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NY商品、原油反落 ドル高が重荷 金も反落

2024-12-24 06:13:00 | 世界経済と金融

(NYMEX)で原油先物相場は反落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の2月物は前週末比0.22ドル(0.3%)安の1バレル69.24ドルで取引を終えた。

ドルが主要通貨に対して上昇し、ドル建てで取引される原油先物の割高感が意識された。

 

23日の外国為替市場ではドルが幅広い通貨に対して買いが優勢となった。主要通貨に対するドルの強さを示すドル指数は前週に付けた2022年11月以来の高水準付近で推移した。

「新たな取引材料に乏しいなか、ドル高が原油先物相場の重荷になっている」(プライス・フューチャーズ・グループのフィル・フリン氏)との声が聞かれた。

 

中国の原油需要を巡る不透明感が意識される一方、来年の世界の原油供給は過剰になるとの観測が強いことも相場の重荷となったとの見方もあった。

原油先物相場は売り一巡後は下げ渋った。25日のクリスマスを控え、米国では年末年始にかけて連休に入る投資家が多いとみられる。薄商いとなるなか、相場は方向感が出にくくなったとの指摘があった。

 

ニューヨーク金先物相場は反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である2月物は前週末比16.9ドル(0.6%)安の1トロイオンス2628.2ドルで取引を終えた。

米長期金利が上昇し、金利の付かない資産である金の先物の投資妙味が薄れるとみた売りが優勢になった。ドル高も、ドルの代替投資先とされる金先物の相場の重荷となった。

 
 

 

 

 

 

日経記事2024.12.24より引用

 

 


ビットコイン「資産」に変貌 発行量に上限、金と競合   Market Beat

2024-12-21 17:04:36 | 世界経済と金融


トランプ次期米大統領はビットコインの関連業者から多額の献金を受けた=写真はAP

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインが10万ドルを突破した。価格上昇は、新たな通貨としての顔を捨て資産の側面を強めたことが寄与している。

法定通貨の立場を脅かさなくなり、投資家保護の仕組みづくりも進んだことが受け入れる層の広がりにつながった。

 

決済手段としは広がり欠く

「ビットコインは過去12年で最もパフォーマンスの高い資産だ。100ドルの米ドルのままなら現在は当時の価値で73ドル分の商品しか購入できない」。

米仮想通貨交換業大手コインベース・グローバルのブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)は5日、X(旧ツイッター)で喜びを伝えた。インフレで実質価値が目減りした米ドルと比較しながら、価値を保存する機能の強さを強調した。

 

ビットコインは2009年に世界で初めて誕生した仮想通貨だ。ブロックチェーン(分散型台帳)上に取引を記録し、皆で管理し合う技術だ。新たなシステムに価値を感じ、買う人が増えるほど価格は上がっていく。

仮想通貨は当初、政府や銀行を介さずに個人が自由に送金できる中央集権ではない決済手段としての性格が脚光を浴びた。ところが、価格変動が大きいために法定通貨と定めたエルサルバドルですら普及していない。

米フェイスブック(現メタ)が19年に掲げたデジタル通貨構想「リブラ」に対しては、主要国は通貨主権を奪われまいと計画阻止で協調し、結局、リブラは計画断念に追い込まれた。

 

 

デジタルゴールド論が浮上

一方で、着々と根を広げたのは資産としての評価だ。17年、日本でビットコインに「財産的価値」を認める改正資金決済法が施行されると、仮想通貨の売買が急増。日本は世界の過半を占めた。

個人マネーバブルはすぐに崩壊するが、20年から21年にかけて次の波がくる。新型コロナウイルス禍に対応して世界の中央銀行は紙幣を刷り、後のインフレにつながった。

 

この時に展開された主張が「デジタルゴールド論」だ。ビットコインの発行総量は2100万枚と上限があり、埋蔵量が限られる金(ゴールド)に近い性質を持つ。法定通貨が紙幣の増刷で価値が目減りしやすいのと異なる。

