今日は旧暦の12月8日。南部辺境区ではムーチーの日に当たります。
ムーチーは鬼餅(ウニムーチー)とも言い、餅粉に砂糖と水を加えて作った生地を月桃の葉に包んで蒸し上げたお餅で、子どもの健康祈願や厄払いを願って食べられます。味も白餅だけのものから黒糖や紅芋、かぼちゃなどの粉を混ぜたものなど色々とあります。
お子さんが産まれたお宅は初ムーチーといって、家族総出で作ったムーチーを親戚やご近所に配る風習があり、今でもその伝統を守っている所もあります。また(めちゃくちゃ大変なので…ι)自宅では作らないにしても、お菓子屋さんに注文した大量のムーチーをやはり配って歩く、ということはされているようです。
↑は正に、その初ムーチーを頂いたもの(*^_^*)。
ムーチーには、その由来となった昔話があります。
昔々、首里金城に仲の良い兄と妹がいた。
だが妹の結婚を機に、兄は首里を離れ大里村の洞窟に居を構えた。
程なくして大里に家畜や人を襲う鬼が出るという噂が流れ、その噂は妹の耳にも届く。
しかも、その鬼は兄の住んでいる洞窟を出入りしているという話で、妹は噂を確かめようと大里の洞窟を訪ねるが、兄は留守。
洞窟の中には家畜の骨が山と積まれ、噂通り兄は鬼となったのだと悟った妹は、恐ろしくなって帰ろうとしたところに兄が帰ってきた。
その姿は、口は裂け牙がむき出し。目は爛々と輝き、赤黒い毛に覆われた鬼のものとなっていた。
あまりの恐ろしさに妹は反射的に逃げようとしたが、兄はその襟首を捕まえ、「ちょうど、鍋も出来上がったところだ。さあ一緒に肉でも食べよう」
と、妹を洞窟の奥へと引っ張っていった。
見ると、煮立った鍋の中には入れ墨をした人の手が入っている。
妹は用を足すふりをして、その日は何とか逃げのびた。
腹を立てた鬼の兄は数日後、仕返しにと首里金城の妹の家を訪ねると、妹が兄の好きな餅をたくさん作って待っていた。妹はこの間の非礼を詫び、景色の良い所で一緒に餅を食べましょうと、鬼を家の近くの崖まで誘い出した。
鬼の兄は大好物に大喜びし早速がっついたが、その餅には鉄の板が入っていて、いくら鬼でもとてもじゃないが、固くて歯が立たない。だが妹はというと、とても美味しそうにその餅を食べている。無論、妹は自分の食べる分は普通の餅を作ってあったのだが、それを知らない鬼は自分でも歯が立たない餅をパクパクと美味しそうに食べる妹の口のあまりの丈夫さに驚き、何度も何度も見返した。
そこで妹の裾のはだけた着物から覗くホー(陰部)を見つけた鬼はいぶかって、
「お前の下の口は一体何だ?」と訊ねた。
すると妹は、
「上の口は餅を食べる口、下の口は鬼をかみ殺す口です!」
と言って、着物をまくり上げ肢体をあからさまにし鬼に迫った。
ビックリした鬼は不意をつかれ飛び上がるや、足を滑らして崖下に落ちて死んでしまいましたとさ。おしまい。。。
首里金城町に死んだ鬼の角を葬った御嶽(ウタキ<拝所>)があり、ホーハイウタキと呼ばれて鬼餅伝説の拝所と知られているそう(←これは、私も初耳)。
この鬼を退治したのが旧暦の12月8日なので、南部辺境区ではその日を厄払いの日として鬼餅(ウニムーチー)を作って食べるようになった、ということです。
また、この時期は1年の中で最も寒さが厳しいといわれる時期で、この頃の寒さのことを「ムーチービーサ」とも言います。
ですが、今年はあまり寒くないですわ~…。
こんな所で温暖化を実感したくないって…(-_-#)。
昔の話って、何とも大らかだなぁ~と思います。
まぁ、過激と言うか~、大らかと言うか…(苦笑)。
そういう意味では、『古事記』のイザナギ・イザナミの神産みもねぇ…(^^ゞ。
