“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

ルーブルの下落

2014年12月21日 12時40分04秒 | 臼蔵の呟き

ロシア経済が混乱し、ドルに対するルーブルの価値が半分に切り下がりました。その要因は、ロシア政府とウクライナ領土問題にあるとしてもロシア国民にとっての生活苦、資産価値の下落は大変なものと思います。

今回のルーブルの下落は、原油価格の下落が直接的な要因となっています。ロシア経済が、資源の輸出に大きく依存していることが下落の引き金になっています。

しかし、だからと言って、ロシア国民の生活が急激に悪化してよいということにはなりません。

ウクライナ問題は、アメリカ、EUを中心とする国家が軍事的、経済的な対抗思想をロシア周辺国に広めたことにも1つの要因があります。同時に、だからと言って、ロシアがクリミア半島を併合することも許されることではありません。今回のウクライナ問題を軍事衝突にせずに、ウクライナ、国連、ロシア、EU、アメリカが話し合い、解決策を見つけ出すことが必要です。そのこと無くして経済封鎖、通貨の暴落を放置すれば、第二次大戦勃発と同じような歴史の悲劇を繰り返してはならないことと思います。第一次大戦によるドイツへの過大な賠償責任、ドイツ経済の破綻がヒトラーの台頭、排外主義復活、軍事独裁政権の台頭、関係国が戦争に入る政治経済状況を再現してはなりません。

ロシアが核兵器を所有する大国かどうかではなく、あらゆる紛争を話し合いで解決し、紛争を軍事衝突に発展させてはならないことは自明のことです。

<日経記事>

ロシアは、最悪の通貨危機に苦しんでいる。危機は国内の経済、政治システム、対外関係に深刻な影響を与えている。新興国通貨の暴落の水準からみても、今週のルーブルの下落ぶりは極端だ。数日、いや数時間前までは考えられなかったような史上最安値まで落ち込んだ。

 引き金となったのは、ロシアの主要な輸出産品である原油の値下がりで、さらにプーチン大統領のウクライナへの軍事介入に対する欧米の制裁が事態を悪化させた。一方、ルーブルの落ち込みの深さは金融市場で高まっている確信を反映してもいる。プーチン氏がもはや経済的な利益において国を統治しておらず、むしろ架空の地政学上の目標追求に躍起になっていると市場は考えている。昨日、同国の中央銀行は政策金利を大胆にも6.5%引き上げて17%にしたが、それでもルーブルを下支えできなかっただけでなく、単に混乱を深めただけのようだった。

 通貨下落に歯止めをかけるためにロシア当局が即座に実行できる選択肢は、さらなる利上げか、中銀の外国為替市場への大規模な介入か、あるいは通貨統制しか残されていない。最初の2つの選択肢については、大きな代償を伴って失敗に終わることに気づかされるかもしれない。第3の選択肢はひどく不評で、1990年代のロシア通貨危機を乗り越えルーブルの信用を取り戻そうと賢明に努力してきた政府にとっては、むしろ事態を後退させるだけかもしれない。状況を一変させるには、何か他の手立てが必要だ。

■近代化のチャンスを逸してきたロシア

 ロシア経済は、プーチン政権の下で、腐敗した国家資本主義と化してきた。ロシアは、国内経済の石油・ガスへの依存度を低下させることができたかもしれない近代化のチャンスを逸してきた。確かに、ロシアが世界に開かれた経済国家であることに変わりはないが、世界でのこの立ち位置の維持を不可能にしているものは、クリミア編入やウクライナ東部の分離派への軍事援助を通してプーチン氏が西側に対して引き起こした対決である。欧州の安全保障秩序を脅かすこのロシアの挑戦に対して、欧州連合(EU)と米国は制裁を科す他なかった。過去数週間の原油価格の急落によって、ロシアの痛みは今や増している。ロシア経済は、欧米の経済制裁国がそこまでには何年もかかるだろうと予想していた地点に、最終的には行き着くにせよ、突然到達してしまったのだ。

そのため、プーチン氏は厳しい戦略選択を迫られている。ウクライナ東部への侵攻を覆すことも可能だった。仮に同氏が9月に自分が調停の手助けをした停戦合意を完全に順守するのであれば、西側はロシアの銀行やエネルギー関連企業への制裁を解除するだろう。さらに、原油安の悪影響は残るにしても、経済制裁の段階的緩和は、徐々にではあるものの市場の信頼を回復させるだろう。さもなければ、今後も現行の戦略を続けるという選択肢だ。仮にプーチン氏がこれを選択すれば、ロシアはますます抑圧的で孤立主義を深めた戦時経済に陥るだろう。そうなれば、短期的な国民の支持を取り付けるような軍事的冒険の拡大に一層執着することになる。

