Rimshot!!!!

映画観たり、アメコミ読んだり、占いしたり。

乙女の読書道

2014-01-30 | 
声優、歌手、茶芸師、ガンプラ女子。
変身写真館も経営すれば、フィギュア原型も作り
きのこを偏愛し、ボーカロイドの中の人にもなっちゃう筋金入りのマカー。
しかしてその実態は、ハヤカワ青背をこよなく愛するSF者であり
作家の父と詩人の祖父を持つ年間300冊オーバーの読書家。
そんな声優・池澤春菜さんの「本の雑誌」への連載を中心とした
初の著書がこの1冊であります。

僕が彼女を知ったのは、Twitterで妙なスパロボの診断作ってる人がいる→
あ、声優さんなんだ→この人の文章面白いな→お、SFマガジンの連載面白いな
という経緯でございまして、「BSブックレビュー」でアウェイ感漂う中SF紹介したり
「熱中スタジアム」アメコミ回で司会をやったりしている姿や
クオリティ高いガンプラ作例を見るにつけて「面白い人だなあ」と思い
ついには本を買ってしまうに至るという感じでございます。
(「レッツ&ゴー」の豪とか「ガイキング」のプロイストとかは後で知って
「えっ、そうだったの!」と驚いたというパターンでした・・・あとボイスラッガーとか)

「本の雑誌」連載をまとめたもの、ということで
毎月毎月おすすめの本を紹介しているわけなのですが、そのラインナップは
ダン・シモンズ「ハイペリオン」、P・G・ウッドハウス「比類なきジーヴス」
(ジーヴスシリーズは3回紹介!)、ジョージ・R・R・マーティン「タフの箱舟」、
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「ファンタジーランド観光ガイド」「チャーメインと魔法の家」
ウイリアム・シャトナー(カーク船長!)「電脳麻薬ハンター」、
セス・グレアム・スミス「高慢と偏見とゾンビ」、K・W・ジーター「ドクター・アダー」、
小野不由美「ゴーストハント5」、笹本祐一「妖精作戦」・・・と
SF、ファンタジーを中心としたかなりツボにはまるラインナップ。
もちろん、父、池澤夏樹の仕事・・・
翻訳を担当したジェイムズ・ヘリオット「Dr.ヘリオットのおかしな体験」に
震災体験から生まれた小説である「双頭の船」も紹介されていたり
祖父・福永武彦の「福永武彦戦後日記」も紹介されています。

読みやすいながらも本当に好きなんだな、という気持ちが伝わる
すっきりとクレバーな、それでいて熱意を感じる文章で
ついつい毎月の書籍購入費が増えてしまいそうな1冊です。

あと、面白いのは18年前の「週刊プレイボーイ」連載の「Coffee,Tea or Book?」が
収録されているのですが、その文末につけられた18年後の自分によるつっこみ。
内容のテンションとの落差がまた面白かったりもいたします。

巻末収録の父・祖父、そして己が「書く」ことについてのエッセイと
親子対談も読みごたえがあり、
SFマガジンやMac Fanとかの連載も1冊にまとまらないかなぁ、と
エッセイスト・池澤春菜の今後が楽しみになる1冊でございました。

・・・同い年なんだよなぁ・・・もっと人生がんばっとけばこんな人と接点できたのかなぁw
コメント
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