“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

安倍の思惑に乗らない選挙戦を!

2014年12月08日 10時40分53秒 | 臼蔵の呟き

<毎日新聞>衆議院解散――名づけるならどういう風に

 「大義がない」とも批判される今回の衆院解散を、どう名付けるか。それぞれの分野で活躍する人に考えてもらった。

 ◇「朝三暮四解散」内田樹さん(64)神戸女学院大名誉教授

 目先の違いにとらわれ、結果が同じトリックにだまされることを「朝三暮四(ちょうさんぼし)」と言います。エサを減らしたい飼い主に「朝三つ、暮れ四つ」と提案され怒ったサルが、「朝四つ、暮れ三つ」と言い直されて喜んだ、という中国の故事にちなんだものです。消費再増税は延期するだけで、結局は実施されます。まさに朝三暮四のトリック。まるで一国のトップが、有権者はサルのように判断力がないと考えているかのようです。「(無党派層は)投票日には寝ていてくれればいい」という大先輩(森喜朗元首相)の発言を思い出しました。

 ◇「自分が輝く解散」深澤真紀さん(47)コラムニスト

 安倍内閣が重要課題とする「女性が輝く社会」にかけて、「自分が輝く解散」。内閣改造の目玉として女性閣僚を5人登用したが、不祥事が続いた。増税先送りも含め、結局は自分の傷を深くしないために解散に持ち込んだとしか思えない。「アベノミクス」という言葉に象徴されるように、安倍晋三首相は自分のことが大好きなのだと思う。集団的自衛権の行使容認や特定秘密保護法の制定など、自分がやりたいテーマは誰が何と言おうとやってきた。長期政権を視野に入れた自分目線の解散で得する人は、他に誰もいない。

 ◇「幸福の黄色い解散」中森明夫さん(54)コラムニスト

 解散表明は高倉健さんの訃報が舞い込んだ日と重なった。将来振り返る時、多くの人は健さんの訃報の方を記憶しているだろう。代表作「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」で健さん演じる刑務所帰りの男が家に帰る際、妻役の倍賞千恵子さんは受け入れるサインとして黄色いハンカチを掲げた。健さんを安倍さん、倍賞さんを国民に例えると、国内総生産(GDP)がマイナス成長となる中で解散した安倍さんに対し、国民はハンカチを示すのか。立場を逆にすれば、安倍さんが今後、国民に景気回復というハンカチを与えられるのか。そこが見どころだ。

 ◇「上から目線解散」中島岳志さん(39)北海道大准教授

 自民党は、経済指標の悪化が政権支持率の低下と結びつく前に解散しておこうと思ったのだろう。特定秘密保護法の施行や原発再稼働なども、解散すれば目立たなくなると考えたのだろうか。国民の判断力を軽く見た「上から目線」による、目くらまし解散だと感じる。だが、そこまで有権者は愚かだろうか。喫緊の課題を放置し、まだまだ任期があるうちに多額の税金を使って選挙をするのも無駄で非常識きわまりない。争点が明確ではない中での解散は、橋下徹市長の独り相撲に終わった今年3月の大阪市長選も連想する。


沖縄小選挙区選挙と今後の日本政治

2014年12月08日 05時30分47秒 | 臼蔵の呟き

沖縄小選挙区の闘い、勝敗は日本の政治にとって非常に大きな影響を与えるのではないかと思います。

まず第一に、小選挙区制度のもとでは政権与党、野党第一党が圧倒的な有利な選挙制度だからです。その小選挙区制度でも少数政党が小選挙区で当選することが可能な闘いを組むことができるからです。今回の沖縄県知事選挙で普天間基地の県内移設反対派が、自民党県連、共産党、生活、社民党が共闘して候補者の絞込み、選挙戦を戦う方式は全国的にも非常に大きな政治的影響をもたらすことは確実です。

第二に、安倍、自民党、公明党による戦争する国づくり、憲法改悪、TPP交渉参加、消費税率の再引き上げなどで苦しめられる圧倒的多くの国民の願いを受け止め、まともに安倍、自民党に対抗する政治勢力の結集が必要な時期になっています。この受け皿として今回の沖縄小選挙区での闘いは1強全弱な政治状況を根本的に変えるヒントを与えるものとなります。

