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ゲーム攻略、読書感想文など。

銀英伝人物評115<リヒャルト・フォン・グリンメルスハウゼン>

2004年09月15日 14時01分18秒 | 銀英伝人物評
子爵。帝国軍中将。
フリードリヒ4世が若い頃の侍従武官で、父帝とのとりなしや女性の世話や金銭貸借などで助けたため、皇帝のおぼえがいい老人。なぜか現役軍人にこだわり、ヴァンフリート星域会戦に参加。
だが、半分耄碌しているため、総司令官ミュッケンベルガーから軽んじられ、大艦隊を率いているにも関わらず後方の惑星ヴァンフリート4=2で待機するよう命令された。ラインハルトがたびたび意見を具申するも取り上げようとせず、ラインハルトを逆上させたが、年齢差の壁とつかみ所のない性格でごまかされてしまう。
リューネブルクの進言により、惑星上の同盟軍の基地に攻め込むことになったが、途中でミュッケンベルガーから、艦隊を率いて戦闘に参加するよう命令されたため、引き上げる。

このヴァンフリート星域会戦後、皇帝の温情により大将に昇進。同時にキルヒアイスを少佐に推薦した。韜晦した発言で何を考えているかわからないが、どうもラインハルトの野望を見抜いていたようだ。
同じ年に起きた第6次イゼルローン要塞攻防戦には病気のため参加しなかった。
凡庸で口の堅い性格の彼はおかげで貴族がいろんな秘密を、彼の前でべらべらしゃべり、それらを記録してきた。その記録のひとつに、リューネブルクの妻エリザベートの婚約者の死の真相があり、それをエリザベートに教えた。逆上したエリザベートは、婚約者を死においやった自分の兄を殺してしまう。なんでグリンメルスハウゼンがこんなことをわざわざ教えたのかは謎だ。
そしてその記録文書をそのままケスラーからラインハルトに渡すよう依頼した。ラインハルトの覇業に役立ててもらおうとしたのだろうが、ラインハルトはその文書の受け取りを断った。

銀英伝人物評114<ブルース・アッシュビー>

2004年09月15日 13時38分29秒 | 銀英伝人物評
同盟軍史上最高の英雄。第2次ティアマト会戦では同盟軍を勝利に導くも、戦死してしまった。命日である12月11日は同盟の祝日に制定されている。

士官学校時代から頭角を表し、首席で卒業。
その後士官学校の同期である730年マフィアとともに活躍したが、軍閥化の危惧を周りからは抱かれていた。だが、本人たちは政治的野心とは無縁であったため、これは余計な心配である。

性質的には戦略家ではなく、戦術家であるため、イゼルローン回廊に要塞構築の案を出したこともあったが、結局艦隊建造を優先させた。第2次ティアマト会戦の敗戦から帝国はイゼルローン要塞の建設を決定したのだから皮肉としかいいようがない。

不敵な人柄で周囲との摩擦を生みやすいところはラインハルトやシェーンコップに似ている。無能な上官に対しては、冷然と接するタイプだ。

未確認ではあるが、アッシュビーは帝国から亡命してきたジークマイスターを通じて帝国の地下組織から軍事機密を手に入れており、アッシュビーの活躍を支えていたといわれている。無論、その情報を生かす手腕が彼にあったからこそ、有用であったのであり、アッシュビーの戦術家としての能力自体はなんらケチのつけようがないのだが。

2回結婚し、2回離婚している。2人目の妻ルシンダは離婚後もアッシュビーの姓を名乗りつづけた。それだけでなく、アッシュビーの死後、自分でアッシュビーからの手紙を書いて自分に送るという寄行をしていたが、睡眠薬の飲みすぎで死んだ。


銀英伝人物評113<グエン・キム・ホア>

2004年09月15日 11時52分38秒 | 銀英伝人物評
ハイネセンとともに長征一万光年を行った。ハイネセンの友人でもある。
ハイネセンの死後、残された人々を統率し、自身は途中で失明しながらも自由惑星同盟の建国に貢献する。
その後国家元首の座を固辞し、公的な役職はハイネセン記念財団の名誉会長のみにとどまった。
国防について問われたとき、「距離の防壁」をあげ、1世紀は帝国に攻められることはないと断言し、事実そのとおりとなった。
彼の名を冠したグエン・キム・ホア広場では帝国占領後の追悼集会で暴動が発生した。

