高齢者の疾病----大きな悩み
病院は高齢者で溢れている。身近な人でも70代、80代になると何らかな病を
かかえている。これまでの生活習慣、特に飲食習慣が大きく影響しているようである
が、規則正しい生活を営んでおられる方でも、何らかの病を患っている。これは、高
齢者故のことであるから、このこと、つまり病から逃げられないのである。
私は、5年半前にバイパス手術を受けたのだが、これはタイミングよくいいこと
であったと言えば、可笑しいけれども、70歳を超えた年齢であったこと、大きな手
術(8時間の輸血なし)が精神状態の上で、一つの経験、一つの覚悟ができたように思
っている。っまり、人間はいつか必ず死を迎えるという実感に近いものが体験できた
からである。ああ、人間(自分)はやはり死を迎えなければならないのだという覚悟で
す。
ところが、大変丈夫な方で今までほとんど病院に治療にいったことが無いほど健
康体の人が、高齢になって、時間を持て余す先々の事を想うと大変憂鬱になっておら
れる人が少なくない。つまり、死の覚悟が出来ていないのである。それほど、病とは
縁遠かったから。
それゆえ、大病を経験したことは宝物を得た貴重な経験であろうかと思う。もちろ
ん年齢に関わらず何の病も経験無い方が幸せであるのだけれども、ただ、そういう方
が高齢になって死のことを思うといてもたってもおられない精神状態になるのである
らしい。
だから、病を奨励するわけでは無いけれども、もし、大病になってしまったなら
ば、一種の覚悟を決めるきっかけにすべきだと思う。人間は徐々に衰退して自然に枯
れるようになるのが理想的だけれども、また、本人もそのように思っていても、親族
の方々は、出来る限りの治療をお願いするでしよう。そして、点滴だとか胃瘻だとか
の処置をして、一日でも一か月でも長生きしてほしいというのが、親族の偽らぬ思い
であろう。しかし、そのことにより、本人の意思とは違って、ベットでただ生きてい
るだけの状態を受け入れなければならない。このことは、大変難しく、重要なことで
ある。0
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