「七つの大罪」は目覚め、老魔道師の最後の力が失われようとするとき、
一人の少年が、魔道師のもとへと導かれた。
少年の名は、ビリー・バットソン。
はぐれた母を捜し求める孤児。
スーパーパワーを身に着けた少年は、
同じ里親のもとで暮らすフレディと、
その力と大人になった外見を楽しんでいた。
そこに現れたのは、託された力を狙う
その身に七つの大罪を宿す男、Dr.シヴァナ。
ビリーは果たして、本当のヒーローとなり、
七つの大罪を封じることができるのか?
「アクアマン」が世界的な大成功となったDCFU新章(と言っていいですよね)第2弾。
今作はより笑いの要素を強めながらも(日本版吹き替え監修はそこを勘違いしたようですが)
「ヒーローとヴィランを分けるもの」、そして「家族」についてのメッセージもしっかりと描いた
超がつくほど王道のヒーロー映画となっています。
そして今作の世界は「すでにヒーローが実在する」世界でのヒーローの受容のされかたというか
「ヒーローにあこがれる子供」の視点を楽しめることも魅力かな、と思います。
バットマンやスーパーマンを、あの世界の子供たちはどう見ているのか?という視点が
世界にさらに立体感を与えた、といいますか。
原作「魔法の守護者」を下敷きにしながらも、細かい設定だけでなく
わりと根幹にかかわる設定までも映画向けにチューンした内容となっていますが、
それでもしっかりとテイストは原作と同じ、というあたりにも
作り手側の真摯な姿勢がうかがえます(少なくとも本国のスタッフは)。
アメコミ映画がユニバース化で途中から入りにくくなっている昨今においても
「スーパーマンとバットマンは存在だけは知ってる」くらいで楽しく見られる一本であり
強力なライバルとの同時公開、さらに翌週には「アベンジャーズ/エンドゲーム」という
厳しい環境の中での作品となっていますが、ゴールデンウィークの中学生に見てほしい1本です。