…人物評でもなんでもないな

銀英伝人物評112<アーレ・ハイネセン>

2004年09月15日 11時36分21秒 | 銀英伝人物評
政治犯の子孫として、アルタイル星系第7惑星で強制労働に従事されられていた共和主義者。
その地にあった天然のドライアイスを使い宇宙船「イオン・ファゼカス号」を作り、40万人の人々とともに脱出。後にドライアイスの船を乗り捨て、ちゃんとした船に乗り換えりながら、長征一万光年とよばれる脱出行をした。
ハイネセンはその途上で事故死(どんな事故だ)してしまったが、残された人々は50年にわたる脱出行の後、宇宙歴218年、バーラト星系第4惑星において自由惑星同盟を建国。ハイネセンは首都星の名として残り、「建国の父」「国父」などと呼ばれるようになる。

ヤンが無条件で尊敬している人物。もしハイネセンが指導者として生きていたら、ヤンは喜んで彼のしたで働いただろうと書かれている。
他に、「ゴールデンバウム王朝の血統による支配を行動によって打破した者は歴史上ただ二人、アーレ・ハイネセンとラインハルト・フォン・ローエングラムである」みたいなことが原作に書かれていた。

銀英伝人物評111<ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム>

2004年09月15日 11時07分32秒 | 銀英伝人物評
外伝の登場人物というより歴史上の人物だが…111回目からは本伝以前に登場した人物を取り上げていきたいと思います。

ご存知ゴールデンバウム王朝銀河帝国初代皇帝。ルドルフ1世、ルドルフ大帝ともいう。
生没年は宇宙歴268年~351年。

元々が軍人の家系に生まれ、成長してから銀河連邦の軍人として、宇宙海賊の討伐で名声を博した。
28歳で少将まで昇ると退役して政界へ進出、数度の選挙を経て、最大勢力を持つようになった。これは、軍人時代の名声とともに、政治家として汚職を一掃するなどのドラスティックな改革を行ったためである。国家革新同盟という政治結社のリーダーにもなる。
やがて首相、さらに不文律で兼任を禁止されていた国家元首を兼任し、宇宙歴310年に銀河帝国を樹立。この時は多くの民衆が新時代の到来に期待したが、すぐにそれは誤りであったと判明。功臣を貴族に取り立て、共和主義者を片っ端から処刑するという、時代に逆行した政治を行った。
特に宇宙歴319年に施行された劣悪遺伝子排除法は悪名高く、多くの先天性の障害を持つ人が断種を強制され長く人民を苦しめる。
実は帝国ができた当初はまだ議会というものが存在していたので立憲君主制っぽい気がしなくもないんだが、共和派の議員たちが劣悪遺伝子排除法を批判したため、議会を永久解散させた。

皇后エリザベートとの間に4人の娘と、側妾マグダレーナとの間に1人の男児をもうけた。が、この男児は先天性の白痴であった(と噂される)。マグダレーナとその親族・さらに出産に立ち会った病院関係者がことごとく死を賜ったそうだが、この男児自体の消息は特に記録がない。
結局跡取りには恵まれず、長女カタリナが産んだジギスムントが皇位を継承する。

鋼鉄の巨人などと例えられる偉丈夫で、その怒声は雷に例えられた。典型的な専制主義者であり、銀河連邦時代はおそらく独善的な理想を抱いていたのだろう。

自由惑星同盟や、ローエングラム王朝では”ルドルフ”といえば悪の代名詞みたいな使われ方が多い。
面白いのは、ルドルフが北欧神話を信じていること。よく「大神オーディン」という言葉が出てくるが、これは北欧神話の主神であり、帝国ではこれが全知全能の神のように崇められているようだ。しかもこの価値観はローエングラム王朝にも受け継がれているようで、ラインハルトですらオーディンを否定しなかった。

ちなみに大抵の銀英伝ファンがぶつかる疑問として、「なぜルドルフは貴族制度ができる前から”フォン”の称号を持っていたのか」というものがある。これは『銀河英雄伝説研究序説』に書いてあったことだが、もともと近代のドイツでユンカー(地方豪族みたいなもの?)がつけていた称号がフォン。姓だけで呼ぶ場合は”フォン・ローエングラム”というように、フォンの称号付きで呼ぶのが慣習のようだ。歴史的には貴族の扱いになるのだが、実際はそれほど裕福ではなかったようだ。ただし軍隊内では幅を利かせていたらしい(推測ばっかりだな…)。また、フォンの称号を持つ人は現代のドイツにももちろんいたりする。

で、このおっさん、見た目はなんとなくミュッケンベルガーにかぶっている気がする。