第三に、多くの善意の無党派層に大きな希望と政治的な未来、展望をあたるものとなる可能性があります。代議制民主主義を是認しながらも、自らが選挙参加、選挙権行使ができない苛立ちと矛盾を解決する上で重要なきっかけを与える動きになるからです。

 ◇「公約違反」と自民圧迫=保守分裂決戦、第2幕―沖縄4区

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設反対を訴えた翁長雄志が11月16日の知事選で勝利してから3週間。翁長は衆院選で、移設推進の立場を取る自民党候補の対抗馬として元同党県議を擁立。辺野古移設を最大の争点に保守が分裂した知事選の第2幕の様相を呈している。

 4日午前、土砂降りの雨となった豊見城市街。自民前職の西銘恒三郎は雨がっぱ姿で傘を差し、まばらな人影に向かって「地域で働く人の給与を確実に増やしていく」と訴えた。

 2012年の前回、この沖縄4区で辺野古移設反対を訴え当選した西銘だが、その後、安倍政権の方針に基づき移設推進に転換した。「公約違反」との批判は免れず、演説では移設問題に言及することなく、専ら経済政策を訴えている。

 翁長が先の知事選で、4区内で獲得した票数は8万票余り。自民に追い風だった前回衆院選での西銘の得票より約1万票多い。西銘陣営は「移設反対の民意の風は相当強い」と危機感を強める。西銘は2日の公示までに宮古島や石垣島などほぼ全ての離島に足を運び、支持固めを急いだ。

 一方、翁長が西銘の対抗馬として白羽の矢を立てたのが仲里利信。西銘の元後援会長で自民党県議を4期務め、議長も経験した地元政界の重鎮だ。仲里は西銘が辺野古移設に宗旨変えしたことに反発、西銘と決別した。

 公示日の2日、仲里が第一声を上げた南風原町での出陣式には翁長も出席し、「辺野古に新基地は造らせない。仲里勝利のために私が先頭に立つ」と気勢を上げた。仲里も辺野古反対を前面に打ち出し、「公約を守ることが問われる選挙だ」と西銘を批判した。

 元後援会長の出馬に、西銘は「ショックだ」と動揺を隠せない。衆院が解散された11月21日、仲里の出馬会見を翌日に控え、西銘は電話で「先輩、降りてくれませんか」と懇願したが、仲里は聞く耳を持たなかった。

 仲里陣営は「『翁長が支援する仲里』というイメージを広める」のが基本戦略。翁長も仲里の応援のためたびたび4区に入っており、県民にとって敏感な問題である辺野古移設で「公約を破った」と西銘を圧迫していく構えだ。

 ◇共産も次期知事と共闘=沖縄1区

 沖縄1区に立つ自民前職の国場幸之助も「辺野古移設反対」の逆風にあえぐ構図は変わらない。与党の利点を生かし、経済界を中心に支持固めを図って議席を維持したい考えで、3日には国場が所属する自民岸田派会長の外相岸田文雄が那覇市に入り、地元企業を回って国場支持を求めた。

 ただ、岸田が街頭演説する場面はなかった。「外相が街頭に立てば有権者に辺野古を思い起こさせる」と陣営が恐れたためだ。知事選と同日実施の那覇市長選の際、岸田が行った街頭演説にはほとんど聴衆が集まらなかった苦い経験がある。

 国場自身、「大変厳しいタイミングで県民の審判を仰がなければならない」と苦境を認める。4区の西銘と同様、「経済が最大の争点だ」と繰り返し訴えている。

 翁長が1区で支援するのが、前回比例復活した共産党の赤嶺政賢だ。ポスターの写真には翁長とともに収まり、共闘関係をアピール。「共産公認」の文字はポスター下に小さく刷り、政党色をあえて出さない。「辺野古に基地は造らせない。私は公約を守る」。赤嶺もまた、自民の「公約違反」をあぶり出す作戦だ。1区では、維新元職の下地幹郎も国政復帰を目指して立候補している。(敬称略)