菊の季節

昔、菊花展というものを見たことがあります。
そこに並ぶ菊たちは私の知っている菊ではなく、
威風堂々と、また華麗に大輪の花を咲かせておりました。

９月９日は重陽の節供「菊節供」。
古来中国に起源は遡ります。
中国では奇数は陽の数字で、「九」はその極、
しかも二つも重なってめでたいことこの上なし、
なのです。

計算が間違っていなければ、きのうが旧暦でいう９月９日。
菊の花を飾ったり、菊の花びらを浮かべた盃を汲み交わして
邪気を払い長寿を願う日だったのですね。

他の節供(人日・1/7、上巳・3/3、端午・5/5、七夕・7/7)に
比べて忘れられがちな重陽。でもこれも合わせて五節供ですから。


茶道の練習にうかがうとお茶碗が菊の絵でした。(上の写真)
そして茶碗の箱に同封の紙には芭蕉の句が書かれてありました。


草の戸や日暮れてくれし菊の酒


この句にでてくる芭蕉に酒を届けてくれた人は、
門人・川井乙州(かわいおとくに)だそうです。