著名投資家のレイ・ダリオ氏はこのころから評価するようになり、最近でも主要国の債務懸念に言及したうえで、「金やビットコインのような『ハードマネー』に投資したい」とした。ハードというのは供給量が管理されていることを指す。



 

ビットコインの時価総額は2兆ドル(約310兆円)と18兆ドルの金に比べ小さい。すでに浸透している金に比べ、潜在的な保有層は大きい。

他の分野でもブロックチェーンの技術が社会に浸透するほどビットコインへの評価も高まる。こうして、「アップサイドのある金というシナリオができあがった」(ビットバンクの長谷川友哉マーケット・アナリスト)

 

通貨からデジタルゴールドに装いを変えたビットコインは、法定通貨の脅威ではなくなった。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はビットコインについて、「ドルと競合せず、金と競合する」と発言した。金融システムに影響しないなら受け入れられやすい。

 

野村ホールディングスの子会社であるレーザー・デジタル・ホールディングスが4月に実施した機関投資家調査では回答者の62%が仮想通貨を分散投資の機会とみていた。望ましい配分比率は2〜5%だった。

 

 

規制が育てた側面も

もっとも、伝統的な株式投資家は批判的だ。著名投資家のウォーレン・バフェット氏は「殺鼠(さっそ)剤を2乗したようなもの」と拒否反応を示す。

度々ハッキングが起きているほか、マネーロンダリング(資金洗浄)対策が甘いとの批判も消えない。

 

トランプ次期米大統領は仮想通貨の規制緩和を検討する。ただ、普及には規制が寄与してきたことは重要だ。

 

仮想通貨の投資家保護を重視してきた米証券取引委員会(SEC)
のゲンスラー委員長は退任が決まった=ロイター

今年、ビットコインに流れたマネーは上場投資信託(ETF)経由だ。ETFの誕生で、投資家は自分でビットコインを管理・保管せずに上場株のように売買できるようになった。

このETFの運営者は情報公開の責務を負うほか、上場する証券取引所の規制対象となる。この取引所を米証券取引委員会(SEC)が監督する。25年1月の退任が決まったSECのゲーリー・ゲンスラー委員長は「ビットコインはETFの誕生で中央集権化された」と皮肉を込めて語った。

 

ビットコインの普及はいかに一般の投資家が資産と認めるかにかかる。大口保有者の献金に押されて政治家が後押しするだけでなく、投資家保護の仕組みが欠かせない。

野放図に拡大し金融システムに影響を及ぼすリスクが高まれば、再び厳しい批判の対象となる。

(関口慶太)

 

 

 
 
 
Market Beat

世界のマーケットを俯瞰しながら、最先端のトピックやテーマをベテラン記者が独自の視点で取材・分析するコラムです。市場の動きを通じて世界経済の今をお伝えします。

 

 

日経記事2024.12.21より引用

 


「トランプリスク」で逆向く日銀とFRB 帰結は円安圧力

2024-12-20 06:55:41 | 世界経済と金融


パウエルFRB議長㊧と植田和男日銀総裁

 

「思ったよりもタカ派だった」パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長と「思ったほどはタカ派ではなかった」日銀の植田和男総裁。

18日から19日にかけて終えた年内最後の日米中央銀行の会合は対照的な結果となった。

 

ともににじみ出たのが、トランプ次期米政権が発足時から高関税政策などを繰り出す「トランプリスク」に対する警戒だ。両者の違いは目先、円安圧力としてのしかかる。

同じ要因を意識するのに日米の差が生まれたのは、トランプリスクがFRBに対してタカ派方向、日銀に対してはハト派方向の圧力となるからだ。

 

 

FRBは「政策の不確実性=インフレリスク」

FRBは米連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続での利下げを決めたものの、参加者の間で関税政策を中心に「トランプ2.0」を予測に織り込む動きがあり、新たな金利予測で2025年の利下げペースを緩める一因となった。

米国への輸入品に対する高関税は米国内のモノの価格に転嫁される。トランプ減税の継続や移民制限も、需要刺激や労働供給の減少を通じ、物価を押し上げやすい

 

