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読書感想文【大奥 華の乱】

2006年01月07日 19時13分37秒 | 読書感想文
普段ドラマのノベライズ本は読まないのだが、テレビ放映を途中からしか見てなかったので、ついつい買ってしまった。

大奥華の乱

本の評価:
内容は徳川五代将軍綱吉と、大奥の女性たちの愛憎劇。史実とフィクションが交じり合った内容で(例えば主人公の安子は綱吉の子を生んだことになっている)、まぁ歴史小説としての価値はまったくないのだが。
というよりむしろドラマの内容をそのまま文章してみただけなのでドラマに興味がなければ読む必要もないし、文学性もない。
巻末に付録で人物事典や用語辞典が載っているので、それはよかった。多分二度と読まないかも。

物語の評価:
なんか酷評を書いてしまったが、ドラマ自体は相当面白かった。綱吉の側用人・柳沢吉保が、過去に綱吉に女をとられ(主君には逆らえないから)、その復讐のために綱吉を傀儡にしようという決心があったことや、大奥で正室の信子(ドラマでは藤原紀香)が勢力拡大のために京から側室を集めたりなど。あとキャラ的には右衛門佐(高岡早紀)が一番好き。女性でありながら天下を憂え、大奥から将軍を操って天下を正道に戻そうという志や、それに見合った頭脳を持っているところがとても魅力的。
また、中盤までは暗愚に描かれている綱吉が、実は柳沢の魂胆をすべて見抜いていたり、孤独な境涯の中で唯一安子を頼りにしていたりと、案外奥が深い。
そんなわけでドラマの面白さをそのまま味わいたいのであれば本書は文句なし。