記憶のスクラップ・アンド・ビルド

当然ながら、その間にタイムラグがあり、
それを無視できなくなることこそ残念です。

ヘリコプターマネー

2016年07月15日 15時44分18秒 | Weblog
参議院選挙の後、安倍首相はアベノミックスが信任されたので、更に一層強力に推し進めると言っています。
太平洋戦争のとき、戦費を国債で賄い、それが出来なくなると紙幣を乱刷して破産を先延ばしし、結局敗戦の混乱に突入したのと似てきたのでしょうか。

マイナス金利に踏み切っても異次元緩和の効果が出そうになくて、その次に何をしようとしているのか、見えてきません。
日銀による国債の買入れ総額は、2117年にはGDP比100%を超え、やがて国債を引き受け続けることは出来なくなる、とか。

書店をブラブラしていたら平積みのなかに、日銀破綻を予言するような本が複数ありました。
その日は2017年だったり、オリンピックの後だったり、著者によってマチマチなようです。
どこの誰が何と言っているか、どんなニュースにどんな発言があったか、そういうことを並べて危機の到来が近いと警告しています。

われわれには何が当を得ているのか分かりませんが、興味を覚えたのは、マイナス金利が効果ないとされた後に、ヘリコプター・マネーといわれる金融政策が来るという意見が、急速に現実のものとなっているという説でした。
政府や中央銀行が紙幣を刷って国民に直接ばら蒔く、というのです。

それを教えてくれた本は、それによってデフレがいきなり大インフレになる危険性があると危惧するばかりで、どこに、どうやって、どれだけバラ撒いたらヘリコプター・マネーなのか、具体的なイメージを何も説明していませんでした。
その後、立ち読みした本では、国民一人当たり年間80万円までなら問題ない、と。
国民を麻薬漬けにするような、究極のポピュリズムだといってはいました。
ローマ帝国が市民に闘牛場や浴場を提供したようなものでしょうか。

少額のバラ撒きなら、既に地域振興とか敬老とかの名目の交付金が有り、結局何の効果もなく、だから問題ないと言われるのでしょう。
今は、道路や鉄道などの公共事業にお金を注ぎ込んでも景気を活性化したり、国民の生活が改善されたりするとは期待できません。
しかし、せめてそれぐらいのお金を、例えば最低賃金にも満たない給料で働いている保育師や介護師の待遇改善に充てるとかしたら、それこそ直ぐに好循環するようになるのではないでしょうか。

都知事選の取って付けたような公約に似てきますが、最近の免疫抗がん剤はびっくりするほど高額ですから、がん医療の費用を無料化するなどが実現すれば、下層老人の一人としてこれ以上に望むことは有りません。


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