ダイオキシンについてちょっと

2004年12月15日 20時55分08秒 | 意見・物申す
実は研究テーマがダイオキシンの除去についてなんです。まだニュースステーションで久米さんが元気だった頃、ダイオキシンや環境ホルモンがブームでしたね。今じゃあヨン様のお陰ですっかり下火になりました。がウクライナの大統領のお陰で、久しぶりに日の目をみたダイオキシンであります。


結論から言えば
ダイオキシンは騒ぐほど危険ではない。

最初は「ダイオキシンは安全です」って書いたのですが、さすがにそれは言いすぎな感があって辞めました。とにかくダイオキシンが危険だという証拠は少ないのです。いくつかの疑いをチェックすると

〇ダイオキシンは人類によって初めて生み出された…
→火山の噴火でも発生するので、恐竜時代からありました。

○青酸カリ15000倍、サリンの2倍の毒性
→まずダイオキシンが原因で死亡した疑いがある人は人類史上4人しかいません。さらに青酸カリの~、サリンの~って言い回しは動物実験の値です。つまりは・・・

モルモットの場合1kgあたり、 青酸カリでは10㎎ で半分死ぬ
                ダイオキシンでは0.0006㎎ で半分死ぬ

ので、10÷0.0006=16666.6666・・・

これがダイオキシンが青酸カリの15000倍の毒性だという所以です。動物でもかなり種差があるのに、動物の値をそのまま当てはめるのはちょっと疑問です。それに、数字の取り方は本によってマチマチです。

○ダイオキシンは自然界では分解されにくい
→これは正解。ただしある特定の種の菌はダイオキシンを分解できるので、これがよく研究されてました(流行済)

○発癌性を持つダイオキシン…
→この発癌性っていうのが大きな疑問。国際癌研究機関(IARC)が1997年に「ヒトに発癌性あり」と発表したのですが、これの参考になった疫学データが変なのです。
1、発ガンの時期がダイオキシンに暴露されてから最低20年後である点
2、一般人の100~1000倍以上ダイオキシンに暴露された集団である点
さらには、ヒトに普通に接しているダイオキシン量なら、返って発ガンを抑えるかもしれないというデータもあります。うーん・・・

とまぁこんな感じです。ダイオキシン≠危険ということを知って以来、私は研究に身が入らなりました。ある日ボスにダイオキシン除去を研究する意義について尋ねたところ、「まだ、ダイオキシンについて不安な人がいるから、その不安を取り除かなければならない」と教えられました。

??はい?

研究者ならば、ダイオキシンの正しい知識を人々に広めることで、不安を取り除くべきでないか?と私は思います。けどボスと喧嘩して修士貰いにくくなるのは損だし、研究テーマを代えるのも面倒ですのでイチイチ反論するの辞めました。でも修論の序論には、ダイオキシンの危険性に疑問視する一文を入れてやろうかと思ってます。これで少しの抵抗になったんだろうか・・・オチのない内容ですいません。

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2004年12月13日(月)
大統領当選後に徹底捜査 ウクライナ毒殺未遂疑惑
 【モスクワ13日共同】ウクライナ大統領選の野党候補ユシチェンコ元首相が、選挙期間中に猛毒のダイオキシンを摂取させられた疑惑で、元首相は12日夜、政権側による暗殺未遂との見方を強調する一方、今月26日のやり直し決選投票に「影響を与えたくない」として、大統領選当選後に徹底した捜査と責任追及に乗り出す考えを示した。
毒殺未遂疑惑をめぐっては、検察当局もいったん打ち切っていた捜査を11日に再開。しかし決選投票での勝利に自信を深めているユシチェンコ氏は、当選後に治安機関などの大幅な人事刷新を断行、現政権寄りの幹部を一掃した上で、本格的捜査に臨む方針とみられる。
ユシチェンコ氏は選挙運動中の9月5日夜、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後身、国家保安局のスメシュコ長官らとの夕食後に激しい頭痛や腹痛に見舞われ、10日にウィーンの病院に入院。10月に選挙戦に復帰したが、顔全体が腫れ上がり容ぼうが一変した。

2004年12月13日(月)
毒殺未遂捜査を再開 ウクライナ 再決選投票に影響も
 【キエフ=佐藤貴生】十一日のインタファクス通信によると、ウクライナ大統領選の親欧米派野党候補、ユシチェンコ元首相(50)が猛毒のダイオキシンに侵されていたとの検査結果がウィーンの医師団によって出されたのを受け、ウクライナ検察当局はユシチェンコ氏に対する暗殺未遂容疑で捜査を再開した。野党側は「政権側の毒殺未遂だ」と主張しており、二十六日に予定される再決選投票の行方にも影響しそうだ。
 同氏は大統領選の第一回投票前の九月上旬に突然、顔の皮膚や内臓が腫れ上がるなど体調が急変。検察当局は「生物兵器による毒殺未遂の疑いがある」との野党側の訴えで同月下旬に捜査を開始したが、一カ月後にウイルス性の感染症と結論付け捜査を終えていた。
 しかし、同氏が十日からウィーンの病院で再検査を受けた結果、血液から通常の千倍のダイオキシンが検出され、病院長らは第三者が関与した可能性を示唆した。
 十二日、ウィーンから帰国したユシチェンコ氏は「これは政権側の仕業だ。法に従って適切な捜査が行われれば誰がやったか判明する」と捜査再開の動きを歓迎した。
 タス通信によると、同氏は九月五日に、旧ソ連国家保安委員会(KGB)のウクライナでの継承機関である保安局のスタシュク副長官の別荘で、スメシュコ同局長官らと会食し、すしやスイカ、カニ、黒パン、ワイン、コニャックなどを口にしてから、頭痛や腹痛を訴え、断続的にウィーンの病院に入院していた。
 現在は回復して後遺症もないため、選挙戦には支障はないという。同氏は「診断結果を選挙に利用するつもりはない」と、毒殺未遂疑惑と再決選投票を切り離して考える姿勢を示した。

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2 コメント

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あれほど騒がれてましたが・・・ (TAKma☆)
2004-12-16 05:07:30
そういえば、ニュースにあまり出てこないですね。

騒がれていた当時も、難しい事はよく分からないので、気にしてませんでした。



分かる事と言えば、タバコを吸ってて、早く肺の病気になる人とそうでない人がいるように、ダイオキシンの毒にやられる人と、あまりやられない人がいるという事だけです。
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ブームなんてこんなもんです。 (S,Mae2001personal☆)
2004-12-16 21:09:05
ブームのころは国からの研究援助がいっぱいあったそうです。今は・・・。

人々の記憶ってそんなもんだと思います。



でも、正直言って、実際にダイオキシンが危険でないと言っても、自分の家の庭にダイオキシンがあれば、ちょっと気持ち悪いですね。



タバコにしても、医薬品にしても効きにくい人っているもんです。だからこそ、大勢の人を対象にした統計が必要なんですが・・・

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