米デラウェア州の選挙対策本部を訪れたハリス副大統領㊧と夫のエムホフ氏(22日)=AP
【ワシントン=坂口幸裕】
米民主党が11月の米大統領選に臨む党候補者にハリス副大統領を指名することが22日、固まった。
党を二分したバイデン大統領の出馬断念からわずか1日でのスピード決着は、「打倒トランプ」に向けて態勢立て直しを急ぐ民主の危機感を映す。
ハリス氏は22日、東部デラウェア州の選挙対策本部を訪れた。選挙スタッフを前に「この選挙に勝利するために全力を尽くす」と力説した。
ハリス氏は党内で必ずしも求心力があるとは言えない。2020年の大統領選ではバイデン氏の対抗馬として民主予備選に出馬したものの、支持を広げられず撤退した。
非白人票などを意識したバイデン氏が多様性を求めて黒人女性のハリス氏を副大統領候補に指名した。
上院議員を36年、副大統領を2期8年務めたバイデン氏に比べて行政や外交の経験は乏しい。ハリス氏が担当した不法移民対策は難航し、側近が相次ぎ離れた。政治経験や組織をまとめ上げる能力への懸念もつきまとう。
米リアル・クリア・ポリティクス(RCP)が集計した世論調査の平均では、ハリス氏の支持率は39%で、40%のバイデン氏より低い。一方、
共和党のトランプ前大統領と一騎打ちになった場合は同氏の48%に対してハリス氏の支持は46%と大きな差はない。
共和は銃撃事件に遭ったトランプ氏を15〜18日に開いた党大会で大統領候補に指名し団結を演出した。
民主にはバイデン氏の去就を巡って生じた党内の亀裂がさらに広がるのを避け、トランプ氏の返り咲きを阻止するために一枚岩になることを優先する苦慮がにじむ。
米紙ワシントン・ポストによると、ハリス氏は21日、副大統領公邸から10時間以上も電話をかけ続けて民主党指導者たちの支持を取り付けた。
重鎮のペロシ元下院議長は22日の声明で「ハリス氏を大統領候補として支持する」と記した。米CNNテレビは上院民主トップのシューマー、下院民主トップのジェフリーズ両院内総務が近くハリス氏への支持を決めると報じた。
中西部ミシガン州のウィットマー知事など後継候補に浮上していた州知事も軒並みハリス氏への支持を打ち出した。ワシントン・ポストの集計では、22日午後7時時点で民主の連邦議会議員・知事の計286人のうち9割近い252人がハリス氏の支持にまわった。
ハリス氏はバイデン氏が掲げてきた政策を継承する構えだ。22日の選対本部の訪問では「中間層の強化は決定的に重要な目標になる。中間層が強くなれば米国は強くなる」と唱えた。「トランプは中間層を弱体化させ、米国を後退させるだろう」と決めつけた。
トランプ氏の経済政策について「富裕層や大企業に大減税を実施し、労働者世帯がそのツケを支払わされる政策に回帰する」と断言。
「医療が富裕層だけの特権となる政策に戻る。医療は全米国人の権利だ」と訴えた。
大統領選で重視する無党派層のボリュームゾーンである中間層を意識しているのは明らかだ。共和が取り込みを狙う若年層や女性の掘り起こしも欠かせない。
「銃の暴力から安全に生きる自由を信じる我々は本人確認や殺傷力の高い攻撃用銃器の禁止に動く」と規制の必要性を強調した。
人工妊娠中絶を巡っては「(トランプ氏は)全州で中絶を違法にする法律に署名しようとするだろうが、そんなことはさせない」と対決姿勢を鮮明にした。
2024年に実施されるアメリカ大統領選挙に向け、現職のバイデン大統領やトランプ氏などの候補者、各政党がどのような動きをしているかについてのニュースを一覧できます。データや分析に基づいて米国の政治、経済、社会などに走る分断の実相に迫りつつ、大統領選の行方を追いかけます。
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日経記事2024.07.23より引用
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今まで目立たなかったハリスですが、案外やりてなんですかね? といってもトランプに勝てると思えないので、民主党は何かサプライズをすでに準備しているのでしょう。 一番考えられるのが、テーラースイフトのハリス・民主党支持表明。トランプが一番恐れていたこと。
テーラー事務所としても、人種差別主義者と思われ、ファンが激減するのは怖れるところ。まあ、全かもテーラー自身はトランプ嫌いのようですが、アメリカは金(money)による封建・貴族社会。
日本と欧州は家柄。 アメリカは金で動く社会。何が起こっても不思議でありません。