ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

計画

2014-02-12 23:55:51 | Weblog
最近、上海は寒い。朝は雪が降っていた。

チベットまで行くのなら、やっぱり帰りに四川省でぶらぶらし、
ついでに九寨溝も行こうかなあ、などと、欲が出てくる。

先日、換金レートがよかったので、人民元をかなり日本円に変えてしまったので、
はりきって旅行するなら、少し倹約しなければならない。
腰も悪いし、粗食になるのはよいことだろう。ダイエットになりそうだ。

旅行の計画というのは、人をワクワクさせる。
これは日常の境界を飛び越える楽しみだ。

チベットは通行証が必要なので、旅行会社に手配を頼まなければならない。
そうすると、至れり尽くせりのパッケージツアーブランを出してきてくれて、
ありがたいけれど、過剰だなあと思う。
これも非日常だけど、こういう飛び越え方はいらないんだ。

本当は、雲南省のほうも行きたいけれど。
ああ、そうだった。シーサンバンナに行きたいと思ってたんだ。
日本に帰国するとき、荷物はすべて送って、
カシュガルから中央アジアに抜けるコース、またはタイに抜けるコースに行ってみたいが、
治安も悪そうだなあ。

カシュガルは、ウイグルの独立運動。タイ方面は、麻薬と人身販売ルートだ。
タイとの国境辺りにある中国の村では、幼児売春のほか、屋台で赤子を売っているらしい。
買った人は、食用・養子・奴隷にするという話だ。

食用か養子で、天と地との差がありそうだけど、
いっそのこと食べられちゃったほうが、その後の人生を考えると幸せなのかもしれない、と、
本気で思える辺りが、中国のこわさだ。
ちなみに、欧米人も買いにきているらしい。

知らなうちに、足を踏み入れてしまったりしないようにしよう。

準備

2014-02-12 01:38:45 | Weblog
春にチベットへ行こうと思い、いま見積をとっている。
前回行ったのは、約15年前。旅費が半端じゃないくらいに値上がりしている。
おそらく5倍近く。
この物価上昇率たるや、おそろしい。

今日、中国人の同僚と一緒に食事に行き、
「外国人はチベットに入るのに、通行証が必要なんだよ。
 それがないと、飛行機のチケットも、鉄道のチケットも買えないんだ」と言ったら、
ある人が、「え~、そうなの~。なんで~」と。
違う中国人が、「ほら、いろいろと政治的に微妙だから、外国人を警戒してるんだよ」と言うので、
私が「チベットに入れてもいい無害な外国人かどうかを、共産党が確認してるんだ」と言ったら、
その場にいた中国人が口をそろえて、「じゃあ、あなた、入れないじゃない」と。
どうやら私は「思想方面特有問題」というジャンルに入っているらしい。

ありがとうございます。
私のことを理解してくれて。

もうここ2日ほど仕事が手につかず、仕事中もチベットの情報ばかりを調べている。
今日は建国記念の日で、日本は休日だから、特にそれを理由にしていた。
サボる口実にしたら、天照大神あたりに怒られそうだけど。

中国人の部下が、「なんで日本は休日なんですか?」と言うので、
「けんこくきねんのひ、だよ」と言ったら、「それはなんですか?」というので、
「むか~しむかしに神武天皇が即位して、日本という国が始まった日。
 今年は多分、皇紀2700年弱くらい」と言ったら、
「なんですか、それ」と言うので、
「日本の公人がこれを公の場で言うと、中国共産党と韓国に右翼だけしからんと言われるやつだよ。
 まあ、日本の国慶節のようなもん」と言ったら、「上の空でなるほど~」との返事。

日本語科卒業であっても、そういうことは習わなかったらしい。
ついでに、そういう日本の歴史や文化にも、まったく興味がない様子。

彼女たちにとっては、日本はアニメの国だから、まあ、そんなもんだろう。
ワンピースのキャラクターについては、非常に詳しい。

さて、明日もチベットの準備をしなくては。
無事に通行証が出るといいなあ。

投票

2014-02-09 15:20:28 | Weblog
東京都民よ、ちゃんと選挙に行け。

GDPで日本を抜いて世界第二位になろうが、
中国では、いまだに選挙が行われたことがない。
最近の中国の若者は、これを自虐ネタとして使う。

さて、日本のパスポートを持っているような中国人に選挙権があるとして、
彼らが投票用紙を受け取ったときに、どうするかをシミュレーションしてみる。

まず家族に聞く「誰に投票する?」
そして次に「なんで? どんなところがいいと思うの?」
友人や会社の同僚に聞く「あなたは誰に投票するの?」
次に「共産党があの人には好意的だから、あの人に入れることにする」
最後に「あの人に投票すると、現金や商品券が届くらしいよ」
そして、投票所を出た後に、隣にいる人に聞く「誰に入れた?」

