ウゴービという肥満治療薬が間もなく発売されます。
このタイプの薬は去年の5月にも記事にしたのですが、
それの親戚のような感じの薬です。
適応外使用を進めるのもね - 週間ダイジェスト+
本来は糖尿病患者に使うべきなのですが、
ダイエットにもなるとのことで適応外使用されてる!!ってのを問題にしたのですが
ウゴービは高度肥満の適応をとっての市場参入です。
ちなみにうちは採用申請にあがってないので、払い出すことはありません。(院外処方は知らんけど)
ちゃんと保険適応とれて良かったねといったところですが、果たして大丈夫か?
詳しくは言えませんが、このタイプの薬って本当に効きます。
食欲が無くなると言われていますが、深刻なものでなくて“間食しなくて良いか”という感じ。
ちゃんとお腹が空くし、食べ物の美味しさも変わりません。無駄食いを無くすという感じですかね。
ただ朝は結構、気持ち悪い感じがあって朝食を受け付けません。
それさえ乗り切れば問題はありません(まるで実体験のような書き方)
で、何が心配かといえば供給は大丈夫か?といところです。
ただでさえ、同タイプの薬が供給困難を起こしまくってるのに
晴れてダイエットをうたい文句にしている薬なんで、どう考えても供給<需要になると思います。
手に入れるの大変だと思うな・・・
日経新聞の社説も興味深いことを書いています。
[社説]肥満症薬は「やせ薬」ではない
劇的な効果が期待できると米国を中心に使用者が急増する肥満症薬が日本でも22日、発売される。肥満症という寿命を縮めかねない深刻な病を治療する医薬品であり、「やせ薬」としての安易な利用は絶対に避けるべきだ。
肥満症薬はデンマークの製薬大手ノボノルディスクが手がける皮下注射薬「ウゴービ」。体内の血糖値を下げるホルモン「GLP-1」に関するたんぱく質に働きかけ作用する。食欲がなくなり、食べてもすぐ満腹感を覚える。摂取カロリー量が減って体重減につながる。元々は糖尿病向けに臨床応用されてきた薬がベースになって開発された。肥満症薬への期待は大きい。2030年に世界市場が770億ドルになるとの予想もあり、日本の製薬会社も含め「ウゴービ」に続けと開発競争が激しくなっている。注意したいのは肥満と肥満症とは医学的に異なるという点だ。「体重が増えた」「おなか回りが気になる」といった太り過ぎは病気ではない。一方、合併症のある肥満症は健康を害した状態で、食事療法や運動療法でも効果がなければ減量治療が必要になる。国内での使用にあたり、厚生労働省は日本肥満学会などの協力を得て適用ガイドラインを定めた。高血圧症、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかの病気があり、BMI(体格指数)が35以上(身長160センチで体重約90キロ)か、27以上(同69キロ)で肥満に関する健康障害が2つあることを条件とした。医師なら誰でも処方できるわけではなく、治療にあたる医療機関も当面、限られる。乱用を防ぐためにも妥当といえる。順守してもらいたい。同じ作用の仕組みをもつ糖尿病薬が美容クリニックなどでダイエット目的で使われ、実際の糖尿病患者に行き渡らないケースが起きている。日本医師会などが再三、不適切使用に警鐘をならしてきたが「やせ薬」としての利用はなくならない。厚労省は実態調査を進め、対策をとるべきだ。
まあ乱用は避けようねって書きながらも結局は処方する医師と使う患者の良識に委ねるのみってことでしょう。
メーカーは建前上、止めてくれって言いながらも薬が売れてラッキー!って思っていると思うし
とりあえずは大きな副作用がなければ良いなぁって願うばかりです。
これに関連してこんな面白い記事もありました。
「やせ薬」使用世帯の食品支出、最大9%減-菓子類の購入に影響 - Bloomberg
ノボ・ノルディスクの「オゼンピック」のような糖尿病治療薬が、スナック菓子メーカーなどの事業を圧迫するとの懸念を正当化するデータが出てきた。
