ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

取り戻す試み

2014-02-04 23:28:35 | Weblog
21時に始まる全国ネットのニュースでは、
トップの10分間が都心部でも雪が降ったというネタ。

平和だなあ。

プロパガンダの目的だけで、
日本の揚げ足をとっている中国のニュースに比べると、
大人と言うか、内向きと言うか、まあ、日本らしいなあ、と思う。

こんなに内向きな内容ばかりならば、
もっと日本の文化を大切にすればいいと思うが、
どうも自信がなくて、他人のことをコソコソとチラ見している感じなのが、
日本の現状なのだなあ、と思う。

日本には、本当に素晴らしくて、他国に誇れることがいくつもあるのに、
日本人がまったくそれに気づかず、時にはそれを悪いものと思い込んでいるのが、
なんともまあ、もったいない。
日本の良さや、世界に誇れるところは、
日系の自動車メーカーが世界トップだとか、そういうことじゃないんだけど。

今日は、映画「永遠の0」を観に行った。
映画には賛否両論がつきもの。
それよりも、見終わってから、どんな感想を親しい人と話すかや、
自分なりに反復して感じたり考えたりするほうが大切だと思う。

初日の感想としては、これは「名を取り戻すための試み」というもの。
私たちのように、戦争が遠くなってから産まれた世代にとって、
太平洋戦争は、個人の名前の見えない、愚かな日本の戦争だった。
アメリカや中国・韓国から、映画や報道や教科書を通してすり込まれた
日本の戦争の物語だった。

大本営も山本五十六も出て来なくて、単なる1パイロットにフォーカスする映画なんて、
数年前には考えられなかったと思う。
集団死のなかから、特別な死を取り戻す試みは、あっても当然と思うので、
それでいいと思う。

惜しまれるのは、この映画について、祖父母の代の人と語る機会がないこと。
あの世代には、どのように見えるのだろうか。

そのほか、感慨深かったこと。
映画の前に流れる予告で、「Godzilla(ゴジラ)」が流れた。
いよいよ、南の消耗戦で死んだ旧日本軍の怨霊が、
アメリカが行った核実験によって突然変異したゴジラとともに、アメリカ本土を襲うわけだ。

別に日本が右傾化しているわけではなくて、なんとなく世界的に、
失われた過去を求めるような、そんな流れなのかな、という気がする。

戦争によって失われた日本のよき伝統というか生活の知恵も、
復活の流れになるといいなあ。
私が知りたい。