怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

年齢差結婚

2014年03月25日 | 義母
義父が勤務していた会社からパーティの案内状が届いた。

退職者、現役の勤務者を含めた大掛かりな宴会が企画されているらしい。この案内状の質の良い紙からもその気合の入れ方が伝わってくる。
出席希望日と人数、三種類あるメニューの選択などが書かれてある。
そのメニューだが、訳してここに公開しようと思ったのに知らない材料や料理法ばかり出てくる。いちいち辞書を引くのが面倒になったので中止、えへへ。外食しないとレストランでは普通に出される献立などにまった知らないで過ごしてしまうものだ。
肉、魚、ベジタリアンの三種類の主料理がある。それぞれに相応しい前菜、付け合せやデザートがコースになっている。

当然義両親たちは出席するものだろうと思った。義母が読み上げていると、最後の一文に彼女が憤った。

「何これ。正装しなくてはいけないみたい。じゃあ、行くのやめるわ」
えええっー、もったいない!お義母さん、素敵な服をたくさん持っているじゃあないか、どうして?
正装しなくてはいけないという、そう命令されるのが嫌なのか?
「んじゃ、私がお義父さんと二人で行きます」と言いそうになった自分を抑えた。
義父と二人で行ったら彼のかつての仕事仲間たちはこう尋ねたいのを我慢するだろう。
「前の奥様は亡くなったのですか」
義父の妻に間違えられる可能性はここでは高い。親子ほど年齢の離れたアジア人女性と再婚するドイツ人男性は多いのだ。間違えられてもどうってことないのだけれど、おいしいもの食べたさにわざわざ義母の替わりに息子のヨメがしゃしゃり出るのも妙だしね。
じゃ、夫と義父と私の三人はいかがだろう??おいっ、そんなにタダ飯を食べたいのか、わたし?!

まだ返事を送るまで期間があるので、それまでに義母の気分が変わってくれるといいな。
義両親と私と三人で行きたいなぁ。あ、やっぱりタダ飯にこだわっている??だってぇ~コース料理なんてもう何年も食べていないもの。



衣類を甦らせる義母

2014年02月16日 | 義母
義母の妹宅から次々と古着などの繊維製品が届く。
撮影するために裁縫部屋を覗いたが袋一つ分だけだった。
数ヶ月ごとに大量にやってくる。義母はそれらの中から使えそうなものを選んで甦らせる。
下は元シーツだったテーブルクロス。上質な麻だとかで、確かに見栄えも触った感じも良い。

これはシャツだったエプロン。義母の妹の嫁ぎ先一族は大柄な人ばかりで、男物のそのシャツからは2枚のエプロンができた。

市販のものと違い、縫製が丁寧だ。

ちょうど私のエプロンの一枚がだめになってきていたところなので、嬉しかった。
こういうときには「便利な義母でよかった」と思ってしまう浅ましいりす。
人気ブログランキングへ
義母の妹は縫い物が一切だめなので、こうして再製できる姉に古着を回す様子だ。中にはたいして古びてもいない外套やTシャツなどもあり、義母と私は着てみるのだが大抵は大きすぎて諦める。着道楽な義母の妹一族のおかげでウチは少々助かっている。
義母でも甦り不能衣類・繊維製品は、古着を集めているボランティア団体に寄贈する。

ヨメの逆襲

2014年02月08日 | 義母
義母がスーパーの特売広告にチェックを入れていた。ドーナツメーカーだ。

一緒に見に行くことになった。売り場でその品を目の前に彼女は私に尋ねた。「どう思う?」
私が欲しいものに関して「そんなものは必要ありません」といつもきっぱりと断言する彼女だ。そんな風に尋ねられたら逆襲するしかないじゃあないかい?
ま、私も鬼じゃあないから回りくどく言った。
「油で揚げないドーナツがどんな味なのかわかりません。誰かが持っていたら、まずそれを食べさせてもらっておいしかったら次回の売り出しで買いましょう」
義母は納得して、一緒に売り場を離れた。
 
食料小部屋の棚の上には年に一度も使うか使わないかわからない義母が収集した調理家電が並べられている。
私の頻繁に使いたいオーブンースターは物置のような寝室の片隅で風呂敷(マレーシアバティックぅ)に包まれて出番を待っている。
義母のワッフルメーカーを寝室に、私のオーブントースターを食料小部屋に持って行きたい。
そうなったら、ドーナツメーカーをプレゼントしてやってもいいぞ、お義母さんっ

