豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

智恵さんのコンサート

2008年04月04日 | Weblog
朝、玄関で見送ってくれた竜子が、さっきウエトアヤのコンサートに行くっていってたよねえ・・と怪訝な顔をしていた今夜のコンサート。当のご本人も、ウエトアヤと間違えられるのも無理はないけど・・と笑いを取っておられましたが、ジャズシンガーかつ大阪のおばちゃん、綾戸智恵さんのコンサートに行って参りました。10周年記念のツアーなのだそうです。

いやぁ・・・思いのほかといいますか、本当にとっても楽しかったです。
苦虫噛んでしぶ~くジャズを語る向きには、少々物足りないのかもしれません。でも、ジャズの香りに触れながら、楽しい時間を過ごすことで満足という初心者レベルならば、本当に良い時間が過ごせるお勧めのコンサートだと思います。
まず、選曲が高度過ぎない!アドリブが延々続くような凝った曲はありません。さらに一曲ずつがかなりコンパクトにまとめられていて飽きる閑がありません。しかも、それでいてバンドの構成メンバーがそれぞれ際立つように配された絶妙な曲。歌われるナンバーも、自らジャズシンガーと呼ばれるのが嬉しいとおっしゃる彼女ではありますが、かなりそのジャンルを広げた様々な曲でした。でも、やはり微妙に変化するメロディに乗せるには日本語は不向きなのでしょうね。わかり易くといっても日本語に訳したりはされません。ランドセルを下ろさずに聞き入ったというかつての日本の大ヒット曲。記録を塗り換えて驀進していたダイナミックなレコード大賞受賞曲も、英訳されて巧みなアレンジで素敵なジャズっぽい曲で披露されました。彼女いわく、「心で聴く」と良いのだとか。
綾戸さんによると、曲のほうが「うとて~!」と呼びかけてくるのだとか。で、彼女は「うとたろやないか!」とそれを受けて立たれるのだそうですね。
バナナボートをコミカルに歌われている時、そういえば息継ぎが聞こえてこないなあと、先日来気になっていることを思い出しました。平井堅さんのことがふっと頭をよぎった瞬間、彼女の口から出た言葉が、「平井堅」という言葉でした。
「うっそ~~~!!」。
替え歌の歌詞にして、「平井堅は、○○○」と歌われた後、(ああ、ネタバレごめんなさい!)「デ・イケメイケメイケメイケメイケメ~~~ン♪」と続けられたのです。ビックリしたなあ・・。

そして、後半に歌われた「 IT'S A WONDERFUL WORLD」。かつて、「熱い心」をこの曲をバックに表現しなさいという課題に悪戦苦闘したことがありました。それを綾戸さんは10年の間にこの曲が見せてくれる風景が変化してきたと紹介されました。ただメロディが綺麗だと歌っていたけれど、見えてくるものが違ってきたのだそうです。静かなメロディ。それに乗っているのは易しい言葉で書かれた世界です。でも、様々な事がめまぐるしく変化してきた状況の下では、この歌詞が書かれたとき以上のものを含んだ世界が表現されているのかもしれません。詞の世界を理解することに考えが及ばなかったかつての自分。でも彼女はこの歌を大事に暖めてこられたのでしょうね。違った世界を見せてくれたのは観客の皆さんのお陰だともおっしゃっていましたが・・。

スタンディングもない、手拍子もそんなに激しくないけれど、温かく笑いに溢れたステージでした。同じ時間を共有する嬉しさを前面に打ち出され歌う姿には元気付けられましたし、綾戸さんの人柄にも魅了された二時間でした。
ついでに、今日のアンコールの「愛の賛歌」。もちろんジャジーに披露されましたが・・。この曲は、最近とても気になる曲でありまして、これぞ極めつけの歌唱だ!と納得できるものに行き当たりたいと常々思っている歌でもあります。今までにも何人もの方の歌を聴いて来ました。だけど、この方が一番!といえるものにまだ出会えていません。凝り過ぎない素直な歌唱でありながら風格も備えた深い声で歌われる「愛の賛歌」。自分の好みに合うこの歌の歌い手を探してみたいと思っています。綾戸智恵さんの歌もとても素敵でした。彼女の個性がちゃんと出ているけれど、しつこくはなく味わい深かったです。この歌もコレクションにしたいと収められているCDを購入いたしました。彼女自らの熱心な販促活動に乗せられてしまったおばさんがここに一名!だって、普通なら販売されているコンサートのパンフレットが今回はもれなく無料で配布されたのです。お返しに何かしなくてはね!?

今日は、楽しい時間をありがとうございました。
残りのツアー、どうかお元気で、ご自身も楽しんで走り続けてください!