■ウクライナ問題の緊張緩和を

 今、西側に譲歩すれば、間違いなく国内の強硬派の国家主義者からの反発に遭うとプーチン氏は確信している。とはいえ、現行の戦略にこだわれば、もっと大きなリスクを招く。自国通貨を安定させることができなければ、物価上昇とこれまで以上に深刻な景気後退に陥る。そして、同氏の人気を支えてきた国内の生活水準の向上は逆行するだろう。資本統制に踏み出せば、同政権をこれまで下支えしてきた、まさに国内新興財閥を遠ざけることになる。

 西側は、プーチン大統領に第1の選択肢をとるよう促すためにできることを行うべきだ。ウクライナ問題の段階的緊張緩和はロシア経済に対する国際的圧力を和らげるということを同氏に確信させる必要がある。希望的観測では、プーチン氏は今からでも方向転換したい気持ちになっているに違いない。怖いのは、深まる経済危機への対応として、同氏がこれまでになくもっと危険なレベルまで報復主義をエスカレートさせることだ。


安倍、自民党型政治の経済政策と限界

2014年12月21日 09時30分23秒 | 臼蔵の呟き

この報道記事で論じられていることは、事実ですが、日本社会の実体の一部を表現しているに過ぎません。

アメリカ、日本、イギリスなどの支配層、政治経済思想は、その原則を新自由主義経済としています。弱肉強食、富めるものはますます富み、貧しいものは(努力が足りなかったからだ)自己責任の下で、生きる権利を奪われて当然とする政治経済思想です。したがって、安倍、自民党型政治で、大企業が利益を上げ、好景気になれば、地方、中小零細企業、働くものたちが栄え、利益がもたらされ、賃金が上がるとする彼ら政治支配層の宣伝は、まやかし、詐欺的宣伝でしかありません。これまでも、安倍、自民党型政治はそのようなうそと詐欺的な手法で生き延びてきました。ところが、08年の民主党政権誕生は、これらの自民党型政治宣伝が通用しないくらい矛盾と閉塞感が最大化した結果でした。

このような政治経済思想が先進工業国、資本主義が高度に発達した国家に病原菌のように流行、広がったのはなぜ何でしょうか。それは、政治経済支配層の思惑に一番合致していたからだと考えられます。このことは、多国籍企業、大手企業、大手金融機関、富裕層が社会全体の利益、歴史の進歩、多くの働く人々・国民の存在、幸福を考慮することを政治経済的倫理観として持っていないことを示しています。また、一部の企業家、資本家が持ったとしても弱肉強食のルール、競争下では自ら(企業、個人)生き延びることができずにその強力なルール、思想に太刀打ちができなかったと考えられます。

過去の歴史は、社会も政治経済的な強者が指導思想、支配する社会です。その政治経済思想を是として続けるか、非として否定し、転換をさせようとするかを考えなければならない時代、時に来ているのだと感じます。それは、政治経済的な矛盾が解決不可能なレベルに達し、閉塞感が社会全体に充満していることが証明しているように感じます。

<レコードチャイナ記事>アベノミックスは日本社会の格差を広げた、あらゆる分野に拡大

19日、中国紙・人民日報はアベノミクスで日本社会の貧富の格差が広がったと指摘。生活保護受給世帯が過去最多を記録する一方で、富裕層も過去最多となったと伝えた。

2014年12月19日、中国紙・人民日報(電子版)は「アベノミクスが日本社会の格差を拡大」と題した記事を掲載した。

安倍首相の経済政策・アベノミクスの実施から2年が経過した。厚生労働省がこのほど発表したデータによると、今年9月現在の生活保護受給世帯は161万世帯で過去最多となった。一方で野村総合研究所のデータでは、1億円以上の金融資産を持つ富裕層が初めて100万世帯を突破。日本社会の貧富の格差は確実に広がっている。

アベノミクスの量的緩和策により、日銀は大量の紙幣を発行。その結果、日経平均株価は倍増した。だが、円安で輸入に依存する食品や石油価格が高騰。平均給与額はわずかに上がったが、物価上昇や消費税増税で実質所得は減少を続けている。

自動車などの輸出産業は円安により増益となったが、日本企業の99.7%を占める中小企業は原材料価格の上昇と内需低迷にあえいでいる。商工会議所が11月に実施した調査によると、ドル円相場が1ドル=115円の大台に乗り、4割の中小企業の利益が減少した。アベノミクスにより、大企業と中小企業の格差も広がる一方だ。

また、人口の少ない地方都市ほどアベノミクスに対する評価は低い。安倍政権は「地方創生」をスローガンに掲げているが、地方都市の住民はアベノミクスの恩恵を受けていないからだ。

日本社会の格差はあらゆる分野に広がっている。高校生の大学進学率は東京都が最も高く72.5%だが、青森県は38.6%と最低だ。進学率が低い主な要因は家計上の問題にある。東京大学の調査によると、同大学の学生の半数は年収950万円以上の家庭だが、日本の家庭の平均年収は550万円となっている。所得格差が子供たちの教育や就職の機会を奪っているのは明らかだ。