人気ブログランキングへ
ドーナツメーカーに興味を持つのにどうしてオーブントースターはだめなのかしら。納得いかないぞ。やっぱ、ガイジンヨメが欲しがるものはくだらないもの、としか感じないのだろうなぁ。

義母好みの食器は中古

2013年12月09日 | 義母
「今日は皿を買う」と義母が鼻息を荒くしていたので何事かと思った。
シミや傷だらけの古い皿がいっぱいあるじゃあないか?
先月、彼女のお気に入りの一番シミだらけの皿が割れた。私は秘かにほくそ笑んでいたのだが義母はショックだった様子。
まず、食器や雑貨まで揃っている家具屋に見に行ったが彼女のお気に入りは無かった。「カリタスに行きましょう」
カリタスとはいろいろな事業をやっている一言で言えば福祉団体のようなものなのだが、そこでは寄付で集められた使い古し家財道具が格安で売られているのだ。

そこで義母が見つけた皿。割れたお気に入りとそっくりのもあった。金色で縁取られているのがいいらしい。
電子レンジを使う、という発想がない義母らしい好み。

この皿、一枚30セント(約50円)。
嬉しそうにしている義母の脇で私は不安になった。「ウチは困窮しているのだろうか」と。

心配している私のことなど全然察しない様子の義母は私に尋ねた。
「りすへのクリスマスプレゼントは何がいいかしら?」
答えるのに窮するのは当然だ。タイミング悪すぎじゃあないかい?
「うー。」私たちのアパート、いや、敷地内の小屋でもいい、いや、二階に私専用台所でも妥協しよう・・・などとはとても言えない。
「うー。」とだけしか言えなかった私。「カリタスの中古マグカップ」とでも言えば喜ばれたか?


人気ブログランキングへ
他人が使ったものを嫌がるドイツ人もたくさんいる。代表的な例は夫だっ!
彼にはこれらの皿が中古品だと知られないよう黙っているのは必須。「地下室の奥から出してきたのよー」と言えば済むことだ。
本当のことを言えば彼は早速新しい「マイ皿」を手にして「私の食器は必ずこれを使ってください」と面倒なことになるから気をつけなくては。お義母さんも気をつけてね~





靴とかばんは皮製にしなさいっ

2013年12月03日 | 義母
目に留まったスーパーの広告の品。

ブーツが15.99ユーロ(約2000円)!きっと1シーズン使って廃棄するような安物だろうけれど、ちょっと楽しむためにはうってつけの品。

欲しいなぁ~、と声を出さずに見入っていたら義母がツカツカとやってきて言い放った。
「皮のを買いなさい、こんなに安い品は皮ではないだろうから止めなさいっ」
あのぉ~、見ているだけなんですけどぉ?
義母が言うには靴とかばんは皮製品でなくてはならないのだそう。彼女の靴はほぼ全部、皮だ。普段使いにしている皮バッグは何と50年使っているとか。物持ち良すぎっ。資本主義の敵っ!それって20歳代の頃から使っているのかい?趣味、好み、また流行などはどんどん変わっていくものなのではないかい?
って思うのだけれど・・・

これは私がティーンエイジャーの頃にもらった、実母のハワイ土産。当時は「こんな小花模様の子供っぽい品、嫌だなあ」と口に出さずにしていたが、年齢を重ねるにつれ、なぜかお気に入りになってきた。
分厚い革製品。飽きない。かなり小ぶりなので大量に物を持ち歩く私はあまり使わない。そのおかげできれいなままを保っている。

人気ブログランキングへ
そういうわけで、義母の「靴とかばんは皮」という意見には同意せざるを得ない。
かばんの場合、どうしても革製品は重いので購入を躊躇してしまう。勇気を出して合皮を買ってしまうと(義母がすかさずチェックを入れるので勇気が必要)耐久性という点でかなり劣るのを目の当たりにしてがっかりしたりする。やっぱ、皮のを買えばよかったな、とか後悔したりして。
とはいえ、同居などしていなかったらバンバン安物を買ってバンバン捨てるという、義母ではなく資本主義に操られた生活をしているだろうな~



