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ゲーム攻略、読書感想文など。

銀英伝人物評73<ジェシカ・エドワーズ>

2004年09月02日 17時53分29秒 | 銀英伝人物評
ヤンとラップが士官学校生だったときの士官学校の事務長の娘。当時は音楽学校に通っており、後にハイネセンの隣の惑星テルヌーゼンで音楽教師を勤める。
ヤンとラップは同時に目をつけたが、ラップの押しが強かったらしく、後に婚約までこぎつけた。
劇場版では、実は彼女はヤンに気があるような態度がさりげなく挟まれているが、原作にそんな描写はあっただろうか。
といってもヤンの方は微妙に未練があるような感じで、ラップとジェシカの話題をアッテンボローから聞いたとき一瞬黙ってしまった。

ラップがアスターテ会戦で戦死すると、戦没慰霊式典の場で国防委員長トリューニヒトを弾劾。憂国騎士団に狙われるがヤンに助けられる。ここでヤンとの間にロマンスが生まれないのはなぜだろう。
そして惑星テルヌーゼンの補欠選挙に出馬。当選した後は反戦派の野党代議士として活躍する。なんとも皮肉な運命だ。

救国軍事会議のクーデターが起きた時はハイネセン記念スタジアムで反戦集会を開いたが、鎮圧に出てきたクリスチアンに殺されてしまった。ヤンはそれを聞いて一言もしゃべらなかったという。
個人的には、生き続けていたら、バーラトの和約後に政治家として、おおいに活躍してくれたと思うのだが、どうだろう。

銀英伝人物評72<バグダッシュ>

2004年09月02日 15時35分01秒 | 銀英伝人物評
救国軍事会議のメンバーの一員。ドワイト・グリーンヒルとは以前から面識があったそうで、フレデリカも知っていた。ヤン暗殺のために、逃亡者を装ってヤン艦隊に乗り込むが、その狙いはあっさりシェーンコップに見破られて失敗。するとあっさりヤン側へ転向した。その際ヤンから銃を預けられるが冗談でヤンを撃とうとしたのをユリアンに見つかり、以後ユリアンを苦手とする。

ヤンが、救国軍事会議のクーデターは実はラインハルトによって計画されたものだ、という”真相”の証人としてバグダッシュを使い証言させる。以後はヤン艦隊の一員となるが影が薄い。
ヤンがハイネセンを出発し、ラインハルトと戦いに行く直前、地球教の調査を命じられて艦を降りるが、何か成果はあったのだろうか・・・。

バーラトの和約後、ヤンが政府に拘禁されると、その救出のために統合作戦本部のコンピューターへアクセスする。情報戦が得意で、こういう任務では張り切る。
イゼルローン再奪取作戦にも参加。ルッツに偽の指令を送りつづける。イゼルローン占拠後、ユリアンに降伏勧告の受諾を即答しないよう忠告する。

その後、ヤンを暗殺した地球教徒の生き残りを拷問にかけた。
以降もユリアンの下で諜報活動で活躍をしている。

銀英伝人物評71<ベルンハルト・フォン・シュナイダー>

2004年09月02日 15時13分55秒 | 銀英伝人物評
メルカッツの副官。OVA本伝ではメルカッツがブラウンシュヴァイク公に脅迫されて、貴族連合の指揮官にさせられた直後に登場。以後、常にメルカッツの側にずっとついている。
この男が重要な役割を果たしたのは、貴族連合が敗れた時。自害しようとしたメルカッツを止め、同盟への亡命を勧めたことだ。
無論、長年にわたって同盟を苦しめてきた軍人が同盟内で立場を守り続けるのは困難なことであったろうから、シュナイダーはメルカッツを必死で周囲から守った。
時々メルカッツに亡命を勧めたのは間違いではなかったのではないかと自問するが、メルカッツ自身は後悔していなかったようだ。ちなみにメルカッツには帝国に残してきた家族がいるが、それについては亡命後、一言も触れなかったらしい。

銀河帝国正統政府が成立すると、メルカッツと共に中佐として加わるが、政府閣僚に対してはかなり辛らつな目で見ていた。

その後もメルカッツと常に一緒。シヴァ星域の会戦でメルカッツの旗艦ヒューベリオンがビッテンフェルトの猛攻で破損すると、メルカッツは死んでしまったが、シュナイダーは生き残った。そして戦後、メルカッツの遺品を携えて遺族を訪ねるとユリアンに告げた。

銀英伝人物評70<ウォルフガング・ミッターマイヤー>

2004年09月02日 14時53分18秒 | 銀英伝人物評
銀河英雄伝説 Vol.12【BBBA-4012】=>18%OFF!銀河英雄伝説 Vol.12ロイエンタールとともに帝国軍の双璧と称された名将。正統派の用兵家には違いないが、神速かつ理に適った用兵は他の追随を許さず、キルヒアイス亡き後の帝国軍の重鎮としてラインハルトの覇業を助けた。

クロプシュトック侯爵の討伐に、軍事顧問として参加。この時軍律を犯した貴族の兵士を射殺したため投獄されて、生命の危機にさらされる。彼の死友というべきロイエンタールがラインハルトへの忠誠と引き換えにミッターマイヤーの救出を頼んだため、以後はラインハルトに忠誠を誓う。

原作の本伝ではラインハルトが元帥府を開いた時に登場。同盟軍が帝国に侵攻した際は、同盟軍第9艦隊と交戦し、これを撃破。この時、あまりの艦隊のスピードによって、追撃していた同盟軍艦隊に追いついてしまったため、「まるで疾風のようだ」と言われた。以後は”疾風ウォルフ”の名を全宇宙に轟かす。