 

「政策の不確実性を、インフレの不確実性をより多く織り込む理由の1つに挙げた人もいた。経路が不確かなら、ややゆっくり進むのがある意味で常識的な考え方だ。

霧の立ちこめる夜に運転したり、家具でいっぱいの暗がりの部屋を歩いたりするようなものだ」

 

パウエル氏は記者会見でこう語った。利下げのペースを落とそうとする現状をたとえたものだが、もし景気の不透明感が強まるようなら、むしろ利下げに前のめりになるはずだ。

「政策リスク=インフレリスク」という図式を雄弁に物語る。

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ただし、FRBの基本シナリオは「強い米経済」の維持。FOMC参加者による「政策金利の長期見通し」でみると、米経済をふかしも冷ましもしない政策金利の水準である「中立金利」の想定はじりじり高まっている。

金利が高くても経済は堅調さを維持できることを意味する

 

一方で政策金利は9月から計1.0%低下している。政策金利と、参加者らが見込む中立水準の上限の差は0.5%を切るところまで縮小している。

2回の利下げという新しい25年の金利見通しとほぼぴったりだ。

 

 

日銀は市場混乱による「8月の悪夢」再来を警戒

日銀は今回の金融政策決定会合で追加利上げを見送った。トランプリスクで何よりも気にするのはグローバルな市場の混乱だ。

米国が日本に狙いを定めて高関税を課し、日本が報復でもしない限り、日本に直接のインフレ圧力を生むわけでもない。世界経済への影響が分析できるまでには時間もかかる。

 

問題は、次の利上げが万が一にも市場の動揺につながらないか。7月末の金利引き上げが8月の世界的な市場混乱の一因とされただけに、「悪夢の再来」を避けるために細心の注意を払わざるを得ない。

米国でトランプショックが一時的なインフレ現象にとどまり、FOMCの「強い米経済」シナリオが崩れなければ、日銀の利上げシナリオにとっても望ましい話だ。

 

「データはオントラック(想定どおり)でここ数カ月きているので、それを前提にすると、我々の見通しが実現していく確度が多少なりとも上がっている。

ただ、次の利上げの判断に至るには、不正確な言い方ではあるが、もうワンノッチ(1段階)ほしいな、というところかと思う」

「もうワンノッチのなかに賃金上昇の持続性も入ってくる。より具体的には来年の春闘(春季労使交渉)のモメンタムをみたい」

 

植田氏は会見で利上げに説得力を持たせるだけの「あと一押し」を望んだ。ここにトランプ次期政権を巡る不確実性の払拭も加わるのは確実だ。

「データが見通しどおり」という「オントラック説」は、利上げの必要条件であって十分条件ではない。

 

 


トランプリスクは回避できるか(トランプ次期大統領)=AP

 

 

賃上げの強い動きに加え、トランプリスクの暴発を回避できれば、少数与党で不安定な状況が続く政府・議会とのあつれきを避け、円滑に利上げに持ち込める。日銀関係者は明言しないが、そんな深謀遠慮も働いているに違いない。

来年1月の次回会合までに利上げの環境が整うとしたら、大きなポイントはトランプ氏が大統領就任初日に繰り出す「政策爆弾」が市場を揺さぶる事態を避けられるかどうかだろう。

 

 

植田氏「輸入物価は落ち着き」、円安に切迫感なし

植田氏は今回、「基調的物価上昇率、あるいは期待インフレ率の上昇がゆっくりしている」と話し、利上げを焦る必要はないとの立場を強調した。

だとすれば、賃上げとトランプリスクの2条件をより確実にクリアするため、これらの具体的な動きがもっと明らかになる来年3〜4月ごろまで待つのが得策なはずだ。

 

「春闘についてもトランプ新政権の政策についても相当、長い期間をみないと全体像は判明しない」

 

