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旅のつばくろ(沢木耕太郎/新潮社)
沢木氏の本で、明確に読んだ記憶があるのは『テロルの決算』で、40年以上前だ。その本を、都心から水戸方面に行く列車の中で読んだことまで覚えているのは、会いに行った女性との会話で、その本が話題になったから。
当時は気鋭のルポライターと認識していたが、いまや日本屈指のノンフィクション作家である氏の著作をほとんど読んでいないのは、その後の読書範囲にノンフィクションが入っていなかったから。
本書は、良質なエッセーを探索する中で見つけた一冊で、JR東日本車内誌に連載されたものを単行本化したもの。主に東日本への鉄道の旅を題材にしているが、著者が16歳の時に敢行した12日間の東北一周旅行の記憶が、全編を通しての基調低音のように響いている。
ときに旅は人生にもたとえられるが、世界中を旅し、旅の中で生きてきた著者が、国内のあちこちを旅しながら、それぞれの土地の思い出やゆかりのある人について語る。その語り口は、紀行文の形を借りた、ある種の自伝のようにもみえる。
この本の発行は2020年4月だが、続編『飛び立つ季節』もすでに発行されている(2022年6月)。旅はまだ終わらず、西や南へと続いていくようだ。
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沢木氏の本で、明確に読んだ記憶があるのは『テロルの決算』で、40年以上前だ。その本を、都心から水戸方面に行く列車の中で読んだことまで覚えているのは、会いに行った女性との会話で、その本が話題になったから。
当時は気鋭のルポライターと認識していたが、いまや日本屈指のノンフィクション作家である氏の著作をほとんど読んでいないのは、その後の読書範囲にノンフィクションが入っていなかったから。
本書は、良質なエッセーを探索する中で見つけた一冊で、JR東日本車内誌に連載されたものを単行本化したもの。主に東日本への鉄道の旅を題材にしているが、著者が16歳の時に敢行した12日間の東北一周旅行の記憶が、全編を通しての基調低音のように響いている。
ときに旅は人生にもたとえられるが、世界中を旅し、旅の中で生きてきた著者が、国内のあちこちを旅しながら、それぞれの土地の思い出やゆかりのある人について語る。その語り口は、紀行文の形を借りた、ある種の自伝のようにもみえる。
この本の発行は2020年4月だが、続編『飛び立つ季節』もすでに発行されている(2022年6月)。旅はまだ終わらず、西や南へと続いていくようだ。
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