吉原と外(なかとそと)(中島要/祥伝社)
今年4月に『誰に似たのか』を紹介して以来、この作者の作品を追いかけている。その中で捕物帖も見つけたが、2冊だけで続編が途切れているのが残念だ。ノンシリーズも何冊か読んだが、その中で一番、印象に残ったものを紹介したい。
タイトルと表紙のデザインから、吉原の遊女の話であることはすぐに分かる。実質的な主人公は、18歳で大店の主人に身請けされ、妾となった元遊女だが、ストーリーは、彼女に仕える、売れ残りと言われる年齢(23歳)になった女中の視点で書かれている。
6つの章に分かれており、各章には、「鬼」の文字を含む見出しがつけられている。鬼に見立てられているのは、苦界の辛酸をなめつくし、世知にたけた元遊女。年配だが男女の機微にうとい女中との掛け合いを通じて、妾稼業のありさまが描かれる。なかなかに味がある人情ものと読み進んでいくうちに、思わぬ展開が。
話の転がっていく先はここには書かないが、こういう時代小説の作り方もあるのか、と思った。
この作者の作品には、それぞれの境遇のもとで、強く前向きに生きる女性が描かれている、という印象を受ける。
この作者の「着物始末暦」シリーズはまだ読んでいない。多分、読むと思う。
今年4月に『誰に似たのか』を紹介して以来、この作者の作品を追いかけている。その中で捕物帖も見つけたが、2冊だけで続編が途切れているのが残念だ。ノンシリーズも何冊か読んだが、その中で一番、印象に残ったものを紹介したい。
タイトルと表紙のデザインから、吉原の遊女の話であることはすぐに分かる。実質的な主人公は、18歳で大店の主人に身請けされ、妾となった元遊女だが、ストーリーは、彼女に仕える、売れ残りと言われる年齢(23歳)になった女中の視点で書かれている。
6つの章に分かれており、各章には、「鬼」の文字を含む見出しがつけられている。鬼に見立てられているのは、苦界の辛酸をなめつくし、世知にたけた元遊女。年配だが男女の機微にうとい女中との掛け合いを通じて、妾稼業のありさまが描かれる。なかなかに味がある人情ものと読み進んでいくうちに、思わぬ展開が。
話の転がっていく先はここには書かないが、こういう時代小説の作り方もあるのか、と思った。
この作者の作品には、それぞれの境遇のもとで、強く前向きに生きる女性が描かれている、という印象を受ける。
この作者の「着物始末暦」シリーズはまだ読んでいない。多分、読むと思う。
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