植田氏はこうも語った。利上げの環境が整うまでじっくり待つ「熟柿(じゅくし)作戦」を決め込みたいところだが、ここで問題となるのが、やはり円安だろう。

利上げをさほど急ぐ必要はない、というハト派的な姿勢を強調するほど、円安を呼び込み、結果的に利上げに追い込まれる可能性を高めてしまう。

 

一方、タカ派のポーズを強調するのであれば、円安に追い込まれて拙速に利上げをするリスクは多少なりとも低下する。ただし、円安リスクが遠のいたのに安心してハト派に回帰すれば、またぞろ円安が再燃しかねない。

日銀が自らの意思で「タカ」と「ハト」の塩梅(あんばい)を調節できないのもやっかいだ。円の対ドル相場は米国側の要因に大きく左右されるためだ。

 

 

 

(為替は)常に物価の見通しに関してみている要素だが、現時点では、とりあえず前年比でみた輸入物価の上昇率が落ち着いていることも考慮に入れたうえで、為替の物価見通しへの影響を判断していく」

植田氏は会見で円安の動きが差し迫ったものではないとの認識を示した。この点は7月末の利上げ前とは異なる。

11月の会見では投機的な円キャリー取引について「完全には把握できていないが、現状、例えば7月初めにみられたようなポジションの偏りはないのではないか」とも語っていた。

 

市場の環境次第では、こうした見解自体が投機筋の円売りを促しうる。日銀が利上げに向けた全方位の理解を得ようと体制を整え、説明を尽くすほど、円売り勢に隙をみせることになりかねない。そんな矛盾を秘める。

 

 

投機的な円売りが膨らみ始めた今年4月ごろ、円相場は1ドル=151円台だった。日米中銀の対照的な動きは19日の外国為替市場で円を一時157円台に押し下げた。

日銀の対応が不要な「平時」だとしても、日銀と市場の攻防を経るうちに、円はじりじりと水準を切り下げている。どこか不気味だ。日銀がトランプリスクのなかで最も真剣に向き合うべきは「ドル高」かもしれない。

 

 
 
 
 

ゴールドマン、日本進出50年 「官」で切り開いた金脈  ゴールドマンと日本経済①

2024-12-16 14:38:19 | 世界経済と金融


1980年代のゴールドマン・サックス証券のオフィス(都内

 

米国の投資銀行、ゴールドマン・サックスが日本に進出して半世紀がたつ。高度経済成長を支えた都市銀行や長期信用銀行、証券会社がバブル崩壊などで機能不全に陥るなか、代わりにリスクマネーの供給などを担うようになった。

産業界の節目となる数多くのディールに関わり、日本経済に深く根を張るゴールドマンの歩みを追った。

 

2024年の大型新規株式公開(IPO)となった東京地下鉄(東京メトロ)。財務省などの株式売り出しの業務全体を取り仕切る「ジョイント・グローバル・コーディネーター(JGC)」に今回もゴールドマン・サックス証券が名を連ねた。

東京メトロを含め、1996年に政府案件の株式売り出しに参入して以降、これまで10回中9回、JGCを担ってきた。

伊藤真理・資本市場本部長は「国の重要な仕事を任されることで日本で一目も二目も置いてもらえる」と話す。23年度に純利益で15期ぶりの高水準になったゴールドマンの日本法人はさらなる反転攻勢を狙う。

 


創業初期の日本オフィスの外観

 

1974年、東京に社員2人で事務所を開き、83年には東京支店として営業を始めたゴールドマン。日本進出は比較的早かったが、90年代まではトレーディング業務で収益基盤をつくった米ソロモン・ブラザーズや米モルガン・スタンレーが外資系金融機関として日本では存在感を示していた。

 

 

オリジナルTシャツで社員を鼓舞

潮目が変わったのが、第一勧業銀行(現みずほ銀行)を経て85年にゴールドマンに入社し、後に日本法人社長になる持田昌典氏らが進めた「官」に絡む仕事の獲得だった。

大蔵省(現財務省)や政界に独自の人脈を築き、96年の政府による日本たばこ産業(JT)株の第2次売り出しで風穴を開けた。

 

