住宅リフォームな生活

お仕事は町のリフォーム屋さん。普段の生活はこんな感じです

なにやってるんだよ その4

2013-09-30 | お兄ちゃん
会社の方が言うにはもう一人の兄が来ていて先生と話をしているらしい
ほどなくしてすぐ近くのドアがあきもう一人の兄である長兄が出てきた
長兄は市内に勤めているので病院まで近く早かったようだ
この日はたまたま市内で仕事をしていた私の主人も先に来ていた
「集中治療室にいるから会わせてもらおうか」
長兄は穏やかに言った
集中治療室ドアをあけるとすぐ脇に手洗いボールがあり手を洗って消毒してマスクをした
いくつかベットが並んでいるなかに兄の姿があった
白い部屋の白い布団という明るい中にいる
力の抜けきった表情に人口呼吸器をつけた兄が痛々しかった
何も言葉がなかった
ドラマのようにすがりついて叫ぶわけでもなく
ただ無言で眺めるだけだった
「生きているのに目を開けないんですか?」
看護師さんに尋ねる長兄の裏返った嗚咽にも似た声を聞いて
はじめて涙がこぼれた


今日のひとこと
言葉が浮かばないって気まずい・・・

なにやってるんだよ その3

2013-09-08 | お兄ちゃん
枚方から大阪市内の病院まで行くのには1時間以上かかりました
電車にゆられながら先生に言われた言葉が気になって仕方ありませんでした

お兄さんの意識は戻らないでしょう
詳しくはご家族がそろわれたらお話します

とりあえずは生きている
けれど・・・
家族がそろったら了解をえて人工呼吸器をはずすんじゃないか?
最悪の想像をしても泣かなかった
5年前、父は仕事中に倒れ、病院に運ばれたが蘇生もなく亡くなった。
そのときは病院へ向かう電車の中で私はぼろぼろ泣いていた
今回の私は泣かなかった
そう、こんな状況は経験済みなのだ
病院につくと受付に教えてもらった7階に上がり
ガラスの向こうの看護師さんのところに行こうとしたら
待合のイスにいた女性に声をかけられた
兄の勤め先の電話をくれた人だった
普通はどんな顔をするものなんだろうか
泣いてないと兄弟仲を疑われるだろうか
大人の対応として
お世話になってます とか
ご面倒をかけてすみません とか言うべきかもしれない
しかし落ち着いていると思われるのもどうなのかと
いらんことを考え
結局、汗をふいたハンカチをそのまま口元にあてて
ろくな返事もしなかった

つづく

今日のひとこと
落ち着いてるからって兄の事どうでもいいと思ってるわけじゃない
人それぞれです

なにやってるんだよ その2

2013-09-07 | お兄ちゃん
兄の勤め先からかかってきた電話によると
新大阪駅で激しい頭痛におそわれた兄は自分で救急車を呼んで
病院に運ばれたらしいのですが
病院は連絡先のわかる勤め先に電話をくれたものの
家族でないと状況は言えないと何も会社には教えないそうです
私は病院の連絡先をきくと病院に電話をしました
電話に出た先生は私に妹さんですかと確認をするとやっと話をしてくれました

兄は救急隊員にはじめは状況を話せる状態だったそうですが
救急車で運ばれる途中に心停止、蘇生したものの
病院でも意識は戻らないままということでした

私はすぐにもう一人の兄に連絡を入れました
なんとか落ち着いて話をしたつもりでしたが
ことばはつまり、電話を切ったあと手が震えている事に気がつきました

つづく

今日のひとこと
病院には病院の都合があるようだ

なにやってるんだよ その1

2013-09-05 | お兄ちゃん
私には兄が二人います
二番目の兄の話です

お盆明けにだるーいと思いながら仕事していたら携帯に
知らない会社から電話がはいりました
話を聞くと兄の勤め先でした
仕事内容の話は聞いていたけれど、社名まで聞いてなかったと初めて気がつきました
兄は独身なので家族の連絡先は母になっていましたが
つながらないので第二連絡先になっていた私に電話してきたそうです
母と連絡を取れたのはずいぶん後になってのことなので
よくぞ私の携帯番号を会社に登録していたものだと思いました
兄は病院に運ばれていたのですから

つづく

今日の教訓
連絡先は複数用意しましょう