廊下のむし探検 第52弾
ネタを探しに、昨日、マンションの廊下をちょっと歩き、その後公園にも行ってみました。今頃はあまり虫は多くないのですが、それでもそこそこ見ることができました。まずはマンションの廊下から。でも、名前調べが難しいものばかりでした。
最初はハナノミです。頭の先端から尻尾の先まで3.8mm。かなり小さなハナノミです。「原色日本甲虫図鑑III」の図版を見ていくと、何となくフタモンヒメハナノミ Falsomordellistena altestrigataに似ている感じです。フタモンヒメハナノミはヒメハナノミ族に属していて、体長は2.2-3.5mm、本州、四国、九州に生息しています。ただ、「日本列島の甲虫全種目録 (2019年)」によると、この属には29種。まだまだ分かりません。ただ、「原色日本甲虫図鑑III」には属の検索表が載っているので、採集すれば属までは調べられるかもしれません。いずれにしても次回ですね。
このカメムシもなかなか難解でした。体長は2.6mm。これもかなり小さな虫です。過去に撮った写真と比べてみると、ツヤナガカメムシ属 Lamproplaxなんかと似ている感じです。つまり、ヒョウタンナガカメムシ科かもしれません。それで、「日本原色カメムシ図鑑第3巻」の図版を見て、この科の中で似た種を探してみました。その結果、Plinthisus, Botocudo, Iodinus, Drymus, Lamproplax, Tomocorisの各属に似た種がいることが分かりました。このうち、Plinthisusはケブカクロナガカメムシ亜科、その他はヒョウタンナガカメムシ亜科です。Plinthisusは形状が長細いので、たぶん、違うのではと思いました。その他の属で本州に分布し、体長が2-3mmのものを選んでみました。そうすると、Botocudoのヨツボシ、Iodinusのヒナ、Drymusのヒメクロの3種に絞られました。前二者はヒナナガカメムシ族に含まれ、最後のはクロナガカメムシ族に含まれています。族の検索表を見ると、この2族は革質部先端縁が内方に強く湾曲するかどうかで見わけられます。これがよく分かりません。上の写真を見ると、革質部の先端は丸く、そのせいか内方に湾曲しているようにも見えます。たぶん、そうかなと思って先に進むことにしました。ここから先は種の検索表もあるのですが、写真が不鮮明でよく分かりません。何となくヒナナガカメムシかなと思っているのですが、今のところまだよく分かりません。
これはアカマダラカゲロウ♂。
それから、シノノメトンビグモ。
オオハリアリ♂有翅アリ。
最後はデガシラバエ科のハチモドキバエ Eupyrgotaの仲間です。「日本昆虫目録第8巻」によると、日本産のEupyrgota属は3種。このうち、フト fuscaとオオ luteolaの2種については次の論文に翅の絵が載っていました。この写真のように、翅端側だけが暗色になるのはオオハチモドキバエに似ています。
Korneyev V. A. and Narchuk E. P., "80. Fam. Pyrgotidae". In: Leley A. S., ed. "Keys to Insects of Far East Russia". Vol. VI. Diptera and Fleas. Part 3. Vladivostok: Dal'nauka: 456–564 (2004). (in Russian).(ここからダウンロードできます)
もう一種のウスイロ flavopilosaもこの論文の検索表に載っているのですが、ロシア語なのでまだ分かりません。たぶん、オオハチモドキバエで間違いないのではと思っていますが・・・。