幼い頃から、学校で学級委員や班長を投票で選ぶ等、
日本は、基本的人権に伴う権利と義務を、肌で教わってきている。
でも、中国人には、まったくその経験がない。

だから、上のような会話が大声で交わされることになる。
中国語だから日本人には聞き取れないというだけであって、
彼らがやることは、そういうことだ。

だから、華人が立候補するようなことになったら、たいへん危ないと思う。
中国人は、選挙をやるだけのトレーニングをつんでないから、
経済力だけで国籍をあげてはいけない。

そして、もしいまの中国で選挙を始めたら、
教育がないなかで始めるわけだから、とたんに金のばらまきで票集めが始まる。
「買一送一」の感覚が選挙に持ち込まれ、買収どころの騒ぎではない、
露骨な汚職と贔屓が始まるだろう。

中共としては、同じように金をまいて、権力基盤を整えるという公式が変わらないのだから、
わざわざ選挙なんて面倒なことはしない。
結果が同じなのに、なんで選挙なんてやらなきゃならないんだ、というところだろう。

だから、大陸の中国人に国籍を渡すというのは、危ないことなんだ。
これは日本だけの話ではなくて、選挙制度をもつ全ての国に向けて言いたい警鐘。

ということで、中国を少しでもライバルとして意識するのなら、
日本人はみな選挙を経験し、これを権利として自覚すべきだと思う。

それに、投票所は、地区の避難場所になっていることも多い。
災害時に、電話も電気も、ガスや水道もなくなったとき、
どこに行けばいいのかを知っているのは、非常な安心材料だ。
そういう予行演習も兼ねて、行くだけ行くのは、無駄ではあるまい。

上海に住んでいる外省の人たちは、そんな安心感をもったことなんかない。
これだけでも、日本が素晴らしい国だと、胸をはって言えるじゃないか。

今日、腰を休ませる為に、横になりながら読んだ本。
『嘘だらけの日中近現代史』(倉山満著、扶桑社、Kindle版)

ブルーライトカットのメガネをかけ、iPhoneで読んだ。
本に比べて、片手で操作できるから楽だということに気がついた。

自虐史観を抜け出したとしても、反米・反中にはならず、
あるべき距離感をもとうと努力するという意味で、
こういう本は価値があると思うが、
そろそろ違うテーマの本も読んでみようかと思う今日この頃。続きすぎた。

華陀

2014-02-08 18:00:26 | Weblog
身体の右側に、にぶーい痛みがあり、
特に右のすねに、お湯をかけたような熱さが広がる。
この熱の伝わり方は、神経だ。
前に帯状疱疹をやったときと、同じように流れて行く。

暮れに同じような症状があり、一度なくなったのに、また数日前からぶり返した。
今回は,右肩もすごく痛い。

ということで、ヤバいと思い病院に行った。
上海の日本人向けクリニック。徒歩30分。痛くても、歩くのには支障がない。

日本人向けということで、日本人ばかりかと思ったら、
富裕層と言われる中国人があふれていた。
お医者さんは、全員日本の医大を出た中国人。
すごく流暢な日本語を話す。
こりゃー、中国人に人気が出るわけだ。

看護婦さんも全員中国人で、数人が日本語を話した。
ただし、看護婦さんの態度は中国人そのもの。
病院とは思えない大声で話し、乱暴に患者をさばく。
いたわりよりも、目の前にある自分の仕事を片付けることのほうが優先。
でもまあ、中国の普通の病院に比べたら、態度が100倍くらい、いい。
ただ、日本とは比べられない。

で、予約して行ったのに、待つこと30分。
なんだかなあ、と思いながら診察室に入り、
「すねのあたりにお湯をかけたような」と症状を言ったとたん
お医者さんがにっこりと笑って言った。
「それは腰ですね。腰、痛いでしょう」と。しかも、すごく流暢な日本語だ。

そういえば、前の土日は腰が猛烈に痛かった。腰を伸ばせないくらいに。
でも、すでに腰の痛みは引き、因果関係があるなんて思ってもみなかった。

マッサージ用のような形のベットにうつぶせで横たわり、
腰を出したら、お医者さんがかるーく触って、ポンポンっと鍼をうった。
このへんの事前説明がないあたり、中国仕様~と思っていたら、
先日痛かった箇所に、的確に鍼がうたれていく。

むげっ。もしかして名医かも。
お医者さんに「足を上げてみて。痛みは軽くなった?」と言われ、
足を上げると、確かに足が軽くなっている。指先まで、すごくさわやかな感じだ。

「さすが中国ですね~。すごい。痛かったところ、ピンポイントで楽になってます」と言ったら、
「こんなの、なんてことないことだよ。人体って面白いでしょう」と。
そして、もし痛みがとれない場合は、ちゃんとMRI検査しましょう、と。おそらくヘルニアだ。