任されたのがJGCだ。86年の政府によるNTT株の1次売り出し、94年のJT株の1次売り出しでは野村証券などの国内大手証券が手がけたが、主な買い手が国内投資家に限られ、長期保有の海外投資家を呼び込めなかった。売り出し後に株価が低迷する一因ともされた。

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そこでゴールドマンが政府に売り込んだのは、同社が抱える米国の分厚い投資家だ。

英国のサッチャー政権下での国有企業の民営化で、米国向けに株式を売り出した実績をアピールし、日本での案件獲得に結びつけた。日本政府にとっても初の保有株の海外売り出しだった。「海外にある先進的な手法やアイデアを徹底的に日本にカスタマイズしてきた」(伊藤氏)

 

「Eight-ninths」(9件のうち8件)――。持田氏は政府案件を獲得した際にオリジナルのTシャツを作り、チームを鼓舞した。日本との強い関係を示す政府関連は、米国に日本法人の存在感を示す上でも絶対に落とせない案件だった。

 


日本のゴールドマンの「顔」だった持田前社長

 

日本に根づくようになったもう一つのきっかけが、不良債権の買い取りだ。バブル崩壊による地価下落などで銀行が持つ不良債権は90年代に膨らんだ。

東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)、住友銀行(現三井住友銀行)、大手生命保険などから不動産担保ローンや経営破綻した企業向け債権を買った。累計で3兆円ほど買い取り、早期にうみを出す必要があった国内大手の再建を支えた。

 

国内ゴルフ場最大手のアコーディア・ゴルフ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の案件などを通して一般消費者にもその名が浸透した。業績が傾いた企業の再起に向けたリスクマネー供給を担った。

 

 

「絶対にウチにしかできない」

三井住友銀行との関係も見逃せない。旧住友銀行は86年にまだ上場していなかったゴールドマンに出資、その後株式の売却で利益を得た。03年にはゴールドマンが出資した。

17年、不正会計で経営危機にあった東芝による6000億円規模の大型増資も象徴的な案件だ。東芝は野村証券などに資金調達案を依頼したが再建への不透明感が増し、国内の資金の出し手は及び腰になった。

リスクを背負える約60の海外ファンドを短期で集めたゴールドマンの案が選ばれた。「絶対にウチしかできなかった」(幹部)案件で200億円規模の手数料を稼いだ。

 

 

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「苦しくなってからが練習だ」と語ってきた持田氏の強烈なリーダーシップの下、日本での存在感を高めてきた。

もっとも日本法人の業績は回復基調にあるものの、23年12月期の純利益は391億円と08年3月期の半分程度にとどまる。

 

2000年代に独壇場だった投資銀行ビジネスを巡る環境は変化しつつある。国内証券が海外での投資家ネットワークを構築し、業績が上向くメガバンクは融資と絡めた提案で攻勢をかける。

 


居松社長は「ゼロベースで戦略を練る」と語る

 


海外を目指す日本企業が増えるなか、一部の有力企業への提案に絞るゴールドマンの戦略は、中堅まで広くカバーする国内勢に見劣りするようになった。

自己資金で投資事業を手がけていたため、日本での買収を急増させる投資ファンドの結びつきでも弱さを抱える。

 

20年余り日本法人を率いた持田氏は23年末に退任し、トレーディング部門出身の居松秀浩社長が就任した。

少数精鋭の戦闘集団といわれてきたゴールドマンも、社員は今や1000人を超える。居松氏は「これまで築き上げた強固な基盤の延長線上にこれからの5年、10年があるとは思っていない。ゼロベースで戦略を練り、変わることを恐れずにやっていく」と決意を新たにする。

 

 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

 

 

 

深川由起子のアバター
深川由起子
早稲田大学政治経済学術院 教授
 
貴重な体験談

政府の審議会をあれこれ、お引き受けしていた頃、あれこれコンタクトがありました。

審議会の議事録、発言内容に至るまで丹念に読んで分析されているので、驚いたことがあります。

華やかなビジネスの下にはそういう「地道な」努力があったと感じました。

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小野亮みずほリサーチ&テクノロジーズ 調査部 プリンシパル
 
