
閑話休題。
国際宇宙ステーションで観測した陽電子のデータは100万回の暗黒物質の衝突によって生じたものとされ、「暗黒物質の存在が、ほぼ確認」され、これからさらに観測を続けるということでした。
ニュートンが万有引力を発見したときは、リンゴが地球に1回衝突した場面を想像するだけで是認されました。実際は、ニュートンの発見には直接観測したデータの寄与ありませんでした。
それはそうだろうと批判がましく言ったりすれば、その前にガリレオがピサの斜塔から重量の違う2つの物体を落下させた実験があると反論されます。
実際にピサの斜塔で実験すれば、2つの物体が地球と衝突する時間には必ず多少のズレが認められるでしょう。しかし「ほぼ同時だった」ことが観測できれば十分でした。
その後の追試の数をカウントして実験回数を競う必要も有りませんでした。実験を行うことこそが大切なのだ、と。
現代のわれわれと古典時代とで、知能や論理はほとんど変わっていないでしょうに、どうして暗黒物質なら100万回の衝突でも完全な証明にならないのでしょうか。
ヒッグス粒子の観測実験では1,500兆回の陽子の衝突があって、それでも完全な証明ではないとされています。
「素数の音楽」というソートイの本に、「2のN乗をNで割って、余りが2でなければ素数だ」という仮説のことが載っていました。
340までは正しいかったけれど、次の341を試してみると間違いだと分かった、と。
古典時代の筆算は実験と同じでした。
計算機ができてから実験と証明とか区別されるようになったようです。
今では何百桁かの素数が計算機によって発見されていながらリーマンの仮説は証明されたと誰も言いません。
それに比べる「一票の格差」の議論など、ずいぶん好い加減です。
「0増5減」でも、決めないよりはマシだと言う議論が説得力あるようです。
もしその前提で計算機シミュレーションをしてみたら、当選者の最低得票数と落選者の最大得票数の比は2倍どころでないでしょう。
しかし裁判所も政党も計算機シミュレーションを実際にやってはいないようです。
話があちこちに飛ばないうちに、一応締めくくると、宇宙には虚数を含む次元があり、われわれはそういう空間に住んでいるのだから、肉眼で直接は見えないところにある存在の大小比較に古典的な議論が通用しないことだけは間違いなさそうです。
素粒子(陽子、電子、陽電子、・・・)はそれぞれ皆同じだ、といわれます。しかし観測実験をして得られるのは統計分布で、推論の正しさも大量の計算による統計的分析を経て確率的にのみ評価されます。
つい最近まで、多くの領域でデータの統計処理をすると「仮説を有意だとしたときの危険率は5%」などのような推論が横行していました。
確率的な推論ではあるけれど、測定されるデータ数と計算量の規模に雲泥の差があります。
<追記>
日銀は総裁が変わったことは知っています。しかし金融政策決定会議の委員たちか全員代わったと言う話は聞いていません。
それなのに、総裁による逆転的政策が全員一致で決定されたのが不思議です。
物理や数学なら結論を出すには、統計分布するデータが重要です。
政治や経済の世界では一握りの人々によって、全部白から全部黒へ、一機に全面反転したりするなんとことが可能なのでしょうか。
計算機シミュレーションの仕様もなく、一発勝負で失敗したら総裁と首相が引退して終わり、と考えているとは思えません。門外不出なのでしょうか。
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