Rimshot!!!!

映画観たり、アメコミ読んだり、占いしたり。

火星の人

2016-01-18 | 
火星有人探査3度目のミッション「マルス3」は、
火星到着から6日後、猛烈な砂嵐によって中止を余儀なくされた。
さらに、脱出時に嵐で折れたアンテナが植物学者・エンジニアのマーク・ワトニーを直撃。
ワトニーの死を悼みながら、クルーたちは火星を後にした・・・

しかし、ワトニーは生きていた!
極寒と不毛の大地で、残された有限の物資と己の持つすべてのスキル、
そして強い心とユーモアを武器に、この極限状態を生き抜くことを決意する・・・

感謝祭のパーティー用に火星へと運ばれていたじゃがいもを栽培し、
残された機材を改造し、生き抜く工夫を重ねていくワトニー。
そして、ついに彼の生存の可能性にNASAが気づいた!
はたしてワトニーは、この死の大地から生きて地球に戻ることができるのか・・・?


映画「オデッセイ」の原作であり(それにしてもこの邦題はどうにかならないかな)
話題になっていた今作、やっと読んだわけですが(読み始めたら止まらないことを覚悟して積んでた)
・・・これ、そのまま映画にするだけですっっっっっげぇ面白くなるやつだ!

自分自身もコンピューターオタクで「天才」といってもいい経歴をもつアンディ・ウィアーが
最初はネット連載小説という形で発表した今作は
あくまで「実際に火星有人探査で事故が発生したらこうなるだろう」という
リアルさを追求したハードSFなのですが、
それでも読みやすいのは大半が「ワトニーの毎日の日誌」という形式を採用しており、
そのワトニーのユーモアの軽やかさと何があっても折れない心の強さと
火星で生き抜いていくための工夫の数々を楽しめることと、
(あとは隊員の楽しみ用に基地内に持ち込まれていた古いポップカルチャーへの言及もあったり)
地球のNASA側やワトニーを置いていって地球へと戻って行くマルス3クルーたちの
賢いプロフェッショナルとしての働きにぐいぐいページを捲らされます。

次から次へと起こるトラブル。
しかしそれは「ただ主人公を困難に遭わせるため」のものではなく
少しのミスが積み重なったり、または自然現象だったり、の結果であるのも
冷めずに一気に読みきれる理由なのかもしれません。

「SF版ロビンソン・クルーソー」ともいえる本作、
映画を見る前に、そして見たあとにもう一度、
楽しんでいただきたい作品です。

火星の人〔新版〕-上
火星の人〔新版〕-下

コメント
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