記憶のスクラップ・アンド・ビルド

当然ながら、その間にタイムラグがあり、
それを無視できなくなることこそ残念です。

不安低減と不信増大

2011年03月16日 10時45分19秒 | Weblog
好ましくないチェーン・メールが横行しているそうですが、ツイッターとかフェースブックとかをやらないから知らないだけか、幸いにして影響は少ないのではないでしょうか。
新聞社などのネット・ニュースでその幾つかがどんなものか知ったぐらいですが、新聞社自身が不適当な情報を流しているように思われます。
どんなニュースが読まれているか、というランキングの欄があって、1位が「原子力発電所の放射能測定器は全て故障して使えなくなっている」だった時期が有りました。
TVのニュースが何かある都度に「何マイクロシーベル」という情報を伝えているので、それがデマだろうとは直ぐ気が付くことでした。

TVは沢山の映像を流してくれて目が離せませんが、それがいつの映像なのか、暫らく分からなくて無用に驚かされることも少なくありません。
原子力発電所関係の記者会見は優先的に報道され、われわれの関心も大きいのですが、不安と混乱を招かないようにという配慮ばかりが見え見えで、逆に不信感を増長させる場になっているように思われます。
今何が起こっているかをTVで知らせるのに、記者たちに配ったプリントを前提にして「次のページにありますように」などとやっています。
謝罪会見のスタイルでマイクの前に座って話すのでなく、プロジェクターぐらい使って視聴者に分かるように発表する工夫は何故できないのか、違和感が有ります。

専門用語が有って不測の誤解を招かないようにという配慮を理由にして説明を避けたり、質問が出ないように言葉を選んだりしていて、それが不信を増大させます。
ニュース・キャスターたちが述語の解説をしてくれたりしていますが、納得できないことばかりです。
ネットで検索したら、「4シーベルトで50%の人が死ぬ」、「2シーベルトでは5%の人が死ぬ」と有りました。
それは死亡率に関わる累積確率分布の話であって、死なない人がどうなるかのデータではありませんでした。
「400ミリシーベルトだから健康に害を与える程ではない」という根拠には繋がりません。
皮膚炎を起こすとか、肝臓に障害を生じる可能性だとかには関係ない数値なのに、ただ「だから心配しないように」と解説するのは如何なものか。
シーベルトの値を計算するには何によってどのような放射能が発生したかで係数を決め、換算して合算することが必要なようです。
値が求まったということは、何が起こっているか分かっているということの筈ですが、発表では「まだ何が起こったのか分かりません。調査中です」という。

使用期限がきた原子炉を関東大震災程度の地震ならまだ大丈夫だろうとか判断して期限延長したとき、どの程度までの地震を考慮したのだろうか。
現場には意思決定できる上級社員がいて指示を出して作業しているのだろうか。
東京電力のほかに協力企業が現場の仕事を担っているようですが、作業員はどこまでマニュアルを読める人たちだったのか。
そんなことまで疑われます。

外国の政府が日本の事故に関心を持ち、自国の原子力発電の有り方を再検討するというニュースが、現在の事態の意味を良く伝えてくれているように思います。
原子力発電は最も安上がりな方式なのでしょうが、風力発電や太陽光発電に本気で取り組んで欲しいものです。
地球温暖化緩和を理由にして原子力発電を拡張してきたようですが、ただの口実だったとは今更言えないでしょう。化石燃料への依存には戻って欲しくありません。



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