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プログラマ視点でみたシリコンバレー シーズン2(4)

2019年01月23日 14時20分14秒 | テレビ番組
シーズン2もいよいよ佳境に向かっていきます。
今回も動画がらみの話になります。

<ネタバレあり>

第7話「アダルト向けコンテンツ」

エンドフレーム社に乗り込んだリチャードたちは、悪びれない彼らに営業部隊の陣容を見せつけられ、自分たちより技術は劣っていてもビジネスでは大きく差をつけられていることを思い知らされます。

ギャビン・ベルソンはニュークリアスの大失敗は次の成功につながると取締役会で説明し、ビッグヘッドが部長を務めるXYZ部門に施策を命じますがまったくあてになりませんでした。

損失を補填するため、早急に売り上げをだしたいハンネマンはエンドフレームと組む話をリチャードに持ち掛けますが、パイド・パイパーにとって不利な合併になるのは明らかだし、自分の技術をパクった連中と組む気になりません。
するとハンネマンは出資を取り下げると脅してきます。
リチャードは顧問弁護士のロン・ラフラムにハンネマンとエンドフレームへの訴訟を相談しますが、ギャビンとの訴訟を控えている今、それは無謀だといわれます。

エンドフレームがポルノサイトのインターサイト社と契約したという話を聞いたギルフォイルは、自分たちも同じことをしたらどうだと提案します。
この手の契約には詳細を取りきめるために長い時間が必要となるのですが、ギルフォイルはエンドフレームに乗り込んだ際、CEOのマークのPCに貼ってあったログインIDとパスワードを盗み、ハッキングしてインターサイトとの契約内容を入手していました。
邪道に踏み込む覚悟をしたリチャードは、インターサイトのCEOケンドルに会い、エンドフレームと技術力を競い、優れた方と契約するよう頼みます。


エンドフレームに乗りこんだ時、ホワイトボードにミドルアウトのアルゴリズム図が書かれていますが、LZWやエントロピー符号化(ENTROPY CODING)といった圧縮アルゴリズムの用語が書かれており、それっぽい雰囲気をだしています。



第8話「ホワイトハットとブラックハット」

エンドフレームからまんまと契約を奪い取ったリチャードは、次にハンネマンに裁判費用と技術者への給料のために小切手を依頼しますが、断られます。

ギャビン・ベルソンはニュークリアスの大失敗がいよいよ避けられない事態になったため、その責任を他人に負わせようとし、MITへの就職が決まっていた元XYZ部長のバナーチェク教授を招聘します。しかし復帰した彼はニュークリアス搭載のフーリーフォンを見てすぐに退職、ついにギャビンの責任は回避できない状況になります。

エンドフレームのセキュリティ担当者だったテスが、リチャードたちのせいで契約内容を盗まれた責任をとらされてクビになったことを知ったリチャードは彼に会います。そして契約を自分たちが盗めたのはテスが作ったセキュリティに穴があったわけではなく、IDとパスワードを盗んでやったことを仄めかすと、テスは逆上してパイド・パイパーのサーバを破壊すると脅しをかけます。怯えるリチャードですがギルフォイルとディネシュは意に介しません。再度テスに会って気持ちを確かめますが、さらに逆上させる結果となりました。

アーリックはチアン・ヤンが作ったアプリを売り込みにラビーガに行きます。喫煙が嫌いなローリーは、チアン・ヤンが開発し、モニカのアドバイスで完成した喫煙者をリアルタイムで検索するアプリを気に入ります。しかし、直後に社内でタバコを吸い台無しにしてしまいます。

インターサイトのコンテンツをパイド・パイパーのサーバに転送する作業が始まりました。リチャードはテスがサイバー攻撃をしかけてくるのではないかと気が気でなりません。
そんなタイミングでラス・ハンネマンが祝杯をあげにやってきます。ハンネマンの無神経さについにリチャードの堪忍袋の緒が切れ罵倒します。その時インターサイトから連絡があり、転送したコンテンツが片っ端から削除されていると告げられます。すわテスのサイバー攻撃かと思ったリチャードたちは阻止しようとしますがサーバのコンソールはキー入力をまったく受けつけません。するとハンネマンが1台のノートPCにうっかり載せていた酒瓶を持ち上げると削除が止まりました。ハンネマンが不用意にキーボードの上に酒瓶を置いたため、デリートキーが押されっぱなしになったのでした。
翌日、インターサイトに謝罪に訪れるリチャードたち。当然許されるはずもなく、1500万ドルの契約は成功を目前にしてあえなく失敗しました。

カーラのセリフにあったトランスコードとは、動画のビットレートを下げる際に、本来必用なアナログ信号にデコードする処理を飛ばして直接デジタル信号にデコードすることです。
また、ディネシュのディスプレイにはJavaのソースコードが映っていました。ちなみに開発環境は標準的ともいえるEclips。画面に表示されていたソースコードはBuffere.javaという名前で、それが含まれているパッケージ名はsrc.p2pradioであることがわかります。P2P(Pear to Pear)は後のエピソードで重要なキーワードとなりますが、この時点でP2Pの話はでていなかったので、用途不明でしたがシーズン3で明かされます。現在だとP2PはLINE電話やSkepeなどに使われている身近な技術です。
ちなみに、P2Pを使っているとはいっても、サーバを自前で用意しているのでパイド・パイパーは従来のサーバ・クライアント式なのは間違いないです。
インターサイトからデータ転送するシーンで、ついにパイド・パイパーのプラットフォームが画面に表示されます。バージョンは「Alpha Build 3.93」となっています。またその背後のLinuxっぽいコンソールにはコンテンツの転送中らしき表示が見られます。プロンプトには[rsync_user]というログインユーザ名が表示されています。rsyncはLinuxのコマンドで、サーバ・クライアント間のディレクトリやファイル単位で同期をとるコマンドです。
ギルフォイルのセリフにあったSQLインジェクションは比較的メジャーなサイバー攻撃方法です。ユーザがWebで入力した値がSQLをいじる構文になっていて、予期せぬデータ更新がかかる、という手法です。