広告の品

2013年11月12日 | 義母
義母は「安いから買いに行く」という私の行動を非難する。「必要なら買いなさい」という彼女の買い物哲学だ。
私もなるべく彼女の神経を逆なでしないように安売り広告に露骨に反応しないように気をつけてはいるのだが。

ああっ、いつもの半額っ。と叫びそうになるのを押さえる。
ところが私が熱心にこの広告に見入っているのを義母は見逃さなかった。「それ、必要なのですか?」と私に問いただした。
「いえ、まだ何箱かありますが、安いから買っておきたいです」と答えるとやはり義母の反応はよくなかった。

ま、一日二十四時間監視されているわけではないので、外出時にそっと買ってきちゃうわたし。
さすがに「返品してきなさい」とは言わないので見えるところに仕舞っておいても大丈夫。

人気ブログランキングへ
要するに、私の行動にケチつけるのも彼女なりのコミュニケーションの取り方でもあるのだな、と勝手に結論。

三級品は危険

2013年05月31日 | 義母
いつものように週一度の食料の買出しに付いていった私。
最近ラザニア作りに凝っているのだが、夫は肉食を避けているため私は野菜類でいかにおいしく作るかがテーマになっている。
並んでいるきのこの缶詰を見ていたら「これは材料になるかも!」とひらめいて、一番安い品を選んだ。
実験段階はいつも失敗を考え、安いものから始めるわたしだ。
義母は私の買い物を見てこう言った。「なぜ三級品など選ぶの!?私はいつも一級品よ」
写真の両端が私が買ったもの、真ん中は義母がいつも買う品だ。
義父は「三級品は危険だぞ」
この言葉は少々怖かった。きのこは放射性物質を取り込みやすい植物と聞いている。つい先週も地元新聞に「野生豚にセシウム検出」というニュースが載ったばかりだ。
私はこの安い品が安い理由は形が不揃いであることだと判断しているのだけど。だいたい収入が少なくて家賃も払えない息子の嫁が高い物資ばかり選んでいたらそれも大変なことではないか、お義母さんよ~
いずれにせよ、義両親たちが私のやることなすことにいちいち何か一言いいたがるのは挨拶のようなものだ、と学んでいるのでたいして気にすることもないこの頃だ。
こういう楽観的な気分になるのも、コメントでアドバイスをくださる人たちのおかげさ、ありがとうございます。

義父が口癖のように語る話のひとつ。
20歳代の頃までは外国の慣れない食べ物に挑戦できるけれど、年をとった今ではもう挑戦はしない。
私の日本料理を絶対食べない義両親の言い訳はこれだ。実際、慣れない食事をして具合が悪くなった経験もあるらしいので私は彼らに勧めたりしない。
しかし、義父はときどきこのようにも言う。
ドイツにいるのだからドイツの料理に慣れなければならない。
義母がラプスカウスなど私が絶対食べない料理を作るときなどに義父はこれを言い出す。
おいっ。それは矛盾しているぞ。20歳代以降にこちらに嫁に来た私が毎日どのくらい努力してここの料理を食べているのか全く考えたことがないのか、と言いたい。
特に、ここに来てから3ヶ月は毎日下痢状態だった。誰にも言わなかったけれどね。今じゃあ下痢などしないからやっぱり慣れたのかな。それにしても嫌いなドイツ料理くらい食べない私を大目に見てくれてもいいではないかい、といろいろ言いたいけれど・・・・
義父はただ、言いたいだけなのだろうな。自分の意見を聞かせることで気が済むわけで、私がそれに従おうがそうしまいがあまり関係ないのだろう。
義母は私の嫌いなドイツ料理をよく理解してくれているので、二人で私を攻めるということはない。
良い聞き役の嫁を演じきろう。ときどき傾聴ボランティア状態に嫌気がさして逃げることもあるけど、ま、ご愛嬌。


ヨーロッパ(海外生活・情報) ブログランキングへ 
日本の完全同居嫁の皆様、毎日ご苦労様です。私もがんばっています・・・同じに日本人でも世代や地域によって食べ物の好みが違うしねぇ、ああ、どこに嫁に行っても同居は大変さ~