別の視点

ソロモンCEOのインタビュー記事(9/7付)は今読んでも面白い。

「顧客が重きを置いているのは、機械ではなく人間と直接取引して我々から洞察力を得ること」と語っており、どのようなビジネスにも共通する成功への鍵だが実践は難しい。

「コンピューターの進化がもたらすものは、最も生産性の高いスタッフの生産性をさらに向上させること」というCEOの言葉にもハッとさせられるばかりだ。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB084QZ0Y4A800C2000000/

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梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター
 
ひとこと解説

GSが官に食い込んだ1990年代は、大蔵省(現金融庁・財務省)への過剰接待など、官と国内大手証券の問題が相次ぎました。

「大蔵省の出先」とまで言われた国内大手と官が没交渉になり、市場の生の情報が政策を作る役所に入らなくなった。

その矛盾を突いたのがGSです。バブル崩壊でしぼんだジャパンマネーに取って代わる米国の投資家を握っていました。

市場の覇者交代は、日本経済のいろんな転機を映しています。

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日経記事2024.12.16より引用

 

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(関連情報)


・ゴールドマン・サックス ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0b4c5b8ba383a38e0af1df7b1a477ea3


・ロスチャイルド財閥-170   ゴールドマン・サックス(ロスチャイルド系) vs モルガン・スタンレー(ロックフェラー系) https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/943febf0a3cf5585d1a3a0dae4ac09ca


・ロンバルディアと金融
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d1872758c7062da7c37e31d55d58cf6f


・郵便貯金と簡保マネー解放のための民営化 小泉・安部と竹中平蔵そしてゴールドマン・サックスhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e92387834023c04f2a81181efa86f56d

 

 

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狂騒か警鐘か、ビットコインはなぜ上がる?

2024-12-13 14:55:52 | 世界経済と金融


「誰も見たことがない経済を実現する」。米誌タイムの「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に選ばれたトランプ次期米大統領は12日、ニューヨーク証券取引所で満足げな表情を浮かべ、オープニングベルを鳴らした。

トランプ氏はこの日、大規模な企業減税などを進める考えを改めて表明した。財務長官に内定している投資家のスコット・ベッセント氏は「トランプ大統領のもとでウォール街も、メインストリート(産業界)も勝てる」と調子を合わせた。

 

大規模減税、エネルギー増産、そして規制緩和――。11月5日の米大統領選でトランプ氏が勝利を決めて以降、ウォール街にはいつになく明るいムードが漂う。

象徴的なのが、暗号資産(仮想通貨)のビットコインだ。大統領選後に約5割上昇し、10万ドルの大台も突破した。12日もトランプ氏の登壇と同時に上昇基調を強め、一時10万2500ドルを超えて最高値に近づいた。

 

なぜビットコイン価格は上がるのか。トランプ氏が米証券取引委員会(SEC)の次期委員長に仮想通貨推進派のポール・アトキンス氏を起用するなど、次期政権の業界寄りの姿勢への期待が高まっているのは確かだ。

ただ、それだけではない。

 

8日に終了した人気歌手テイラー・スウィフトさんのツアー「The Eras Tour(ジ・エラズ・ツアー)」の約2年間の興行収入は20億7761万ドルと史上最高となった。そのチケットの平均価格は約204ドルだが、外部プラットフォームでの転売価格は平均数千ドルにも跳ね上がっていたという。

ビットコイン高騰の裏にも、こうしたプラチナチケットに似た構図がある。ビットコインの発行枚数の上限は2100万枚と決まっている。供給にそもそも限界があるため、人気に火が付けば価格が一気に高まりやすくなる

 

供給を制限するのは、値崩れを防ぐためだ。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ビットコインの考案者、サトシ・ナカモト氏は2010年に「中央管理の通貨の恣意的なインフレリスクから逃れよう!」と投稿していた。

 

