今回からドラマのストーリー紹介を書きます。なお感想は色を変えて記載します。
各話の日本語タイトルはAmazon Primeで表示されているものをそのまま書いています。
<ネタバレあり>
第1話「実用最小限の製品」<原題:Minimum Viable Product>
世界的なIT企業フーリー社で働くリチャード・ヘンドリクスは、仕事の傍らインキュベーター(支援者)のアーリック・バックマンのシェアハウスで開発をしていました。彼が作ったサイト「パイド・パイパー」は世界中の音楽データベースにアクセスし、自分が作った音楽が著作権に抵触していないかを調べることができるというまぁまぁニッチなサイトです。しかしその評価は、アーリックから「クソだ」といわれ、フーリーのエンジニアからもバカにされ、売り込みにいったベンチャー・キャピタリストのピーター・グレゴリーからも相手にされません。しかし、実は彼のサイトに使われている圧縮技術は画期的なものでした。
リチャードの圧縮技術を知ったフーリーのCEOギャビン・ベルソンはリチャードに1000万ドルでこのアルゴリズムの所有・改変の権利を買い取ることを提案しますが、ピーターからも、彼の経営するVC(ベンチャー・キャピタル)であるラビーガ社から出資するという話を持ち掛けられます。
散々迷った末、リチャードはピーターから5%の権利と引き換えの20万ドルの出資を受け、アーリックの屋敷で彼と同じようにアプリの開発をしているギルフォイル、ディネシュ、ビッグヘッドを仲間に加えて起業することを決意します。
リチャードの作ったソースコードはGitHubにアップされているというセリフがでてきますが、GitHubとはオンラインのソースコード管理ツールです。
主な特徴は、ソースコードの世代管理、アップロードしたソースコードを他人に公開(無料版では必ず公開になる)し、他人のレビューを書き込んでもらえることができる、ローカル環境(自分のPC)内のリポジトリと同期をとることができる、といったところです。開発現場ではGitHubの元になっているGitが、チームのソース管理用ツールとして普通に使われています。
本来の用途とは違う方向でプロダクトが売れるというのはよくある話しで、ビジネスチャットツールのSlackも元はオンラインゲームのチャットツールでした。
第2話「資本政策」<原題:The Cap Table>
起業の打ち上げパーティーをやっている最中、ギャビン・ベルソンの部下であるジャレッド・ダンが自分を売り込みに来ますが、アーリックが追い払います。
ピーターに呼ばれたリチャードは、何も準備してこなかったことで彼の怒りを買い、48時間後に事業計画書を持ってくるよう命じられます。しかし経営はど素人のリチャードに荷が重く、ジャレッドをフーリーから引き抜くことにしました。
早速パイド・パイパーに誰を雇うかを決めるため、一人ずつ面接をするジャレッド。彼の能力は高いようで、ギルフォイルとディネシュは彼を認め、彼等もパイド・パイパーのメンバーに正式に決まりました。
しかし、ビッグヘッドは突出した能力がないため、パイド・パイパーからはずされることになります。傷心したビッグヘッドはアーリックの屋敷を飛び出しリチャードを心配させますが、ビッグヘッドが開発した乳首アラートが、立っている乳首を検出し、偶然彼の居場所を突き止めることができました。
現実を突きつけられたビッグヘッドはこの町を出ていく決意をしますが、ジャレッドを引き抜かれたギャビン・ベルソンは腹いせにビッグヘッドを年俸60万に昇給させたのでビッグヘッド自身にとって悪くない結果になりました。
その直後、フーリーではニュークリアスというプロジェクトが立ち上がり、そこでリチャードの圧縮アルゴリズムが解析されていることをビッグヘッドからの密告で知ります。
面接のシーンで、ギルフォイルは自身のセキュリティ管理能力の高さをアピールします。その中ででてくるDDoSとクロスサイトスクリプティングという攻撃方法は、サイバーセキュリティに携わる者としては初歩的というか必須な知識です。
DDoSとは簡単にいうと、サーバに大量の負荷をかけてサーバのリソースを食いつぶす攻撃です。過去にも有名企業が多数被害にあっていますが、仕組みがシンプルゆえに対策もシンプルです。
クロスサイトスクリプティングとは、偽のサイトに誘導し、そこで悪意のあるスクリプトをクライアント(ユーザのPC)へリターンさせた後、そのスクリプトをユーザのローカルPCに持たせておき、そのあと別のサイト(たとえばショッピングサイトなど)にアクセスした際に、そのスクリプトが悪さをしてユーザの情報を盗んだりする、というものです。そのため、サーバ側は、ユーザから送信された情報にスクリプトの使われる記号(<>など)があれば無効化したり置き換えたりする、といった対策をする必要があります。
ディネシュの面接シーンではJavaとScalaという言語がでてきます。
Javaは一時期よりは下火になったとはいえ、まだまだエンタープライズでは現役バリバリのオブジェクト指向言語です。ソースコードをコンパイルすると中間言語と呼ばれるファイルに変換され、その中間言語ファイルをJVMと呼ばれる仮想マシン上で実行します。このメリットは、JVMが各プラットフォーム用に用意されていることで、中間言語をどのプラットフォームでも実行できることです。ただメモリは非常に喰います。
ScalaはJavaよりさらにオブジェクトを便利に扱うことに特化した、JVM上で動作する言語です。
乳首アラートが動作しているシーンで、ソースコードも少しだけ開発ツールが画面に表示されていますが、拡張子が.hと.mなのでObjective-Cで間違いないでしょう。これはMacやiPhone上のアプリをつくる言語です。