モルガン・スタンレーはリポートで市場調査会社ニューメレーターの調査を引用し、毎月の食品支出を世帯の規模や収入などの要因で調整した場合、いわゆる「GLP-1受容体作動薬」を使用している世帯の食品支出は非使用世帯に比べて6ー9%減少したと指摘した。特定の食料品は特に影響を受けており、スナック菓子やペーストリー、アイスクリームなどはGLP-1薬使用者のいる世帯では購入量が減っている。ヨーグルトや魚、野菜スナックの売り上げは増加した。 2030年までに1000億ドル(約15兆円)市場に成長すると推定されるGLP-1薬の使用増加による影響を、小売業を中心に企業は重くみている。ウォルマートの米国担当最高経営責任者(CEO)は昨年、GLP-1薬の投与を受けている消費者は食品を買う量を減らしていると述べた。デンマークの製薬会社ノボ・ノルディスクのラース・フルアーガー・ヨルゲンセンCEOは最近のインタビューで、潜在的な影響を警戒する「食品会社トップ数人から電話を受けた」と明らかにした。モルガン・スタンレーによれば、ニューメレーターの調査は9万世帯余りのデータを利用。GLP-1薬を使っている家族がいると答えた世帯は昨年10月時点で11.4%だったが、今年1月には12.3%に増えたという。GLP-1薬のユーザー増加は減量目的がけん引しており、糖尿病治療のために使う人に比べ、薬代を自腹で支払う人の割合が大きいとモルガン・スタンレーは説明。GLP-1薬の使用者が接種をやめると、毎月の家計支出が以前の水準に戻ることもこのデータは示している。
要は薬を使うことで食欲抑制→菓子類の売り上げが下がるというもの
当たり前と言えば当たり前なのですが、GLP-1が菓子類の市場規模に影響を与えるというのは驚きです。
逆に言えば菓子類が肥満につながっているということになるのだけど、それって規制の対象にはならないのかな??
このタイプの薬は去年の5月にも記事にしたのですが、
それの親戚のような感じの薬です。
適応外使用を進めるのもね - 週間ダイジェスト+
本来は糖尿病患者に使うべきなのですが、
ダイエットにもなるとのことで適応外使用されてる!!ってのを問題にしたのですが
ウゴービは高度肥満の適応をとっての市場参入です。
ちなみにうちは採用申請にあがってないので、払い出すことはありません。(院外処方は知らんけど)
ちゃんと保険適応とれて良かったねといったところですが、果たして大丈夫か?
詳しくは言えませんが、このタイプの薬って本当に効きます。
食欲が無くなると言われていますが、深刻なものでなくて“間食しなくて良いか”という感じ。
ちゃんとお腹が空くし、食べ物の美味しさも変わりません。無駄食いを無くすという感じですかね。
ただ朝は結構、気持ち悪い感じがあって朝食を受け付けません。
それさえ乗り切れば問題はありません(まるで実体験のような書き方)
で、何が心配かといえば供給は大丈夫か?といところです。
ただでさえ、同タイプの薬が供給困難を起こしまくってるのに
晴れてダイエットをうたい文句にしている薬なんで、どう考えても供給<需要になると思います。
手に入れるの大変だと思うな・・・
日経新聞の社説も興味深いことを書いています。
[社説]肥満症薬は「やせ薬」ではない
劇的な効果が期待できると米国を中心に使用者が急増する肥満症薬が日本でも22日、発売される。肥満症という寿命を縮めかねない深刻な病を治療する医薬品であり、「やせ薬」としての安易な利用は絶対に避けるべきだ。
