本日、「第56回宣伝会議賞」贈賞式が行われ、グランプリなど各賞が発表されました。
結果はこちらをご覧ください。
というか別タブで開きながら今回のブログはお読みください。
まずグランプリ。
「ホースを使いたくなるアイデア」という課題で我々が必死にホースを振り回す中で
さらに一階層下のレイヤーに思いを馳せてシンプルに表現したのは巧いな、と。
出てこない発想、ってこういうことだな、と思いました。
で、ここからは何なら運営批判、と取られてもかまいません。
工学院大学の課題「女子高校生が理系を志したくなるアイデア」が
ゴールド2点、シルバー1点選出されてるわけなのですが。
反省会のときにも少し書きましたが、この課題の背景って
「理系に興味があっても、就職などの理由で親や教師などから理系を選ばせてもらえない」、
「理系の一つである医学分野では、『女性である』というだけで入試点数を減点された」
という問題があるはずなんです。
『理系に興味を持っている女子学生が、理系、それも工学などを選んで学べるようになる社会なら、
理系を志す女子学生は今よりもっと増えるはず。計算能力などに性差があるわけじゃあるまいし』
僕はそういう側面で考えました。
しかし、今回ゴールドに選ばれた2点は、そういう問題意識でなく、
「そもそも女性は理系に興味がないから、女性の興味のある恋愛という側面で訴求しよう」という
思想で書かれたキャッチであるように思いました。
(シルバーに選ばれた作品は着眼点はいいんですが、アニメに女性研究者ってけっこういるのでは・・・
ロボアニメだと「母親」という役割も同時に持っているケースが多い気もするけども)
現代社会において、それってちょっと視点がずれているんでは?と
プロの広告制作者であるはずの審査員に対して不信感をもってみたり、
それゆえに女性に対する視点を間違えて炎上する広告表現が絶えないのでは、とも。
応募者の方に関しては、色々な視点からのアプローチということで特に言いたいことはないのですが
そのアプローチを「選び」「受賞させた」のはどうかなぁと思うわけです。
まぁ、これも「見ているレイヤーの違い」なのかもしれませんが。
3次で落ちている身としては、来年こそファイナリスト、そしてグランプリ、と
気持ちを新たにするとともに、この結果を見て
審査員の傾向も視野に入れた「戦略」も考えるべきなのかもしれない、とも思ったりもしています。
どうせ本番になったらそんなこと全部忘れるのだろうけれども。