地雷グリコ(青崎有吾/角川書店)
最近、読み始めた作家。読んだのは短編ばかりだが、HOWとWHYを分担する二人組の探偵ものや、会話を通じて何が起こっているか(WHAT)が明らかになっていく青春作品など、くっきりとした輪郭を持つ作品、というイメージ。
で、この作品だが、高校生を主人公として、あるものをかけてゲームをする、という話の連続。選ばれたゲームは、グリコ、坊主めくり、じゃんけん、だるまさんがころんだ、ポーカーの5つだが、独自のルールが付け加えられている。そのゲームにいかにして勝つか。(謎の解明ではないが、究極のHOWの物語。)
少しルールを変えるだけで、単純なゲームが極めて複雑になる。時間をかければ、ゲームを解く(必勝法を解明する)ことができそうな気もする(作者も相当研究したと思われる)が、この本の面白さはそこにとどまらない。
ルールは絶対だが、その枠内であれば何でもあり、という条件のもと、心理戦や裏技、イカサマ的な工夫も駆使して、勝つ方法を編み出す。その理詰めのプロセスがこの本の魅力だ。
全体として、ギャンブラーの話ではなく高校生の友情物語か。そこそこ厚みのあるページ数を一気に読ませるだけの面白さは、十分にある。
彼が来てから嬉しいことが続いたので、わが家にとって幸運の猫でした。
写真の頃はたしかに、みごとな紅茶色でした。