肥満症薬はデンマークの製薬大手ノボノルディスクが手がける皮下注射薬「ウゴービ」。体内の血糖値を下げるホルモン「GLP-1」に関するたんぱく質に働きかけ作用する。食欲がなくなり、食べてもすぐ満腹感を覚える。摂取カロリー量が減って体重減につながる。元々は糖尿病向けに臨床応用されてきた薬がベースになって開発された。肥満症薬への期待は大きい。2030年に世界市場が770億ドルになるとの予想もあり、日本の製薬会社も含め「ウゴービ」に続けと開発競争が激しくなっている。注意したいのは肥満と肥満症とは医学的に異なるという点だ。「体重が増えた」「おなか回りが気になる」といった太り過ぎは病気ではない。一方、合併症のある肥満症は健康を害した状態で、食事療法や運動療法でも効果がなければ減量治療が必要になる。国内での使用にあたり、厚生労働省は日本肥満学会などの協力を得て適用ガイドラインを定めた。高血圧症、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかの病気があり、BMI(体格指数)が35以上(身長160センチで体重約90キロ)か、27以上(同69キロ)で肥満に関する健康障害が2つあることを条件とした。医師なら誰でも処方できるわけではなく、治療にあたる医療機関も当面、限られる。乱用を防ぐためにも妥当といえる。順守してもらいたい。同じ作用の仕組みをもつ糖尿病薬が美容クリニックなどでダイエット目的で使われ、実際の糖尿病患者に行き渡らないケースが起きている。日本医師会などが再三、不適切使用に警鐘をならしてきたが「やせ薬」としての利用はなくならない。厚労省は実態調査を進め、対策をとるべきだ。
まあ乱用は避けようねって書きながらも結局は処方する医師と使う患者の良識に委ねるのみってことでしょう。
メーカーは建前上、止めてくれって言いながらも薬が売れてラッキー!って思っていると思うし
とりあえずは大きな副作用がなければ良いなぁって願うばかりです。
これに関連してこんな面白い記事もありました。
「やせ薬」使用世帯の食品支出、最大9%減-菓子類の購入に影響 - Bloomberg
ノボ・ノルディスクの「オゼンピック」のような糖尿病治療薬が、スナック菓子メーカーなどの事業を圧迫するとの懸念を正当化するデータが出てきた。
モルガン・スタンレーはリポートで市場調査会社ニューメレーターの調査を引用し、毎月の食品支出を世帯の規模や収入などの要因で調整した場合、いわゆる「GLP-1受容体作動薬」を使用している世帯の食品支出は非使用世帯に比べて6ー9%減少したと指摘した。特定の食料品は特に影響を受けており、スナック菓子やペーストリー、アイスクリームなどはGLP-1薬使用者のいる世帯では購入量が減っている。ヨーグルトや魚、野菜スナックの売り上げは増加した。 2030年までに1000億ドル(約15兆円)市場に成長すると推定されるGLP-1薬の使用増加による影響を、小売業を中心に企業は重くみている。ウォルマートの米国担当最高経営責任者(CEO)は昨年、GLP-1薬の投与を受けている消費者は食品を買う量を減らしていると述べた。デンマークの製薬会社ノボ・ノルディスクのラース・フルアーガー・ヨルゲンセンCEOは最近のインタビューで、潜在的な影響を警戒する「食品会社トップ数人から電話を受けた」と明らかにした。モルガン・スタンレーによれば、ニューメレーターの調査は9万世帯余りのデータを利用。GLP-1薬を使っている家族がいると答えた世帯は昨年10月時点で11.4%だったが、今年1月には12.3%に増えたという。GLP-1薬のユーザー増加は減量目的がけん引しており、糖尿病治療のために使う人に比べ、薬代を自腹で支払う人の割合が大きいとモルガン・スタンレーは説明。GLP-1薬の使用者が接種をやめると、毎月の家計支出が以前の水準に戻ることもこのデータは示している。
要は薬を使うことで食欲抑制→菓子類の売り上げが下がるというもの
当たり前と言えば当たり前なのですが、GLP-1が菓子類の市場規模に影響を与えるというのは驚きです。
逆に言えば菓子類が肥満につながっているということになるのだけど、それって規制の対象にはならないのかな??
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