1992年に書かれた本のようなので、
後だしジャンケンになるのはわかっているけれど、
久しぶりに、しっくりこない本だった。
『歴史の終わり』(フランシス・フクヤマ著、三笠書房刊)
ソビエトが崩壊して「勝利宣言」したかった時期なのは、
なんとなくわかる。
93年に北京に留学していた頃も、アメリカ人留学生のノリは、
「みんなアメリカに憧れるからさ、真似されてまいっちゃうよ。
俺たちのノリが世界でナンバーワンじゃん」みたいな感じだったから。
ナチスによるホロコーストは、特異な例で検討にあたいしないのか。
まるで、アメリカは核兵器を使ったことがないかのような書きぶりだけど、
核は冷戦時代の抑止力になる前に、
広島と長崎で実際にアメリカによって、無差別殺人兵器として使われたことがあるんだけど。
そして20年後のいま。
本の中で語られているような日本の経済力は、もう過去のもので、
中国は天安門事件のあとも、やっぱり共産党による一党独裁が続いていて、
「革命」で多くの少数民族が殺されており・・・、
911のあとのアメリカは、すっかり自信をなくしていたりするわけだし、
EUもかな~り、無理が出ているし。
ということで、哲学者による机上の空論は、かくももろい、と思わせられた。
それにしても、世界にとって、
日本の戦後の復興がどれだけ驚きに満ちたものだったのか、
再認識させられた。
日本が復興を遂げた時期、
その礎を築いた人たちは、戦前の教育を受けた私の祖父母の世代だった。
日本の明治維新後の国つくりは、戦争という道に進んだわけだけれど、
でもやはり、日本人の気質をよく考えた上での、
自分たちで作り上げたすごい教育システムだったのだろうと思う。
日本に帰ると、道ゆく人の顔が暗くて、「あれれ?」と思うこともあるのだけれど、
海外にいるとやはり、日本は黄金の国ジパングに見えるのだ。
それはやはり、第一に自然が美しいこと。
そして第二に、人が礼儀正しいこと。
自然に対する敬意と、家庭の躾は、
どんな歴史の流れにあっても、忘れちゃいけない日本の宝だと思う。
後だしジャンケンになるのはわかっているけれど、
久しぶりに、しっくりこない本だった。
『歴史の終わり』(フランシス・フクヤマ著、三笠書房刊)
ソビエトが崩壊して「勝利宣言」したかった時期なのは、
なんとなくわかる。
93年に北京に留学していた頃も、アメリカ人留学生のノリは、
「みんなアメリカに憧れるからさ、真似されてまいっちゃうよ。
俺たちのノリが世界でナンバーワンじゃん」みたいな感じだったから。
ナチスによるホロコーストは、特異な例で検討にあたいしないのか。
まるで、アメリカは核兵器を使ったことがないかのような書きぶりだけど、
核は冷戦時代の抑止力になる前に、
広島と長崎で実際にアメリカによって、無差別殺人兵器として使われたことがあるんだけど。
そして20年後のいま。
本の中で語られているような日本の経済力は、もう過去のもので、
中国は天安門事件のあとも、やっぱり共産党による一党独裁が続いていて、
「革命」で多くの少数民族が殺されており・・・、
911のあとのアメリカは、すっかり自信をなくしていたりするわけだし、
EUもかな~り、無理が出ているし。
ということで、哲学者による机上の空論は、かくももろい、と思わせられた。
それにしても、世界にとって、
日本の戦後の復興がどれだけ驚きに満ちたものだったのか、
再認識させられた。
日本が復興を遂げた時期、
その礎を築いた人たちは、戦前の教育を受けた私の祖父母の世代だった。
日本の明治維新後の国つくりは、戦争という道に進んだわけだけれど、
でもやはり、日本人の気質をよく考えた上での、
自分たちで作り上げたすごい教育システムだったのだろうと思う。
日本に帰ると、道ゆく人の顔が暗くて、「あれれ?」と思うこともあるのだけれど、
海外にいるとやはり、日本は黄金の国ジパングに見えるのだ。
それはやはり、第一に自然が美しいこと。
そして第二に、人が礼儀正しいこと。
自然に対する敬意と、家庭の躾は、
どんな歴史の流れにあっても、忘れちゃいけない日本の宝だと思う。