それにしても、飲み薬も何も処方されず、鍼とバンテリンだけで大幅に楽になるとは、
華陀に出会っちゃったのかもしれない。

ついでに、会社が加入している保険のおかげで、無料だった。
そして、その後、いつもにも増してトイレが近い。
いやはや奥が深い。

飛行機で読んだ本

2014-02-07 20:33:19 | Weblog
ほとんど東京の実家にいなかったからなんだけど、
今回の日本滞在は、本当に短かったなあ。

羽田から上海虹橋に向かう飛行機の中で読んだ本。
『中国を拒否できない日本』(関岡英之著、ちくま新書)

2011年の震災前に出版された本なので、情報は少し古いけれど、
中国ってこんな国、という「見方」の部分は、非常に共感できた。
もちろん本の中には書かれていないけれど、
知り合ったある人が、東日本大震災はアメリカの地震攻撃だと言っていたのにも、
何だか納得できてしまうような内容だった。

日本の原子力の位置づけは、
世界におけるエネルギーのバランスの中で見る。
金融にしても、中国とアメリカの関係から見る。
そして、中国が国境を接するすべての国と起こしている紛争は、
日本がなぜ戦前に、満洲に活路を見出さなければならなかったのか、という点と、
欧米による経済封鎖と大東亜共栄圏の視点があって、初めて明確になる。

今日も羽田空港にたくさんいた。
日本のパスポートを持っているけど、まるっきり中国人という人たちが。
簡単に日本の国籍をあげて、本当にこれでいいのか、といつも思う。
まあ、マナーが悪い正真正銘の日本人もたくさんいるけど。

映画「永遠の0」を観た感想として、今日少し思ったのは、
歴史について、過去から連なる現在について、「これでいいのか」という問いをもつのは、
日本人らしさだということ。

中国人の場合は、そんなことは思わない。
お金があれば今がよく、お金がなければ明日はお金をつかむように頑張る。
それがたとえ、他人をだますことであっても躊躇しない。
過去なんて考えない。
中国人にとっての歴史は、権力を握った後に、書き換えればすむものだから。

過去が正確に描かれているか、戦争の真実が描かれているか、
もし中国人なら、そんな価値観で映画を見ない。
いまの自分にとって利用価値があり、かっこよければ万事OKだ。

日本と中国、どちらがよくて、どちらが劣っているということではなく、
両国の価値観には、相容れないものがある、ということだ。

戦争の真実を知っている人たちが第一線から退き、
日本は、自虐史観で育った若者が働き盛りを迎え、
中国は、中共のプロパガンダによる歴史を信じて育った若者が社会人となってきている。
中国のいまの若者は、すでに天安門事件のころの大学生とも違う。

さて、明日から仕事なのだけど、仮病を使って明日は休みたい気持ちに、
負けそうだ。

取り戻す試み

2014-02-04 23:28:35 | Weblog
21時に始まる全国ネットのニュースでは、
トップの10分間が都心部でも雪が降ったというネタ。

平和だなあ。

プロパガンダの目的だけで、
日本の揚げ足をとっている中国のニュースに比べると、
大人と言うか、内向きと言うか、まあ、日本らしいなあ、と思う。

こんなに内向きな内容ばかりならば、
もっと日本の文化を大切にすればいいと思うが、
どうも自信がなくて、他人のことをコソコソとチラ見している感じなのが、
日本の現状なのだなあ、と思う。

日本には、本当に素晴らしくて、他国に誇れることがいくつもあるのに、
日本人がまったくそれに気づかず、時にはそれを悪いものと思い込んでいるのが、
なんともまあ、もったいない。
日本の良さや、世界に誇れるところは、
日系の自動車メーカーが世界トップだとか、そういうことじゃないんだけど。

今日は、映画「永遠の0」を観に行った。
映画には賛否両論がつきもの。
それよりも、見終わってから、どんな感想を親しい人と話すかや、
自分なりに反復して感じたり考えたりするほうが大切だと思う。

初日の感想としては、これは「名を取り戻すための試み」というもの。
私たちのように、戦争が遠くなってから産まれた世代にとって、
太平洋戦争は、個人の名前の見えない、愚かな日本の戦争だった。
アメリカや中国・韓国から、映画や報道や教科書を通してすり込まれた
日本の戦争の物語だった。

大本営も山本五十六も出て来なくて、単なる1パイロットにフォーカスする映画なんて、
数年前には考えられなかったと思う。
集団死のなかから、特別な死を取り戻す試みは、あっても当然と思うので、
それでいいと思う。

惜しまれるのは、この映画について、祖父母の代の人と語る機会がないこと。
あの世代には、どのように見えるのだろうか。

そのほか、感慨深かったこと。
映画の前に流れる予告で、「Godzilla(ゴジラ)」が流れた。
いよいよ、南の消耗戦で死んだ旧日本軍の怨霊が、
アメリカが行った核実験によって突然変異したゴジラとともに、アメリカ本土を襲うわけだ。

別に日本が右傾化しているわけではなくて、なんとなく世界的に、
失われた過去を求めるような、そんな流れなのかな、という気がする。

戦争によって失われた日本のよき伝統というか生活の知恵も、
復活の流れになるといいなあ。
私が知りたい。