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バットマン:梟の法廷

2013-03-03 | 漫画
「梟の法廷に、ご用心。彼らがじっと見ているぞ。
 薄暗がりの高みから、大きな岩の後ろから、
 彼らはゴッサムを支配する。暖炉にいてもベッドにいても、
 もしもその名を口にすれば・・・爪(タロン)に首をとられるぞ」

ゴッサムシティに伝わる童謡に歌われる「梟の法廷」。
ゴッサムを暗闇から支配する秘密結社であり、
この街の真の支配者である、と噂された存在。

しかし、この街の現在の守護者、闇の騎士バットマンは言う。
「梟の法廷など存在しない、ただの伝説だ」と。
そしてバットマンのもう一つの顔:ブルース・ウェインは、
ゴッサムの再開発による明るい未来像を描く。

体中に投げナイフを刺され殺された男の死体。
意図的に動脈を避け、長い時間をかけて苦しめられた末での死亡。
ナイフの柄には梟のシンボル。
壁に亜麻仁油で書かれたメッセージは「ブルース・ウェインは明日死ぬ」。
そして被害者の爪には、元初代ロビン、そして現ナイトウィングとして活躍する
ブルースの戦友、ディック・グレイソンの皮膚組織が残っていた・・・


ジャスティス・リーグ:誕生」で幕を開けた、新たなDCユニバース「NEW52」。
「JL」はヒーローが現れ始めた時代の物語でしたが、
今作ではそこから5年後の「現在」を舞台に、ベテランとなったヒーローたちが
活躍する物語でございます。
その語られなかった5年の間にリセット前の世界で起こった事件と
似たような経緯を辿ってきたようで、ディック・グレイソンはロビンを経てナイトウィングとなり、
現在のロビンはダミアン・ウェイン(バットマンの息子)が担当。
(旧世界の彼については「バットマン・アンド・サン」参照)
元の世界では3代目ロビンからレッドロビンとなったティム・ドレイクは
(旧世界での彼のロビン化の経緯は「バットマン:デス・イン・ザ・ファミリー」を参照のこと)
この世界ではロビンではなく最初からレッドロビンとして活躍しています。
(この作品ではまだそこの設定が固まっておらず、ロビンだった過去があるとされていましたが)
しかし、だからといって「旧バットマンの知識がないと読めない」かといえば
まったくそういうことはなく、
「バットマンはゴッサムシティの犯罪者たちと戦うヒーローであり、
 その正体は大富豪のブルース・ウェインである」という前提知識さえあれば
楽しく読めてしまう作品でございます。

最初のアーカム・アサイラムでの(この世界での)犯罪者たちとの大バトルや
今作が初登場となる謎の組織「梟の法廷」とその配下の暗殺者「爪(タロン)」との戦い、
そして「梟の法廷」とウェイン家、そしてゴッサムシティとの因縁・・・
全3部構成の第1部ということで「これからこの話どうなるの!?」ってところで
終わっているあたりも気になる作品ではございますが、
ノーラン映画版でバットマンを知り、原作読んでみたいけどどれから読めばいいのかわかんないという
そんな方が最初に手を付けるには本当にぴったりの作品だと思います。
なんといっても、世界がリセットされて最初の話ですしねw
キャラもいっぱい出てきますし、「バットマン」というアメコミの魅力を堪能できる
そんな1冊であると思います。

同じNEW52世界で、バットマンたちに起こったまた別の事件を描く「ダークナイト:姿なき恐怖」も
邦訳が出たばかりでございますので、併せてお読みになるのもおすすめですよ。
コメント
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