札幌は、晴れてきました。旭川は雪が降り、真っ白とのことです。
昨日の日本記者クラブで記者会見し、安倍首相が憲法96条の改正を行う可能性に言及しました。これは、彼らの当初からの目的です。衆議院で三分の二を確保し、あらゆる法案を議決できる議席数を確保したので、参議院において三分の二議席数を確保することを最大の戦術として国会運営を行っています。憲法改正するために、改正条項(基準)を緩和し、改正をしやすくする。そのことで自民党が目標としてきた天皇元首化、自衛隊の国軍化、軍法会議の設置、徴兵制度、教育制度の抜本的改悪による軍国主義教育の復活などを目指しています。帝国憲法の下で行った、日清、日露戦争、軍国主義日本の復活を狙っています。
今年の参議院選挙までは、できるだけ静か(本音を隠す)にしていて、国民のご機嫌取りを行い、支持率を高めに維持して、参議院選挙で過半数を確保する。できれば参議院で三分の二議席を確保することを狙っています。自民党、維新の会、みんなの党、民主党の一部、などを入れて、憲法96条の改正賛成議員数で三分の二の議席を確保する可能性が出ていることを安倍が語りました。
読売、朝日、NHKなどは自民党政府の広報機関に成り下がっています。権力者は法的にほとんどの権限を有しています。したがって、彼ら権力者は目標である綱領に示された政治目標を実現しようと動きます。このことは党綱領に書かれているので当然です。その権力者の暴走、独善をチェックし、国民に権力者の思惑、動きが何を意味するのかを分かりやすく知らせることが、マスコミの使命なのです。しかし、戦前の大政翼賛政治以来、マスコミの体質として、権力者に媚、擦り寄ることで自らの地位を維持してきた。この弱点が克服されていません。彼らが政権の広報担当に成り下がることで自民党政権にとってはさらに都合のよい、口当たりのよい宣伝(彼らにとって都合よいこと)だけを大量に垂れ流すこととなります。
しかし、権力者が得ている議席と国民の多数が要求していること、国民が実現してほしいと願っている政治的要求が一致しているとは限りません。この憲法改正などは国論を二分している政治課題であり、平和憲法を維持すべきとの声は過半数を超えているとも言われています。選挙制度の矛盾により、自民党は30%前後の得票率で衆議院議席数の過半数、公明党を入れて三分の二議席数を確保しています。このような国会のおける議席数と国民の政党支持、得票率がねじれていることが最大の矛盾となっています。これが、TPP交渉参加問題への安倍政権の参加表明、原発再稼動への動きにもつながっています。
景気低迷が長引き、失業者数も増え続けています。景気をよくしてほしい。多くの国民は、働き安定した収入を確保したい。人間として当然の要求(就労し人間としての生きる権利実現)、生きるうえでの最低限の要求が実現できない社会状況を改善してほしいと願っています。その願いを逆手に取り金融緩和による物価上昇、円安を人為的に作り出し、大手輸出企業、経団連などが歓迎するご機嫌取りの経済政策を連続的にとっています。雰囲気が先行して、景気がよくなるようなイメージが先行し、そのことを利用して、彼ら本来の目的を一挙に実現してしまう。後は知ったことか!!これが自民党、安倍政権の政治的な思惑です。憲法の改正は、権力者の暴走を許すことにつながります。過去の侵略戦争の教訓、総括に基づき獲得した平和憲法、基本的人権はどんなことがあっても守り抜くことが必要です。
<憲法96条の改正>
安倍晋三首相は19日、日本記者クラブでの記者会見で、憲法改正の発議要件を緩和する96条改正に重ねて意欲を示した。日本維新の会などの野党も賛同していることを踏まえ、発議に必要な衆参両院での3分の2の賛成確保について「いよいよ可能性も出てきたと思う」と述べた。
同時に「選挙を通じて96条を変える意味について議論が起こり、改正を可能とする多数を得ることができれば、国民的な議論は高まっていく」と指摘し、夏の参院選で争点にすべきだとの考えを表明した。