“基準の15倍量”ばかり先行している

2022年12月04日 10時59分16秒 | 意見・物申す
昨日のYahoo!ニュースで最初に見たのがコレ↓

便秘で県の病院受診…“基準の15倍量の下剤”処方されたダウン症患者が死亡 県が損害賠償に向けた手続きへ(東海テレビ) - Yahoo!ニュース
愛知県春日井市の病院で2021年、ダウン症の男性が死亡する医療事故があったことがわかりました。
病院は基準の15倍の量の薬を処方していました。
医療事故があったのは愛知県医療療育総合センター中央病院で、
2021年5月、ダウン症患者で小牧市の男性(当時36)が便秘の症状で外来を受診した際、基準の15倍の量の下剤を処方しました。
男性はその後自宅で容態が悪化し、翌日に入院しましたが死亡しました。
県によりますと薬を処方する際、経過観察の方法などの説明が不十分だったことや、
入院後にバイタルサインの測定が適切に行われなかったことなどが原因で死亡につながったということです。
県は損害賠償に向けた手続きを進めることにしています。


記事のタイトルからすると誤投薬という印象を持ちます。
仕事がら誰かのミスは他人事では無いでの自分も気を付けようと思うのだけど
このニュースは薬剤名すら載ってません。
これじゃあ自分も気を付けようがないし次につながらない…
本当に医療事故を単純に取り上げて騒ぐだけの悪質な記事だと思います。

詳細を調べてみると愛知県のHPにちゃんと載っていました。
ここで薬は下剤のピコスルファートであることがわかります。
この150滴 1本丸々の服用についてはあとで触れます。
愛知県医療療育総合センター中央病院における医療事故の発生について - 愛知県


ただ今回の事故で注目すべきはここですね。


ピコスルファートの大量投薬は確かに今回の事件のキッカケにはなりましたが
その後のフォローが十分でなかったのが一番の問題と思います。

事故調査委員会の意見もそんな感じです


ただ薬剤師は直接患者側にいるワケではないので偉そうなことは言えません。
救急病院となると、かなり忙しくてバタバタした状態だったのかな?と思っています。
だからミスが許されるワケではないのですが…

さて基準の15倍ですが、適応外とは言え日常的に使われます。
例えば当院の大腸検査の際はピコスルファートを2本丸々入れます。


これじゃあ基準の30倍になるんですかね?
もちろん使用意図も飲み方も違うので何とも言えませんがある記事では
医師は自身への投与経験に基づき処方したとあるので
日常的に使っていたのかも知れません。
実際に一度に数百本持って帰る患者もいるので自分としてもコレは通してしまうと思います。
(処方の用法容量がわからないので、何とも言えませんが)

あと今回のニュースで大腸検査を受ける患者さんが
ピコスルファートを怖がって飲まなくならないか心配です。
便をいっぱいだして大腸をスッキリさせないと、ちゃんと検査できないですし。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 歯周病の検査を受けてみる | トップ | 超過死亡 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

意見・物申す」カテゴリの最新記事