新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

廊下のむし探検 アリグモ、クサカゲロウほか

2019-08-24 21:03:40 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第72弾


昨日、マンションの廊下で見つけた虫の続きです。





廊下の手すりで活発に動くアリ、と思ってよく見たらアリグモでした。



次はクサカゲロウです。顔に斑紋が少ない割に、口肢の背面に斑紋があるので一瞬ヤマトクサカゲロウかなっと思ったのですが、ちょっと見ただけではよく分かりません。それで、検索をしてみました。検索表には次の本のものを用いました。

S. Tsukaguchi, "Chrysopidae of Japan (Insecta, Neuroptera)", privately published (1995).





これは頭部と翅脈の写真です。これを見ながら、検索表を追いかけていくと次のようになりました。

①第2腹節の腹板側方にヤスリ状構造はない
②頭部に斑紋がある
③額には黒褐色の斑紋はないか、もしある場合には、触角直下の縫合線とは離れる
④翅脈は黄緑色と茶色ないし黒色の二色性
⑤翅室imの先端はRs-M横脈を超える      ニセコガタクサカゲロウ属 Pseudomallada

⑥前胸背板には3対の黒褐色の斑紋はない;腹部第2腹板にはヤスリ状構造はない
⑦前額には斑紋はない;頭盾には通常斑紋はないが、稀にはある
⑧触角柄節に斑紋はない
 ⑨a 口肢に斑紋はない;腹部背面中央の縦じまは明瞭で、黄色 フタモンクサカゲロウ formosanus
 ⑨b 口肢には黒褐色の斑紋;腹部背面中央の黄色の縦じまはないか、不明瞭 ヒメニセコガタクサカゲロウ alcestes

①はよく分かりませんが、他はほとんどこの写真で確かめることができます。ヤマトクサカゲロウとは⑤で区別されます。翅室imの先端がRs-M脈を越えていることは上の写真で確かめられます。それで、これはニセコガタクサカゲロウ属になります。種の検索では⑨でちょっと引っかかりました。写真ではヤマトクサカゲロウのように口肢の背面に斑紋があります。それで、⑨bを採用するのですが、腹部背面中央の縦じまはかなり明瞭です。そこがちょっと気になったのですが、たぶん、これはヒメニセコガタクサカゲロウではないかと思っています。



これはハネナガマキバサシガメ



小さい小さいトビケラです。名前は分かりません。



これはクチブトゾウムシの仲間です。模様から、クロホシクチブトゾウムシか、コクロホシクチブトゾウムシかというところです。これについては次の本に載っています。

K. Morimoto, H. Kojima, and S. Miyakawa, "The Insects of Japan", Vol. 3, 謳歌書房 (2006)。

それによると、前胸背板中央は全長にわたって細い黒条があればコクロホシ、中央条が先端で消失すればクロホシ。これは先端で消えているようなので、クロホシクチブトゾウムシではないかと思います。



そして、これはヒメホシカメムシ



それにネコハグモ



最後は天井に止まっていたチラカゲロウの亜成虫でした。