「何か1つ」を見つける毎日(⌒‐⌒)

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ホタテ、刺し身、海、、思い出の大船渡

2020-08-23 10:27:30 | 岩手🎇
さとおばちゃんちの他に、あと何か所か、定期的に遊びに行っていた親戚の家がある。そのなかで、一番遠かったのは、当時電車で3時間くらいかかった、岩手の沿岸部、大船渡の親戚の家だった。(大船渡は、九年前の東日本大震災で、甚大な被害を受けた場所で、わたしは、ニュースを見て幼い頃の思い出がたくさん残っている海岸や町の様子を見て、あまりのショックに泣いてしまった。
🌊夏休みになると兄と二人電車を乗り継ぎその家に行き、一週間くらい滞在させてもらい、真っ黒に日焼けして家に戻るというのが定番だった。母の妹、つまり、叔母の家だったのだが、この家にも3人、同じくらいの年の子がいたので、本当に楽しくて仕方なかった。詳しくはわからないが、自宅で〇〇酸素という工場を営んでいた記憶がある。工場と自宅がつながっていて、工場からはいつもモーターの音が響き渡っていた。
夏に、大船渡に行くのがどんなに楽しみだったか!今でも、あのワクワクした気持ちは忘れられない。電車で3時間は本当に長かったが、ある場所を境に、いきなり目の前に海が広がり、開けたままの電車の窓からプーンと磯の匂いがしてくる。
当たり前だが、海の向こうには海しか見えない。果てしなく海が続くのだ。内陸では決して見られない風景。🌊うーみーはひろいーなー大きいなー、、♫のあの歌は、私は子供の頃、大船渡の海を歌ったものだと思っていた。
そのおばの家は、一度津波に飲まれて、建て直していた。でも、同じ場所に建て直したので、目の前に(本当に窓を開けるとすぐ)は、海だったのだ。「おじちゃん、ここに落ちたら、溺れちゃうねえ」と、私は度々おじちゃんに尋ねた。するとおじちゃんは「そうだね」とは言わずにニヤニヤして「深いから気をつけないと、、」としか言わなかった。溺れるより先に沈むという感じか。今考えると、場所的には本当に怖い所ではあったな。


家から数分のところには大きな魚市場があり、そこには、沢山の魚を採って海から戻ってきた漁船が横付けし、新鮮な魚が次々と降ろされて、ずらーっと並ぶのだ。早起きしてその市場へ行くのも楽しみの一つだった。見たこともないような大きな魚がそこでは見られる。活気ある、あの雰囲気が大好きだった。大船渡の家では朝から晩まで、本当に自由時間。家にいる時みたいに、「勉強しろー夏休み帳仕上げてしまえ!」とうるさく言う人もいない。一応夏休み帳を持っては行くのだが、一度も開いたことはない。

朝から食卓には新鮮な魚介類が並び、昼近くには、おばちゃんが、子らを皆外に集め、特製の大きなコンロ?で、貝に入ったままの、超新鮮なホタテを焼いてくれるのだ!これが、信じられないくらい甘くてうまい。しかも、食べ放題か?!という位たくさん食べられる。こんな幸せな事があるだろうか!カパッと開いたホタテに、醤油を垂らして、、書いてるだけでヨダレが出そうだ。
で、昼近くになると、海に移動。おじさんが運転する車で、碁石海岸へと向かうのだ。おにぎりやおやつ、水筒などを大量に持ち、子供ら5人で、ひたすら泳いだりスイカ割りしたりして過ごすのだ。楽しくないわけ無いだろう。楽しいだけだ。碁石海岸は、遊泳にも適した海岸で、波もさほど荒くなく、子供の私でも結構泳げた。私が水泳が得意になったのは、明らかに、この大船渡での遊泳のお陰だろう。夕方帰る時間になるまで、飽きるほど泳いだもんな。
そろそろうちに戻ろうか、という時間には水平線の向こうが、夕陽で明るくなる。さっき書いた歌の歌詞のように、月が昇るし陽が沈む、、なのだ。海にお船を浮かばせて行ってみたいなよその国、も私はよく考えていて、この海に船を浮かべてずーっと漕いでいけば、いったいどんな国につくのだろう、と海を眺めながら想像していた。

夜の食事はお刺身中心で、これでもか!というくらい、大量の刺し身が大きな皿に盛られて出てくる。美しい赤色のマグロ、名前はわからないが、プリプリの白身、貝類。食べざかりの5人が一斉に突っつくため、あっという間に刺し身はなくなる。今思うと、あんなに新鮮で美味しいマグロが、子供の頃に食べられたのは、本当に贅沢で幸せな事だったと思う。今はマグロはスーパーで、夕方になり値下げされたものを、ちびっと買うくらいだもんね。

家から少し離れた所にある高台空き地にもよく遊びに行った。空き地と言っても、そこにはとても大きな緑色のガスタンクがあり、今思えばガス工場の敷地だったのだろう。そこにたくさんの赤い椿が咲いていて、そこから大船渡の海を一望することができた。私はそこから見える景色が大好きでたまらなかったのだ。愛らしい形の赤い椿もとても好きだった。

つつく









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