ドイツ人を超えたりす

2013年05月05日 | 義母
義両親と買い物に行ったとき、ラザニアを買おうと思ってスーパーで探した。
最初に入った店では1パック500グラム入りパッケージの品が1ユーロ79セントだった。数ヶ月前に同じ量の品を1ユーロの特売で買った私には少々高く感じた。
私が躊躇していると義母が「早くカートに入れなさい!」と急かした。
「ちょっと高いです、隣のスーパーと比較します」と私は答えた。
義両親たちが支払いを済ませている間に、数十メートル離れた隣のスーパーでラザニアを探したら、同じ量のものが1ユーロ19セントだった!私は3個掴むと喜び勇んでレジに向かった。60セントの差は大きいではないか!
義母に報告すると、彼女は驚きの一言を発した。
「それは倹約ではなく、しみったれです」
ええ?そ、それはないでしょう??
夫が日本で暮らしていた頃、やはり隣あったスーパーでよく値段を比較して買い物をした。
そのスーパーは隣と言っても大きな道路で隔たれていて、客は店の二階から歩道橋で隣へ行き来できるようになっていた。
食品売り場は地階と一階で、今回ラザニアを比較したスーパーの距離とは雲泥の差だった。
夫(当時は夫じゃあなかったが)はその距離をものともせず何度も行き来して安いほうを買ったものだ。
私は彼について歩く体力がなく、座って待っていた。ドイツ人の倹約ぶりのその実際を見せ付けられていた気分だった。
こうした記憶があるから、私は間違いなく義母に褒められると思っていたのに!

「ドイツ 倹約 節約」などの語句で検索するとたくさんのサイトやブログが出てくる。
また、書籍でもそのようなタイトルのものが多く出版されている。
実際、ドイツ人と毎日暮らしていて、または周辺の様子を観察していて、特に日本の生活より節約や倹約に優れた能力を発揮していると感じることは少ない。
生活そのものに対する感覚の違いもあるだろうが、ムダかなと思われるやり方も多い。
たとえば過剰な暖房。
ウチでは灯油暖房と更に薪暖房を併用している。薪は親族からのもらい物だからタダなのだけれど、薪作りにかかる労力などを考えると明らかにムダだし、環境を考えてもあまりよいものとは思えない。
深夜には暖房は止まるシステムになっているのだが、トイレや浴室は24時間、しかも夏季も暖房しっぱなしである。
水周りが凍りつかないように(古い時代の家屋はおそらく水周りが凍ったと思う)という意味もあるのだろうが、それにしてもやりすぎではないか、と私は感じたものだ(次第に感覚が麻痺してくる・・・)
また、明らかに暖房過剰の家もあるらしく、物を届けに行った先の家の人たちが真冬に半袖シャツで過ごしているのを見たときは以前読んだ書籍の知識と同じであることを確認した気分だった。
公共施設では誰もいない大きなホールや室内もガンガンに暖房しているところがたくさんある。この部屋はしばらく絶対誰も使わない、と判断してスイッチを切ったこともある私だ。もちろん、トイレはどこも暖かい!数分しか用がないトイレをずっと暖房し続けるのはムダではないか、と思っていた私。(古い話だが大屋政子が「トイレを暖房できない日本は遅れている」と発言したのを私はびっくりした思い出がある。現在、山形の豪雪地帯ではトイレに入ると自動的にスイッチが入って強烈な温風で室内を暖めるらしい。待機電力が必要だがずっと暖房しっぱなしより効率がいいと思う)

道端にパンが捨てられているのは普通にみる事ができる。半分くらい食べて、お腹がいっぱいになってしまったのだろうか、そういったものが結構捨てられている。ちゃんとゴミ箱に捨てればいいものを道端にあるのが情けない。
街中ならある程度仕方がないが、農道で見つけたときはわけわからなかった。
パンを平気で捨てるようなことをする人々を(たとえ子供であっても、たぶん子供たちだろう)倹約好きと言いたくない私。

「全部食べることができますか」と昼食に訪れたダンナの友達のドイツ人に尋ねた友人。
「大丈夫だ」と答えた彼はじゃがいも団子にほとんど手をつけずに残したのだそう。激怒した友人(中国人)は「今後一切彼を私の食卓に招かない」と言っていた。
この例なども倹約とはちょっと遠い現在のドイツ人をよくあらわしているように思うのだが、どうだろう。

