ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

日本評

2014-02-13 21:20:27 | Weblog
私はバブル組男子には冷たいが、若い人には意外にも親切だ。

相手が日本人の場合は、年齢を見たうえでの対応がハッキリしているのだけど、
中国人の場合は、バブルとして世代を一括りにできないので、難しい。

中国のように、国内に南北問題があり、上海人と外省人の差が歴然としていて、
都市戸籍と農村戸籍、親が共産党員になるような知識層かそうじゃないかで、
まったく育った環境が違うような人たちは、
1人ひとりの考え方や性格をよく見て、見極めて、
こちらも腹を割って話さないことには、何も見えて来ない。

あいつは、だいたいこんなことを考えて、こんな行動をするだろうという予測が、
まったく成り立たないからだ。

日本人はよく、中国人は信用できない、と言う。
確かに日本の尺度だと、中国人ほど信用できない人たちはいない。
あつかましいし、本心を話さないし、腹の中で舌を出しながら平気でにこにこと嘘をつく。

でも、そうでありながら、こちらが思うほど計算が緻密ではないので、
追いつめれば、ちゃんとボロを出す。
ボロを出さないような本当に賢い人は、きっと北京の中枢にいるので、
私なんかが会うことはない。

だから、私はやっぱり、中国人でも若い人が好きだ。
虚勢を張っていても、ちゃんと会話の内容を詰めて行けば、たいていの場合は話が通じる。
ただし、たまに、本当に話が通じない変な人はいる。これは万国共通だ。

そして、小さい頃に文革を経験したような50代以上の人は、
思いもよらないような保身術で世を渡って行く。
良心的な本当の知識人はすべて殺されてしまった時代で、
そんななか、上海なんかで生き残った人たちは、生命力があって当然だろう。

ただ、それでも救われるのは、
彼らの子どもたちが、いわゆる80后、90后で、
中国ではいろいろと問題視されている「新人類」だけど、
彼らの親世代ほどには、したたかな生命力を持ち合わせていないところだ。

彼らは虚勢を張る。小皇帝ばかりだ。
でも、その虚を彼らは心のどこかで知っている。

最近、アパートの隣室に引っ越してきた90后のカップルは、
出前を頼んでは、食べ散らかした後を、そのままトレーごと廊下に置く。
もちろん食器は洗わず、食べ残しはお皿に乗ったままで、
関係ないゴミもトレーに乗せて、ポンと外に置いている。
酔っぱらってそんなのを見たときには、彼らの扉に向けて蹴り飛ばしてやろうかと思うが、
掃除をするのは大家さんなのでかわいそうだからと思いとどまる。

たぶん田舎出身なんだろう。
田舎の人は、ゴミ箱を自室の外に置く。
つまり、公共の場は、みんなのゴミ箱だと思っている人たちだ。

こういう人たちは、反日だけど、一度日本に行ったら、日本大好き!
日本ってきれいだし、ゴミないし!などと言い始める層だ。

今日、中国人の部下たちが、
「日本人は場の空気を重んじる。周囲に譲る。でも中国人は独立してる」と言ったので、
「じゃあ、どっちのほうが生きやすいと思う?」と聞いたら、全員が黙った。

上海人は、いまは特権があるから、このままの中国がいいじゃん、と思った。
外省人で親が病気の部下は、日本は、きっと、だから病院も親切なはず、と思った。
彼氏が日本人の部下は、自己主張しなくても察してくれるって楽、と思った。
私しか日本人と接したことがない部下は、私と報道で見聞きする日本人は違う、と思った。
そして中国人は、これらを総括して、日本は中国よりも社会が成熟している国だ、と言った。
別に私に対して、おべっかを使っているわけではない。

そして、上海人の部下が言った。
もし日本人が、社会の重圧で必要以上に黙ったりせず、
もう少し自由に意見を言うようになったら、
本当に素晴らしい国になるんだと思う、と。

これを、日本人としてどう受けとめるか、だ。