リップシュタット戦役でも活躍したが、キルヒアイス暗殺直後、オーディンでのクーデターはロイエンタールと共に大功を樹てたため、上級大将に昇進。ラグナロック作戦では先陣を務め、フェザーン占領にも功績を挙げた。
また、バーミリオン会戦の時はヒルダの進言によりハイネセン急襲を決断。自軍だけで行くとあらぬ疑いをかけられるため、ロイエンタールも誘って2人で功績を分かつ。ただしこの前後からロイエンタールが時々おかしな発言をするようになったため、そのたびに窘めている。ロイエンタールも、彼の前では時々本音を吐いてしまった。

ローエングラム王朝では元帥・宇宙艦隊司令長官に就任。レンネンカンプが拉致された事件では、その処置を巡ってオーベルシュタインと対立、「謀略によって国が成り立つか」というセリフはミッターマイヤーの王道を行く人生をよく表している。そのオーベルシュタインとの関係は、無論仲が悪かったのだが、ロイエンタールとオーベルシュタインの不仲が、それぞれ異なる理想像をラインハルトに求めていた(つまりラインハルトの取り合い)ことに起因しているのに対し、単純に性質の違いから気に入らなかった点は面白い。他の提督たちがオーベルシュタインにさんざん陰口を叩くのに対しても、ミッターマイヤーはただ「あのオーベルシュタイン」という言い方にすべてを込めている。

ロイエンタールがラングの謀略によって謀反の嫌疑をかけられたとき、ロイエンタールに会いに行こうとするが、バイエルラインらに止められる。この時ビューローの言うことはたしかに正論なのだが、こういうときに会って激励してこそ親友だと思うのだが。いずれにしてもすべてを投げ打って友人の弁護をする姿は見ていて清々しい。

しかし自らの手で討たなければならなくなったのは悲劇というしかないが、ミナミが初めてこのくだりを読んだ時は双璧の対決に興奮した。
ロイエンタールの死後、彼の遺児を養子にすると同時に、あらためて生涯ラインハルトに忠誠を尽くす決意をした。野心よりも自分の理想を追い求めるタイプだったのかもしれない。その公明正大な人柄と見識の広さはマリーンドルフ伯が国務尚書の後任にしたいと思ったほど。

シヴァ星域の会戦ではラインハルトの側にずっといたためほとんど活躍はしなかった。していたらイゼルローン軍はやばかっただろう。

それにしてもこの長い物語で、最後にしゃべる人物が妻のエヴァンゼリンだとは。敵の大軍を前にしてもひるまないミッターマイヤーだが、求婚の時だけは別だった。後にその話を聞いたラインハルトが、真似をしてヒルダに求婚してマリーンドルフ伯を呆れさせている。

フェザーン遷都の時、はじめミッターマイヤー夫妻にあてがわれた邸宅は非常に広大なものだったが、それを断って、大本営の近くにある普通の民家を借り上げた。このあたりラインハルトと同じく贅沢をしない実用主義者的な面がうかがえる。ちなみにその邸宅は後に結婚したラインハルト夫妻が住む事になる。つまり柊館である。

どうでもいい話だが、作曲家モーツァルトの名前もウォルフガングである。

銀英伝人物評69<ウィルヘルム・フォン・リッテンハイム3世>

2004年09月02日 14時12分47秒 | 銀英伝人物評
侯爵。フリードリヒ4世の娘クリスティーネとの間にザビーネという娘がいる。まったく同じ境遇のブラウンシュヴァイク公との間には後継女帝の座を争って暗闘があった。
ブラウンシュヴァイク公と同じく、大貴族らしい傲慢さと貪欲さを持ち、外伝「決闘者」では一門のヘルクスハイマー伯爵がシャフハウゼン子爵との間に鉱山の所有を巡って決闘になると、一枚噛んで分け前をとろうとした。

続く外伝「奪還者」ではリッテンハイム侯の命令でブラウンシュヴァイク公の弱点を捜していたヘルクスハイマーが、実は公の娘に先天的な遺伝の欠陥があることを発見するのだが、皮肉なことにその欠陥はリッテンハイム侯の娘にもあることが判明した。そしてリッテンハイム侯が口封じのためにヘルクスハイマーの妻を毒殺したため、危機を感じたヘルクスハイマーは同盟へ亡命する。

フリードリヒ4世が崩御しエルウィン・ヨーゼフ2世をリヒテンラーデ候とラインハルトが擁立すると、これに対抗するべくブラウンシュヴァイク公とリップシュタット盟約を結成し、その副盟主の座につく。そしてガイエスブルグ要塞に立てこもるが、結局袂を分かって5万隻の艦隊を率いてガルミッシュ要塞に移る。そしてキフォイザー会戦でキルヒアイス率いる帝国軍別働隊と戦うがあっさり敗れた。要塞に敗走る際、進路上にいた味方の補給艦を撃墜したため、要塞内で部下の叛乱に遭い爆死させられた。ラインハルトはこれを「卑劣な人柄にふさわしく無様な最期を遂げた」と言った。せいせいしたことだろう。
ちなみにリッテンハイム侯に撃墜された補給艦に乗っていたコンラート・リンザーはキルヒアイスに投降した後ワーレンの部下となり、地球征伐で活躍する。

ブラウンシュヴァイク公の影でそれほど目立たなかったような気がするが、ともかく部下にまともな人材がいなかったのはなぜだろう。