あちこちに古着回収の大型ポストがある。来た頃は他のたいていの人と同様に私も感心したが次第に嫌気がさしてきた。
無造作にそのポストに突っ込む人々の様子を何度も見かけるうちに、だ。
H&Mのような数回着用して捨てるようなレベルの商品がここでも人気がある。それらの商品があのポストに入れられているのだなあ、と思う。
慎重に選んで大事に着用、って観念はすでにドイツにはないものと思われる。おしゃれな義母もその点では私と同意見だ。「現在はモード、というものは有りません」義母の言葉。

さて、ラザニアの話に戻る。
夫も私もラザニア初心者で、ラザニアパスタそのものの味についてまでまだ深い追求はない。料理する私も試行錯誤の段階だから安いもので何度も作ってみたい。だったら安い商品で充分ではないか、と思う。
しみったれなんかでなく、ちゃんと考えた妥当な買い物だと自負しているぞ。
いや、しかし、生粋ドイツ人に「倹約を超えたしみったれ」と認定された私、現在のドイツ人より倹約が上手いことを自慢することにしようか!!



ヨーロッパ(海外生活・情報) ブログランキングへ 
日本は個人が浪費家なのではなく売り手の消費のさせ方が非常に上手、と表現したい。それに乗せられずに過ごすことができるたら素晴らしいのだけど。








クリスマスはクルシミマス

2012年12月20日 | 義母



年末のクッキー作りはもう、義母のDNAに刻み込まれた本能のようなものだと諦めてはいるのだが、毎年毎年奴隷状態で彼女の手伝いをするのは辛いものだ。
何をどのくらい焼くかとか、材料を集めたりとか、こねたりする面白い部分は彼女の独占で、私がやることといえば形になった生地を天板に並べるとか、焼きあがったクッキーに砂糖をまぶしたり缶に入れたりするという脳みそを使わない退屈な作業だ。
ここに来てからこの立場は一向に変わらない。
「もっと自主的に自分がやりたいと主張しろ」とコメントをいただきそうだが、本音を書かせてもらえばクリスマス前にあんなに膨大な量の菓子を焼くのは狂気の沙汰としか思えない、つまり、やりたくないのだ。
パラサイト嫁としてはせめて、家賃相当分くらいは彼女のために働かなくてはならない、と半ば労働のつもりで参加している。実際、これはいい動機だ。
が、もう、次々と毎日毎日呪われたように焼いている義母傍らにいると、家賃以上に働いた気分になっていく。

先日の夕方、まだオーブンの中に焼き上げ中のクッキーがあったが、限界を感じた。
急に思い立って「これからクリスマスマーケットに行ってきます」と義母に恐る恐る尋ねると、許可が下りたぞ。さては私の全身から漲る「やりたくないオーラ」を感じたか?
すでに外は真っ暗。夜の一人の外出を許されるようになったのは盛大な進歩だな、うほほ。






ウチからバスで10分ほどのこの集落の中心で3日間だけ開催されたクリスマスマーケットだ。
規模は小さいけど、たくさん人が集まっていた。ああ、家にこもりっぱなしは本当に精神衛生によくないな。
一時間ほどうろうろとしただけで、機嫌はすっかり良くなった。

さあ、残り数日のクッキー作り、奴隷を演じきることにしようぞ!




義母パン

2012年12月08日 | 義母
義母は週に一度、一週間分のパンを焼く。(市販されているものも食べるのだが)
この様子を見るたびに、実家近所に住んでいるスイス人B子さんを思い出す。色も形も同じようなパンを焼いていた。
彼女の旦那さんは日本人なので、普段の基本の食事は和食だ。確か、マクロビオティックが基本の食卓だったかな。
何度か食事に呼ばれたけど、玄米を食べていた。
「ヨーロッパ人は乳製品を摂り過ぎで病気になるのよ」
そのヨーロッパ人からの言葉だ、ものすごく説得力があった。
日本語も達者だし、日本の食事を作るのだから、パンを恋しく思うことなど無いのだろうと思ったのだけど。
日本の一般的なぶわぶわの白いパンは口に合わないのだろうな。
自分で材料をそろえて、義母のように一週間に一度、今でも焼いているのだろうか。
義母は恐ろしく大きくて古い「電動パンこね器」を持っているが、B子さんはどうしているのだろう。手こね?
材料でさえ故郷よりひどく高いだろうに。いや、スイスも日本に負けず劣らず物価が高いらしいけど。
お義母さまと同居していたけれど、彼女も元気に暮らしているのだろうか。二世帯住宅だから、ウチよりずっと楽勝生活だろうな。

