大完は金を取りに行くピョンオンの後ろ姿を見て、薄ら笑いをした。
10円の金を握りしめ、縁側のところに戻ってきた。
「必ず、月末には返せよ」。と強く念を押して金を渡した。
「心配するな。金利をたんまりつけてかえしてやるから、まあ、楽しみにしておけ」。
「この酒は、置いておくので、あとでお前ひとりで飲むといい。俺は早速、この金を
地主に持っていき、これまで小作していた、田んぼを買い取りに行く」。
とあわてるようにして席を立とうとしたとき。
「大完、お前に頼みがある」。
「なんだ」。
「兄様が帰ってくるまでに、水路の修繕工事を手つかずのままでは、怒られてしまう、
だから、人夫をこの村ではないところから手配をしてくれないか」。
「何人いるんだ」。
「最低で5人はいる、牛一頭はつけるから、あと仕事のできる人間が二人は必要だ」。
「わかった、しかし、急な話だから先に金がいるぞ」。
「さっき、お前に渡した金で手配できないのか」。
「この金は、別だ借りた金は返す、しかし、明日の仕事の金は別だ」。
金を懐に得た大完は、先ほどと違って強気な口調に変わった。
「わかった。いくら必要だ」。
「うーん、5円というところかな」。
「何、5円だと、5人の三月の稼ぎ代じゃないか」。
「急な話だから、高くはない、前渡しでないとこの忙しい時期には
人が集められないぞ。だめなら、他を当たれ」。
ピョンオンは大完にすべてを握られてしまったことを知った。
「間違いなく、人は集められるか」。
「心配するなって、俺様の顔の広さは南原一てことを知らないのか」。
ピョンオンは新たに5円を大完に渡した。
10円の金を握りしめ、縁側のところに戻ってきた。
「必ず、月末には返せよ」。と強く念を押して金を渡した。
「心配するな。金利をたんまりつけてかえしてやるから、まあ、楽しみにしておけ」。
「この酒は、置いておくので、あとでお前ひとりで飲むといい。俺は早速、この金を
地主に持っていき、これまで小作していた、田んぼを買い取りに行く」。
とあわてるようにして席を立とうとしたとき。
「大完、お前に頼みがある」。
「なんだ」。
「兄様が帰ってくるまでに、水路の修繕工事を手つかずのままでは、怒られてしまう、
だから、人夫をこの村ではないところから手配をしてくれないか」。
「何人いるんだ」。
「最低で5人はいる、牛一頭はつけるから、あと仕事のできる人間が二人は必要だ」。
「わかった、しかし、急な話だから先に金がいるぞ」。
「さっき、お前に渡した金で手配できないのか」。
「この金は、別だ借りた金は返す、しかし、明日の仕事の金は別だ」。
金を懐に得た大完は、先ほどと違って強気な口調に変わった。
「わかった。いくら必要だ」。
「うーん、5円というところかな」。
「何、5円だと、5人の三月の稼ぎ代じゃないか」。
「急な話だから、高くはない、前渡しでないとこの忙しい時期には
人が集められないぞ。だめなら、他を当たれ」。
ピョンオンは大完にすべてを握られてしまったことを知った。
「間違いなく、人は集められるか」。
「心配するなって、俺様の顔の広さは南原一てことを知らないのか」。
ピョンオンは新たに5円を大完に渡した。