「ジョーカーの恋人」としてゴッサムの街でやりたい放題に暴れてきたハーレイ・クイン。
しかし、そのジョーカーと別れたことが知れ渡った途端、
彼女はゴッサム中の犯罪者、そして警察からも追われる身となった。
特にその命を狙うのは、ゴッサムの犯罪社会も表の社会をも牛耳る大物、
ブラックマスクことローマン・シオニス。
しかし、そのローマンが奪ったダイヤが、盗まれるという事態に。
盗んだのは、スリの少女、カサンドラ・ケイン。
ローマンに捕まったハーレイは盗まれたダイヤを取り戻すことで生き延びようとするが
ローマンは少女に懸賞金をかけ、町中の犯罪者に追わせることに。
そして、この事件とハーレイに絡む、3人の女性。
ローマンの犯罪を追い続けてきた刑事、レニー・モントーヤ。
ローマンの店で歌う歌姫、ダイナ・ランス。
マフィアを狙う謎の暗殺者。
はたしてハーレイは少女を見つけ、生き残ることはできるのか?
「スーサイド・スクワッド」でデビューし、「悪カワ」のアイコンとなった
DCFU版ハーレイ・クイン。(すっかりハロウィン仮装の定番になりましたね)
今作ではどちらかと言えばハーレイ個人誌に近い、ポップでマッドな内容となっています。
『前作見てない』『前作イマイチじゃない?』という向きには
冒頭でアニメでハーレイのこれまでをしっかり紹介してくれる安心設計。
(もともとアニメ版バットマン出身のキャラなんですよね、ハーレイ)
ダンスのように美しく、派手なハーレイのアクションに魅了されたり、
各キャラクターたちの痛快なアクションを楽しんでいくうちに見えてくるのは
「抑圧された女性たち」が自由に生きるためにもがく物語。
ブラックマスクとMr.ザーズの見せる「厭らしい社会」の戯画化を
バットやハンマーで粉砕していくハーレイたちの活躍に
喝采を送りたくなる作品、という側面も感じられます。
新型コロナウイルスの影響で数々の映画が公開延期になる中、
今作と6月公開の「ワンダーウーマン1984」は延期されないで公開が決定。
防疫・感染拡大の防止はもちろん大切なことですが、
注意を払いつつ、イベント自粛で鬱屈した空気を吹き飛ばすような1作として
ぜひお薦めしたい1作です。