義母パンを見ながら、いつも思い出すのは日本のスイス人。
世の中、国際的になったものだ。












捨てた!チョコレート

2012年12月03日 | 義母
気温が下がって体温を維持するためにカロリーを身体が要求するらしく、やたらと口淋しくなる。
ちょっとチョコレートでも食べようか、と食料小部屋のチョコレートの山から適当に1枚を取ってみると・・・

賞味期限が2008年12月。4年前のチョコレートか。油脂は酸化するから危ないよなぁ、と思いながらも義母に鍛えられた感覚で「食べちゃおう」と決心した。
ところが、食べているうちにだんだん気分が悪くなってきた。
不味い。

見た目はちゃんとしているのだけどね。
味は劣化した様子。いや、もともと私の味覚には合わないのかもしれないけど、このチョコレート。

義母にはもちろん内緒でほとんど1枚、ゴミ箱行きさっ。
食料小部屋のあの年代物チョコレートの山、あとどれくらいあるのかなぁ、怖いなぁ~



赤カブの酢漬け作り

2012年08月12日 | 義母
台所に行くと、義母が赤カブ入りのバケツと格闘していた。
「ちょっと味見してみて」と頼まれた。
いろいろなドイツ料理の味見をしばしば要求されるのだが、私にとって新しいここの食べ物だから私の言うことなど当てにならないのではないか。「新しい」と表現したが、そろそろ言い難いか?今年12月にはドイツ生活&同居丸五年になるのだから。
薄切りにした赤カブに砂糖・塩・酢などを混ぜる。最初から見ていないので、赤カブを加熱したのかどうか不明。
え、ちゃんと取材しろよって??はい、すみません・・・

味が調ったところで義母はバケツをひょいと持ち上げ、地下室へ降りていった。
あのバケツの赤カブの量、そんなに軽いとは思えないのだが・・・と私はいぶかしく思いながらあわてて付いていった。

空き瓶に調味赤カブを詰める風景。
「蓋から1センチ下まで入れるのよ」と義母。そっか、いつかは私の仕事かい?
ビンは熱湯消毒などすることなく、普通に洗って乾かしただけのもの。すでに何年も赤カブ瓶詰めに使われている。

「赤カブ栽培は今年で止めることにした」と義母。「ふうん・・・」と私。
「今年で終わり」はいろいろな物事で何度も義母の口から出たが、実際にやらなくなったことはほとんどない。

これはスーパーの広告から。一ビン100円以下で買えるのだから、買ったほうが絶対安い。
赤カブの種を買って、種まいて水やって・・・掘り起こして洗って切って・・・手間を考えたら気が遠くなる。
それでも、作っちゃうのは、庭仕事が大好きな彼女だからだろうな。私にとっては、自家製の方が数倍おいしいのでずっと作り続けてもらいたいのだけど。
でも89セントは魅力的。別居したら買っちゃうだろうな。



お義母さんの言いなり

2012年06月07日 | 義母
義両親、庭仕事に毎日大奮闘中のこの頃。
先日、義母がしていた作業を盗撮。これって、絶対、薬剤散布だよなぁ・・・

ちょっとがっかりした。ここは年中気温が低いから薬品を使わなくても芝を上手く育てられるものと思っていたからだ。

義母に尋ねると「これは雑草用だ、大丈夫だ」だそう。ええ・・・いろいろな鳥たちが芝生で何かをついばんでいるのにねぇ。
薬剤に弱い私、しばらく庭に出ないよう決心した。
ドイツ人が環境保護に熱心だ、という話を私は信じない。市内をめぐるバス路線は年々不便になっていく。自動車産業で潤っているこの国や街、バスなんか乗らないで自動車を買えよ、って言っているみたいだ。
インドに化学薬品工場を持っているドイツ、インドの反対でその危険な薬剤をこちらに持って来るそうだ。
親族が持っていた広大な野原は3,4年前に売られて宅地になっている。さまざまな動物が生息していただろうに・・・

