漱石先生、あなたの特別展
『文豪・夏目漱石 ーそのこころとまなざしー』に
行って参りました。
平日にも関わらず老若男女で盛況なのを拝見して
漱石ファンの層の厚さと熱心さに感服いたしました。
そしてひとつはっきりしたのは
「私はまだまだ夏目漱石を知らない」
ということです。
漱石先生の愛した蔵書の数々、友人や作家仲間との手紙のやりとり、
山のように書き込まれたメモやノート。
そのあまりの“宝”の多さに圧倒され理解不能(笑)。
漱石先生の頭の中の宇宙はこの数百倍かと思うと
後ずさりしました。
しかしながらやはり先生の作品に惹かれております。
朗読屋としては、作品にぶつかってゆくしかないようです。
今回の特別展には初版本なども展示されていますね。
その装幀などのデザイン・イラストのセンスの良さに
心ときめきました。
かなり厳しく指示して、名だたる美術家のみなさんを
悩ませた(笑)とか。
若いころ建築家を目指していた先生。
“絵的バランス”にはうるさかったのかもしれません。
作品の洪水。
展示の出口近くにあった先生のデスマスクを眺めながら
到底追えるはずのない“夏目漱石”という軌跡を思い、
心をキュンとさせる私です。