ムーチーは鬼餅(ウニムーチー)とも言い、餅粉に砂糖と水を加えて作った生地を月桃の葉に包んで蒸し上げたお餅で、子どもの健康祈願や厄払いを願って食べられます。味も白餅だけのものから黒糖や紅芋、かぼちゃなどの粉を混ぜたものなど色々とあります。
お子さんが産まれたお宅は初ムーチーといって、家族総出で作ったムーチーを親戚やご近所に配る風習があり、今でもその伝統を守っている所もあります。また(めちゃくちゃ大変なので…ι)自宅では作らないにしても、お菓子屋さんに注文した大量のムーチーをやはり配って歩く、ということはされているようです。
↑は正に、その初ムーチーを頂いたもの(*^_^*)。
ムーチーには、その由来となった昔話があります。
昔々、首里金城に仲の良い兄と妹がいた。
だが妹の結婚を機に、兄は首里を離れ大里村の洞窟に居を構えた。
程なくして大里に家畜や人を襲う鬼が出るという噂が流れ、その噂は妹の耳にも届く。
しかも、その鬼は兄の住んでいる洞窟を出入りしているという話で、妹は噂を確かめようと大里の洞窟を訪ねるが、兄は留守。
洞窟の中には家畜の骨が山と積まれ、噂通り兄は鬼となったのだと悟った妹は、恐ろしくなって帰ろうとしたところに兄が帰ってきた。
その姿は、口は裂け牙がむき出し。目は爛々と輝き、赤黒い毛に覆われた鬼のものとなっていた。
あまりの恐ろしさに妹は反射的に逃げようとしたが、兄はその襟首を捕まえ、「ちょうど、鍋も出来上がったところだ。さあ一緒に肉でも食べよう」
と、妹を洞窟の奥へと引っ張っていった。
見ると、煮立った鍋の中には入れ墨をした人の手が入っている。
妹は用を足すふりをして、その日は何とか逃げのびた。
腹を立てた鬼の兄は数日後、仕返しにと首里金城の妹の家を訪ねると、妹が兄の好きな餅をたくさん作って待っていた。妹はこの間の非礼を詫び、景色の良い所で一緒に餅を食べましょうと、鬼を家の近くの崖まで誘い出した。
鬼の兄は大好物に大喜びし早速がっついたが、その餅には鉄の板が入っていて、いくら鬼でもとてもじゃないが、固くて歯が立たない。だが妹はというと、とても美味しそうにその餅を食べている。無論、妹は自分の食べる分は普通の餅を作ってあったのだが、それを知らない鬼は自分でも歯が立たない餅をパクパクと美味しそうに食べる妹の口のあまりの丈夫さに驚き、何度も何度も見返した。
そこで妹の裾のはだけた着物から覗くホー(陰部)を見つけた鬼はいぶかって、
「お前の下の口は一体何だ?」と訊ねた。
すると妹は、
「上の口は餅を食べる口、下の口は鬼をかみ殺す口です!」
と言って、着物をまくり上げ肢体をあからさまにし鬼に迫った。
ビックリした鬼は不意をつかれ飛び上がるや、足を滑らして崖下に落ちて死んでしまいましたとさ。おしまい。。。
首里金城町に死んだ鬼の角を葬った御嶽(ウタキ<拝所>)があり、ホーハイウタキと呼ばれて鬼餅伝説の拝所と知られているそう(←これは、私も初耳)。
この鬼を退治したのが旧暦の12月8日なので、南部辺境区ではその日を厄払いの日として鬼餅(ウニムーチー)を作って食べるようになった、ということです。
また、この時期は1年の中で最も寒さが厳しいといわれる時期で、この頃の寒さのことを「ムーチービーサ」とも言います。
ですが、今年はあまり寒くないですわ~…。
こんな所で温暖化を実感したくないって…(-_-#)。
昔の話って、何とも大らかだなぁ~と思います。
まぁ、過激と言うか~、大らかと言うか…(苦笑)。
そういう意味では、『古事記』のイザナギ・イザナミの神産みもねぇ…(^^ゞ。