今日も義母はせっせとお料理。
何を作るのか恐怖の一瞬。

私が勝手に買ってきたブロッコリー。
義母は料理の仕方を勝手に指示する。私は私のやり方で食べたい、と気弱に主張。
まず、茹でて、半分を私用、残りを義母流に料理することで話がまとまった。


茹でただけの私用は味噌だれでいただく。義母はたっぷりの油で炒めて、パン粉を絡める。
平和な食卓を実現できて満足な私。

別の日にはアスパラガスでひと悶着あった。
出盛り期の今、500グラム150円程度の特売品を買って喜んでいた私。
義両親はアスパラガスを家では全く食べない。「たいして旨くもない」というのが彼らの主張。
だったら、私のやり方に口出ししなくてもいいものだろうに、茹でてそのまま味噌だれで食べようとする私を猛攻撃した。
「バターのソースがないと不味いぞ」「せめて、バターを添えて食え」
ブンブン頭を振り続ける私に不機嫌爆発の二人だった。


この日の主食はシュペッツレ。嫌いではないのだが、大量の油を混ぜるところが私の身体に合わない。
「油を入れないとくっついて固まる」というもっともらしい理由があるのだが。
仕方がないので私は米飯さ。

おまけ画像。
とうもろこし粉が半分混ざった生地で作った蒸しパン。
友人宅で食べたものがおいしかったので再現したのだが、私が作るとうまくいかない。
う~ん、トレーニングだな、何事もっ。
義両親にはとても食べられないシンプルな味さ、一人で消費するぞ、うほほほ。


りんご屋

2012年05月08日 | 義母
なぜだかウチは、スーパーでりんごを買わずに時々回ってくるりんご屋から買う。
義母に理由を聞けばそれらしい答えが返ってくるだろう。
「安い」
「安心」
「新鮮」(って、りんごの収穫期は大体どこでも同じだろうな)
のどれかだろうか。

午後2時ぴったりにウチの前にりんご屋がやってくる。
今日は10分ほど遅れてきやがった。盗撮する私も10分待ったぞ、プリプリ。


車体に印刷されたホームページを検索すると・・・APFEL-DIREKT
実に簡単な商売の宣伝。使っている車の写真なども入れたらいいのにねぇ。




ポニーテールの細身の男一人でやっているのかな。
「いやいや、ごめんごめん、遅れちゃって」
聞こえないが、そんな会話がなされていたことだろう。



義母に提案

2011年06月20日 | 義母

そろそろイチゴケーキの季節も終わり。

それにしても義母の作るこのスポンジ台は甘ったるい。このスポンジ台には油分が含まれていないので胃腸が弱い私にも優しいケーキなのだが、甘ったるいのは舌に厳しい・・・

その上に甘いクリームを載せる。
ドイツ人の年間砂糖消費量は日本人の2倍らしいが、生活した実感では3~4倍かもしれない。


いちごの次はさくらんぼ。これはうじ虫入り。農薬を使わない代わりにほとんどのさくらんぼに1ミリくらいの白いくねくねする虫が入っている。

種とうじ虫を取り、上のイチゴケーキのスポンジと同じ材料の上にさくらんぼを並べて焼く。

これも・・・・甘い・・・

種と虫を取った後のさくらんぼ。これは冷凍保存分。


さて、甘すぎるスポンジに嫌気がさした私。今日もさくらんぼケーキを作るという義母に今年最初(遅すぎだ)の勇気を持って提案した。
「砂糖を少なめにしてみたい」
どうせ、「ネーーーーーーー!」と否定されるに違いないと覚悟していたのだが。
なんと、義母はあっさり
「そうしてみましょ」
と言ったのだ!ひええええ~、もっと早くいろいろ提案してみればよかったっぁ!
義母も甘すぎると思っていたのだろうか、私の味覚は狂ってはいなかったのか?
「もともとレシピより少なめに砂糖を入れているのだけど、もっと少なくしてみましょう」
だって・・・



左は焼く前、右は焼きあがったもの。
さてお味は・・・・う~ん、日本人にはまだちょっと甘いかな。
でも、ドイツ人にはもうギリギリだろう。これ以上砂糖を減らすと彼らにとってただのさくらんぼパンになっちゃうぞぉ。
私もこの辺で妥協かぁ。ああ、結婚生活は妥協だ、妥協、妥協、妥協、妥協、妥協、妥協 もひとつ 妥協