おっもしろかったあ!!!
湊かなえさん、すごい。
こないだ「母性」を読んでいたら、
Amazonのサイトに
「母性をご覧になった人は、こんな商品もご覧になっています。」との
お知らせ。
そこに、この「物語のおわり」が紹介されていました。
「母性」ときて「サファイア」ときて「物語のおわり」です。
東野圭吾さんと宮部みゆきさんの本以外は苦手だったのに、
今、湊かなえさんにはまっています。
2014年10月30日 第一刷発行
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表帯】
あなたなら、
どんな結末にしますか?
湊かなえが描く、
新境地!
「未完の物語」を手にしたとき、
新たな人生の歯車が動き出す。
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内容】
妊娠三ヶ月で癌が発覚した女性、
父親の死を機にプロカメラマンになる夢をあきらめようとする男性……
様々な人生の岐路に立たされた人々が北海道へひとり旅をするなかで
受けとるのはひとつの紙の束。
それは、「空の彼方」という結末の書かれていない物語だった。
山間の田舎町にあるパン屋の娘、絵美は、
学生時代から小説を書くのが好きで周りからも実力を認められていた。
ある時、客としてきていた青年と付き合い婚約することになるのだが、
憧れていた作家の元で修業をしないかと誘いを受ける。
婚約を破棄して東京へ行くか、それとも作家の夢をあきらめるのか……
ここで途切れている「空の彼方」という物語を受け取った人々は、
その結末に思いを巡らせ、自分の人生の決断へと一歩を踏み出す。
湊かなえが描く、人生の救い。
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目次】
空の彼方
過去へ未来へ
花咲く丘
ワインディング・ロード
時を超えて
湖上の花火
街の灯り
旅路の果て
こうゆう作風のことを「オムニバス」とよぶのでしょうか。
全部で8つの短編から成り立っているように見えて
実は、最初の「空の彼方へ」から、最後の「旅路の果て」まで、繋がっていきます。
見事に。
舞台は、みな北海道です。
そこに登場する曰くありげな主人公たちを、繋ぐものは紙の束です。
紙の束は、「未完の物語」です。
主人公の手から手へと渡っていき、納得の結末を迎えます。
「未完の物語」の正体は、なんと、「空の彼方へ」の内容のそのものなのです。
なんて、お洒落なんでょう!
~山間の田舎町で生まれた絵美。両親はともに家業のパン屋で忙しいうえに、絵美自身は修学旅行の前日に熱を出したりと、狭い町から一度も出ることなく、毎日を過ごしている。しかし、絵美には想像力があり、友人を介して推理小説と出会ったことから、自身も小説を書き始める。その作品が時を経て、人気作家、松木流星の目に留まり、弟子にしてやるから東京に出て来い、と夢のような転機が訪れるが、時すでにおそし。絵美には婚約者がおり、両親も絵美が作家になることより、婚約者と結婚して家業を継いでくれることを望んでいる。作家になる夢を一度はあきらめようと決心した絵美。しかし、思いを捨てきることはできず、上京するため誰にも内緒で駅へと向かう。しかし、そこには絵美を待ち構えていたかのように、婚約者の姿があった~
と
「空の彼方」のお話は、こんな感じなのです、未完です。
さて、
結末は?
夢を追い求める人
夢をあきらめる人
夢を手助けする人
夢を妨害する人
それぞれ、立場が違う主人公たちは、
「空の彼方」という未完の物語の中に自分を置くことで、進むべき道を
模索していくわけです。
ちょっと、
この物語を読むにあって
必要事項!
“登場人物の相関図を、箇条書きにするべし。”
ぱ~っと
見事につながっていく人間模様は、ほんとうに
ここちよいです。
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