ビットコインが金融危機を起こした既存の通貨体制へのアンチテーゼであるとすれば、紙幣を刷りすぎてインフレを起こし、通貨価値を自ら毀損するような状況は避けたいと考えるのは自然だろう。

金融市場ではビットコインだけでなく、金の値上がりも目立つ。いずれも配当も利息ももたらさない資産だ。ビットコインや金の価格が上がっているということは、裏返せばドルなどの既存通貨の価値が下がっているということでもある

 

 

サマーズ元米財務長官は10日公開された英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、トランプ氏の公約が実施された場合のインフレ圧力は21年のバイデン政権の政策と比べてもかなり大きくなることを「確信している」と語った。

 

インフレへの警戒がビットコイン価格の押し上げにつながっているとすれば、トランプ氏も素直には喜べないはずだ。

 

ドル離れを進めれば100%の関税をかけるとトランプ氏は脅すが、基軸通貨防衛の敵はほかならぬ自分自身ということにもなる。

(ニューヨーク=石川潤)

 

 
 
 

マーケットコラム「ウォール街ラウンドアップ」の一覧ページです。2024年10月1日、コラム名称を「NY特急便」から変更しました。

 

 

 

日経記事2024.12.13より引用

 

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ただの目立ちたがり、ミジンコの脳みそのアホボン爺さんです

 

『何事も失敗の原因の本質は無知。 そして根拠なき思い込みと根拠なき楽観!』

『馬鹿につける薬なし、馬鹿は死ななきゃわからない』

                              Renaissancejapan

 

ビジネスもプライベートも同じです。」

 

 

(関連情報)

 

★★★ビットコインの生みの親、謎のサトシ・ナカモトは、本名が大分県別府市出身の「中本哲史」、アメリカでコンピューター・サイエンスを学び、アメリカ財務省に附属するシークレット・サービスに属する人物と推定します 

https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/eab8a5df3480e2ad4ce33706e320de83


★★★ビット・コインとシークレットサービス、そしてブロック・チェーン
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/c1663b68c993d9843b59383abf758418

 

 DS陰謀論の本丸FRB(アメリカ中央銀行)を分かり易く説明
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1928f3096af970fb561f43a7179cfffb

アメリカを操るイスラエルロビー・AIPAC 
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f929da106e0e30decfedf237095f964c

国際金融財閥の序列
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/56f5f0fd3986a9e25da2cead730c0948

トランプがDSと戦っている? 冗談もほどほどに!
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/de96e73270e915c376ff4eeae976c036

2020年、トランプのデマ:民主党バイデンのドミニオンを使った不正選挙を信じる阿呆たち
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/dc93416f22ca0b8a75dfb095fe33250d

トランプ暗殺未遂 トランプによる自作自演のやらせ説

https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6d0dd34c0a2c408bc92f608bef749d47

 

 

 ・トランプを愛国保守と騙される阿呆たち  馬鹿は死ななきゃ治らない
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d3b5cc9105adfe32b904567abb7202a9

 

・2020年、トランプのデマ:民主党バイデンのドミニオンを使った不正選挙を信じる阿呆たち
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/dc93416f22ca0b8a75dfb095fe33250d


・トランプ暗殺未遂 トランプによる自作自演のやらせ説

https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6d0dd34c0a2c408bc92f608bef749d47

 

 

ゼーリック氏ら米共和の元高官100人、ハリス氏支持(日経・ロイター記事)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d00ae2e261a46639d8c67c55416a0511


米退役軍人ら700人超、ハリス氏支持 「民主主義守る」(日経・ロイター記事)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1516359acdf01351fc61ec47bc396bf2

 


・米司法省、マスク氏側に注意喚起 激戦州で毎日100万ドル(日経・ロイター記事) 飴に釣られる愚かな阿呆たち

https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f87a14068256c74f14030e0b520c0f26

 

トランプがDSと戦っている? 冗談もほどほどに!
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/de96e73270e915c376ff4eeae976c036


トランプはDSと戦っていて、暗殺・戦争をしない?冗談もほどほどにhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f68d57be8bbd0c7a359c62ec32aa3b6b