各話の日本語タイトルはAmazon Primeで表示されているものをそのまま書いています。
<ネタバレあり>
第1話「実用最小限の製品」<原題:Minimum Viable Product>
世界的なIT企業フーリー社で働くリチャード・ヘンドリクスは、仕事の傍らインキュベーター(支援者)のアーリック・バックマンのシェアハウスで開発をしていました。彼が作ったサイト「パイド・パイパー」は世界中の音楽データベースにアクセスし、自分が作った音楽が著作権に抵触していないかを調べることができるというまぁまぁニッチなサイトです。しかしその評価は、アーリックから「クソだ」といわれ、フーリーのエンジニアからもバカにされ、売り込みにいったベンチャー・キャピタリストのピーター・グレゴリーからも相手にされません。しかし、実は彼のサイトに使われている圧縮技術は画期的なものでした。
リチャードの圧縮技術を知ったフーリーのCEOギャビン・ベルソンはリチャードに1000万ドルでこのアルゴリズムの所有・改変の権利を買い取ることを提案しますが、ピーターからも、彼の経営するVC(ベンチャー・キャピタル)であるラビーガ社から出資するという話を持ち掛けられます。
散々迷った末、リチャードはピーターから5%の権利と引き換えの20万ドルの出資を受け、アーリックの屋敷で彼と同じようにアプリの開発をしているギルフォイル、ディネシュ、ビッグヘッドを仲間に加えて起業することを決意します。
リチャードの作ったソースコードはGitHubにアップされているというセリフがでてきますが、GitHubとはオンラインのソースコード管理ツールです。
主な特徴は、ソースコードの世代管理、アップロードしたソースコードを他人に公開(無料版では必ず公開になる)し、他人のレビューを書き込んでもらえることができる、ローカル環境(自分のPC)内のリポジトリと同期をとることができる、といったところです。開発現場ではGitHubの元になっているGitが、チームのソース管理用ツールとして普通に使われています。
本来の用途とは違う方向でプロダクトが売れるというのはよくある話しで、ビジネスチャットツールのSlackも元はオンラインゲームのチャットツールでした。
第2話「資本政策」<原題:The Cap Table>
起業の打ち上げパーティーをやっている最中、ギャビン・ベルソンの部下であるジャレッド・ダンが自分を売り込みに来ますが、アーリックが追い払います。
ピーターに呼ばれたリチャードは、何も準備してこなかったことで彼の怒りを買い、48時間後に事業計画書を持ってくるよう命じられます。しかし経営はど素人のリチャードに荷が重く、ジャレッドをフーリーから引き抜くことにしました。
早速パイド・パイパーに誰を雇うかを決めるため、一人ずつ面接をするジャレッド。彼の能力は高いようで、ギルフォイルとディネシュは彼を認め、彼等もパイド・パイパーのメンバーに正式に決まりました。
しかし、ビッグヘッドは突出した能力がないため、パイド・パイパーからはずされることになります。傷心したビッグヘッドはアーリックの屋敷を飛び出しリチャードを心配させますが、ビッグヘッドが開発した乳首アラートが、立っている乳首を検出し、偶然彼の居場所を突き止めることができました。
現実を突きつけられたビッグヘッドはこの町を出ていく決意をしますが、ジャレッドを引き抜かれたギャビン・ベルソンは腹いせにビッグヘッドを年俸60万に昇給させたのでビッグヘッド自身にとって悪くない結果になりました。
その直後、フーリーではニュークリアスというプロジェクトが立ち上がり、そこでリチャードの圧縮アルゴリズムが解析されていることをビッグヘッドからの密告で知ります。
面接のシーンで、ギルフォイルは自身のセキュリティ管理能力の高さをアピールします。その中ででてくるDDoSとクロスサイトスクリプティングという攻撃方法は、サイバーセキュリティに携わる者としては初歩的というか必須な知識です。
DDoSとは簡単にいうと、サーバに大量の負荷をかけてサーバのリソースを食いつぶす攻撃です。過去にも有名企業が多数被害にあっていますが、仕組みがシンプルゆえに対策もシンプルです。
クロスサイトスクリプティングとは、偽のサイトに誘導し、そこで悪意のあるスクリプトをクライアント(ユーザのPC)へリターンさせた後、そのスクリプトをユーザのローカルPCに持たせておき、そのあと別のサイト(たとえばショッピングサイトなど)にアクセスした際に、そのスクリプトが悪さをしてユーザの情報を盗んだりする、というものです。そのため、サーバ側は、ユーザから送信された情報にスクリプトの使われる記号(<>など)があれば無効化したり置き換えたりする、といった対策をする必要があります。
ディネシュの面接シーンではJavaとScalaという言語がでてきます。
Javaは一時期よりは下火になったとはいえ、まだまだエンタープライズでは現役バリバリのオブジェクト指向言語です。ソースコードをコンパイルすると中間言語と呼ばれるファイルに変換され、その中間言語ファイルをJVMと呼ばれる仮想マシン上で実行します。このメリットは、JVMが各プラットフォーム用に用意されていることで、中間言語をどのプラットフォームでも実行できることです。ただメモリは非常に喰います。
ScalaはJavaよりさらにオブジェクトを便利に扱うことに特化した、JVM上で動作する言語です。
乳首アラートが動作しているシーンで、ソースコードも少しだけ開発ツールが画面に表示されていますが、拡張子が.hと.mなのでObjective-Cで間違いないでしょう。これはMacやiPhone上のアプリをつくる言語です。