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読書感想文【扉は閉ざされたまま】

2006年01月06日 19時54分10秒 | 読書感想文
2006年度の「このミステリーがすごい!」で2位に選ばれた作品。ちなみに1位と3位は既読。

扉は閉ざされたまま

ストーリー:
大学時代の同期7人が、成城にある高級ペンションに集まって同窓会を行った。そのうちのひとり、伏見良輔は、同じく参加者のひとりである新見を宿泊室で殺し、密室を作り上げた。
いつまで経っても部屋から出てこない新見を、他の仲間たちは案ずるが、部屋の扉も窓ガラスも壊せない事情があるため、新見の様子を確認できない。そして自殺説まで飛び出した・・・ここまでは伏見の予定通り。しかし、参加者のひとり、碓氷優佳だけは不自然さを感じ、調査を進めていく。そして伏見と優佳の頭脳戦が繰り広げられ・・・。

感想:
犯人である伏見の一人称で語られるという、一風変わった謎解きミステリー。この小説の面白いところは、伏見が理論的に構築した密室に対し、探偵役の優佳がささいな矛盾やヒントから、次々と謎を解いていく、”理論遊び”みたいなところか。わりとご都合主義的な部分もあったりするし、それは普通わからないだろうと言いたくなる様な推理もあったりするが、基本的にはひたすら細かい伏線を解いていく過程が面白く、一気に読んでしまった。

金子みすヾ展見に行って

2006年01月01日 02時29分08秒 | Weblog
大晦日ではあったが昼間空いてたので、横浜高島屋で開催中の金子みすヾ展を見に行ってきた。

金子みすヾを知ったのはゼロというマンガでなのだが、それ以来金子みすヾの詩が頭のスミにずっとあったので、昨日知ったこのイベントに早速行ってきたのだ。

金子みすヾ(明治36年~昭和5年)は大正~昭和初期に活躍した童謡詩人で、初めて雑誌に投稿した詩が、応募した四誌すべてで掲載される。そして当時の文壇の大御所であった西條八十にも激賞され、彼女は生涯西條を師と仰ぐ。それ以降投稿詩人として名を馳せ、詩人の協会(?)にも女性として2人目の入会を認められる(一人目は与謝野晶子)。
しかし不幸な結婚が彼女を作家活動から遠ざけ、さらに離婚問題で悩んだあげくに自殺してしまった。
はるか後、児童文学者の矢崎節夫らが金子の作品を発掘し世に広めたことであっという間に有名になり、金子の生涯は何度かドラマや舞台にもなっている。

横浜高島屋で開催中の金子みすヾ展は、生まれ故郷の長門の写真、金子の生涯の紹介、それから詩の紹介という構成になっている(大雑把だが)。生涯については非常にわかりやすく解説されており、特に最期の場面は悲しみが伝わってくる。
また、詩の紹介は全部で70くらいあり、かなり圧巻。