廊下のむし探検 第57弾
廊下を歩いているとき、ふと見つけた虫たちです。写真が溜まってきたので、まとめて出しておきます。

最初は7月24日に撮った写真で、苦手なヒメシャクです。外横線がはっきりしないのですが、外縁に点列があり、前翅前縁と後縁に黒い点があるので、たぶん、オイワケヒメシャクではないかと思います。

これはモンクロシャチホコ。

そして、ミヤマカミキリ。

これは「原色日本甲虫図鑑IV」の図版を見て、マツオオキクイゾウムシ Macrorhyncolus crassiusculusかなと思いました。図版ではワシバナヒメキクイゾウムシ Phloeophagosoma curvirostreにも似ている感じです。「日本列島の甲虫全種目録 (2019年)」を見ると、この両者は族レベルで違います。前者はRhyncolini、後者はCrossoniniになっています。それで、少し文献を探してみました。
森本桂、「キクイゾウムシ類概説 III. キクイゾウムシ亜科(2)」、家屋害虫 (23,24), 19 (1985).(ここからダウンロードできます)
この論文はCrossonini族について書かれているのですが、実はこの中にMacrorhyncolus属も含まれていました。それで、属の検索表を見ると、
①a 吻は細長く、頭部よりはるかに長い;触角は吻の側面中央かやや腹側につき、触角溝は上から見えない;眼の間隔は吻基部よりやや狭い;後肢第3跗節は第2跗節より幅広く先端は単純か浅く切れ込む Phloeophagosoma
①b 触角は吻側面の中央よりやや上につき、触角溝先端で広くなることがあり、また、頭部より短いかわずかに長いこともある →→Macrorhyncolus
ということなので、触角の付き方を見ると見わけがつきそうです。写真がこれ一枚しかないので、何とも言えないのですが、側面かやや上側についているような感じがします。それで、やはりマツオオキクイゾウムシでよいのかなと思ったのですが、いずれにしても採集しないと無理ですね。


最後は7月25日に見つけたシロスジカミキリでした。