まず、はじめに。
最初の人類とされるアダムとイヴには
カインとアベルとセトの3人の男子がいました。
ノアは、三男セトの子孫です。
この映画のもととなつた「ノアの箱舟伝説」のまとめです。
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神は地上に増えた人々が悪を行っているのを見て、これを洪水で滅ぼすと「神と共に歩んだ正しい人」であったノア(当時500~600歳)に告げ、ノアに箱舟の建設を命じた。
箱舟はゴフェルの木でつくられ、三階建てで内部に小部屋が多く設けられていた。箱舟の内と外は木のヤニで塗られた。ノアは箱舟を完成させると、家族とその妻子、すべての動物のつがいを箱舟に乗せた。洪水は40日40夜続き、地上に生きていたものを滅ぼしつくした。水は150日の間、地上で勢いを失わなかった。その後、箱舟はアララト山の上にとまった。
40日のあと、ノアは鴉を放ったが、とまるところがなく帰ってきた。さらに鳩を放したが、同じように戻ってきた。7日後、もう一度鳩を放すと、鳩はオリーブの葉をくわえて船に戻ってきた。さらに7日たって鳩を放すと、鳩はもう戻ってこなかった。
ノアは水が引いたことを知り、家族と動物たちと共に箱舟を出た。そこに祭壇を築いて、焼き尽くす献げ物を神に捧げた。神はこれに対して、ノアとその息子たちを祝福し、ノアとその息子たちと後の子孫たち、そして地上の全ての肉なるものに対し、全ての生きとし生ける物を絶滅させてしまうような大洪水は、決して起こさない事を契約した。神はその契約の証として、空に虹をかけた。
旧約聖書『創世記』より
解説
・・旧約聖書の創世記に記された「ノアの箱舟」の物語を実写化した大作。大洪水による世界滅亡を知らされた男ノアとその家族が、ある重大な使命を全うしようと巨大な箱舟の建造に乗り出していく。メガホンを取るのは、『ブラック・スワン』などの鬼才ダーレン・アロノフスキー。ノアにふんするラッセル・クロウを筆頭に、ジェニファー・コネリー、アンソニー・ホプキンスら、実力派スターが共演する。壮大な物語はもちろん、大洪水の描写にも息をのんでしまう。
あらすじ
・・ある日、ノア(ラッセル・クロウ)は大洪水がやってきて世界が滅亡する夢を見る。これは堕落した人間を滅ぼす神の啓示で、責任感にかられたノアは、罪のない動物たちを救い生命を維持するために洪水に備えて巨大な箱舟を作り始める。ノアの父親を殺した宿敵がノアの計画を知り、舟を奪おうとするが、ついに大洪水が始まる。動物たちとノアの家族を乗せた舟だけが流されていく中、ノアは家族に、神に託された恐ろしい使命を打ち明ける…。
旧約聖書の有名エピソードを新解釈を交えて描いた映画。
狂気にかられる人間はアロノフスキー監督の真骨頂です。
この映画、おもに、キリスト教圏では賛否両論、上映禁止騒ぎまで巻き起こっているのだそうです。
いくら人間が堕落したとはいえ、自分が作った人間の、それも罪もない人々まで、いっきに抹殺するかのような大洪水を起こす神の啓示は、目を覆う惨劇です。
ネタばれは、しませんよ。ご安心を~
>神と共に歩んだ正しい人
神と共に歩んだというのは神の御心を完全に保存していたという意味です。
そんなノアが、映画では神の使命に従うことが本当に正しいのか苦悩します。
この点が、賛否両論の原因となるところなのです。
ノアの行動は、宗教というより原理主義の盲信を思わせて背筋が寒くなります。
さしずめ、長男とその妻の間に産まれた女の子を殺戮しようとする
ノアの形相は、サタンのようです。
天空の城ラピュタに出てくる巨人のような堕天使の集団。
旧約聖書ではこの堕天使のネフィリムが、大洪水の要因にもなった。
とも、書かれています。
しかしながら
映画ではこの堕天使たちは、箱舟造りを手伝ってくれ、
ノアの一族とつがいの動物だけを箱舟に乗せて、助けてくれます。
たくさん、ネット検索しましたが、旧約聖書は奥が深くて
よくわかりません。
賛否両論というこの映画。
旧約聖書とは切り離してアレンジされた新しい物語として
とらえるべきなのですね。
ノア 約束の舟(原題「NOAH」)6月15日鑑賞