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読書感想文【扉は閉ざされたまま】

2006年01月06日 19時54分10秒 | 読書感想文
2006年度の「このミステリーがすごい!」で2位に選ばれた作品。ちなみに1位と3位は既読。

扉は閉ざされたまま

ストーリー:
大学時代の同期7人が、成城にある高級ペンションに集まって同窓会を行った。そのうちのひとり、伏見良輔は、同じく参加者のひとりである新見を宿泊室で殺し、密室を作り上げた。
いつまで経っても部屋から出てこない新見を、他の仲間たちは案ずるが、部屋の扉も窓ガラスも壊せない事情があるため、新見の様子を確認できない。そして自殺説まで飛び出した・・・ここまでは伏見の予定通り。しかし、参加者のひとり、碓氷優佳だけは不自然さを感じ、調査を進めていく。そして伏見と優佳の頭脳戦が繰り広げられ・・・。

感想:
犯人である伏見の一人称で語られるという、一風変わった謎解きミステリー。この小説の面白いところは、伏見が理論的に構築した密室に対し、探偵役の優佳がささいな矛盾やヒントから、次々と謎を解いていく、”理論遊び”みたいなところか。わりとご都合主義的な部分もあったりするし、それは普通わからないだろうと言いたくなる様な推理もあったりするが、基本的にはひたすら細かい伏線を解いていく過程が面白く、一気に読んでしまった。