戦争ができる国を作るーーーそれが安倍、自民党極右政権が目指す国づくりです。そのために、憲法9条の改悪、基本的人権の軽視と国家利益の優先、集団的自衛権の行使容認、特定秘密保護法などをこの2年間矢継ぎ早に行ってきました。
なぜ戦争をするのか。
戦争をすることで利益が出る。戦争をすることで自らの存在価値が高まる組織―――軍需産業、軍隊、軍人、軍属の規模が大きくなればなるほど、戦争の発生、危険性は増します。また、軍需産業は戦争が発生しなければ営業も、利益も生み出さないことから、紛争地を見つけては武器を売り込むことを本質とします。その軍事産業から政治資金をもらい結託するのが好戦的な政治集団たちです。
彼らの宣伝文句とは異なり、彼らのどす黒い意図を明らかし、彼らの動きを糾弾し、止めなければなりません。
<信濃毎日新聞社説>安保をただす 武器輸出推進 平和国家といえるのか
政府が事実上の武器禁輸政策を転じてから9カ月近く、防衛産業とともに輸出を積極的に進める姿勢が顕著になっている。平和国家と言えるのか、疑問が膨らむばかりだ。
防衛省は、防衛産業の輸出促進策などを話し合う有識者らの検討会を発足させている。先週、初会合が開かれた。企業の輸出意欲を高めるため財政投融資を活用した資金援助制度などが今後、議論されるとみられる。
政府が「武器輸出三原則」に代えて「防衛装備移転三原則」を閣議決定したのは4月だ。日本の平和主義の象徴だった武器禁輸の原則を廃し、幅広く輸出を認める方向にかじを切った。国民に是非を問うことなく、与党の了承だけで決めている。
新たな三原則について、政府は平和国家としての基本理念を維持しているという。うなずくことはできない。紛争当事国になる可能性のある国に輸出されないか、輸出品の第三国への移転は防げるのか…。不安は残ったままだ。
武器輸出が拡大し、日本の製品や技術が結果として国際紛争を助長する恐れがある。にもかかわらず、政府は新三原則を受けた動きを強めている。
安倍晋三首相が7月にオーストラリアのアボット首相と防衛装備品移転に関する協定を締結するなど、安全保障面での協力の一環として輸出や共同研究、共同開発の環境づくりが各国と進む。
9月には、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国への輸出を目指し、ASEANの外務・防衛当局を集めたセミナーを東京で開いた。防衛関連企業の担当者が艦船などを紹介する場だ。
政府と防衛産業が一体となって製品や技術を売り込み、輸出を広げようとしている。日本が進むべき道なのか、政府はあらためて説明する必要がある。
防衛省の検討会は来年夏をめどに提言をまとめる予定だ。政府がお墨付きとして使いかねない。月1回のペースでの会合は、非公開で行われる。随時、ホームページに経過を掲載するとしているものの、輸出促進などの政策も国民不在で決まる心配がある。
武器禁輸政策は多くの国民が支持してきた。新たな三原則の問題点を含め、輸出拡大の是非を問い直さなくてはならない。来年の通常国会での突っ込んだ議論を各党に求めたい。