米キューバ正常化 歴史的決断を評価する

<琉球新報社説>

 歴史に刻まれる大きな一歩だ。米国のオバマ大統領と隣国キューバのラウル・カストロ国家評議会議長が国交正常化交渉の開始を発表した。50年余にわたる両国の不毛な対立を思えば感慨深い。対立を乗り越えた両国首脳の歴史的な決断を高く評価したい。
 米国は渡航制限を緩和し、送金や輸出の制限などの制裁も緩和する。「テロ支援国家」の指定解除も検討し、数カ月以内にはキューバに大使館も設置する。カストロ氏は「オバマ氏の決断は敬意と感謝に値する」と演説した。オバマ氏が述べた通り「新たなスタート」になろう。
 米国はこれまでキューバを国際的に孤立させようとしてきた。だが目に見える効果はなかった。逆に同国の経済改革を後押しすることで共存共栄を図った方が得策、と判断したようだ。
 ローマ法王が両国首脳に関係改善を促す書簡を送り、対話の場を提供する「橋渡し」をしていたことも明らかになった。カナダ政府も水面下で交渉を仲介した。歴史的緊張緩和に大きく貢献したこの両者にも深く敬意を表したい。
 米国とキューバの対立は1959年のキューバ革命が発端だ。フィデル・カストロ政権は社会主義化を進め、米系資産を接収した。米国は61年1月に断交を通告。同年4月には反革命部隊を上陸させてクーデターを図ったが失敗した。
 62年に米国は全面禁輸を発動した。同年、ソ連がキューバにミサイル基地建設を計画、米国は配備を阻止しようと海上封鎖した。このキューバ危機こそ、世界が核戦争に最も近づいた瞬間とされる。
 その後、キューバはソ連から援助を受けたが、ソ連崩壊で途絶えた。だが自前の農業生産拡大や医療技術向上などで物資不足を乗り越え、今や南北アメリカ随一の長寿国となった。古い街並みが残ったことで観光大国にもなっている。
 その基礎の上に米国との国交正常化だ。キューバ経済は飛躍的に成長しよう。隣国の発展は米経済にも好影響を与え、互恵関係が生じるのは間違いない。その意味でも両国首脳の決断は後世に評価されるはずだ。
 一方、米国内では共和党の強硬派が今回の決断を「キューバ圧政の勝利」「愚かな譲歩」と非難した。制裁緩和を妨害する動きもある。米議会は歴史の歯車を逆に回す愚行をやめ、冷戦の負の遺産の解消に協力してもらいたい。


大間と高浜 30キロ圏内の声を尊重せよ!

2014年12月21日 08時07分02秒 | 臼蔵の呟き

原子力発電所の存在、再稼動がどうして、容認できず、政治経済的に問題なのかを考えなければなりません。

第一に、原子力発電所の安全性は、現在の科学技術では担保されていないことです。アメリカ、ロシア、日本で原子力発電所の重大事故が起き、そのために、周辺地域は居住できない環境になりました。その結果、故郷を追われ、癌の多発などに見舞われ、何十年と居住不可能になっています。この事故による被害と、その被害の大きさ、長期間にわたる放射能汚染は、他の科学技術、産業とは全く異質の災害であることです。そのことは司法の場でも、福井地方裁判所で判決として言い渡されている通りです。

第二は、エネルギー製造、確保の上で、原子力発電所の存在、稼動はなくても問題はないということです。世界でも原子力発電所を持たない国家数が多数です。また、ドイツのように再生可能エネルギーの比率が30%を超えて、電力の主要な製造項目となっている国家もあります。ドイツはEUの中でも、もっとも科学技術、生産能力の高度に発達した国家です。そのドイツでさえも、原子力発電所の全廃を政府、政治が決定をしました。

第三に、日本社会が原子量発電所の停止状態で、11年三月後、三年を経ています。その間、夏、冬を過ごした事実があります。それは、節電による世論形成と電力会社以外の発電利用によってもたらされました。原子力発電にしがみつく安倍、自民党極右政権、電力会社、原子力産業、御用学者以外は原子力発電にしがみつく必要性を感じていません。そのことは世論調査においても繰り返し、示されています。

したがって、原子力発電所の安全審査を規制機関が審査することは政治的な詐術でしかなく、その目的は、原子力発電所の存在擁護、再稼動へのお墨付きを与える機関としてしか、機能しません。規制機関も、安倍、自民党極右政権も、原子力発電所の安全性の保証は出来ないし、することも出来ません。福島第一事故とその後の兆円単位の税金投入が証明しています。

<東京新聞社説>大間と高浜 30キロ圏内の声を聴け

 衆院選終了早々、大間原発の新規制基準への適合審査が原子力規制委員会に申請された。でも忘れないで。多くの人は原発依存を望んでいないし、隣接地域の住民は事故への不安を抱えたままだ。

 国内には、建設中の原発が三基ある。

 中国電力島根3号機(松江市)と東京電力東通1号機(青森県東通村)、そして電源開発(Jパワー)の大間原発(同県大間町)である。

 大間原発は、二〇〇八年五月に着工し、一四年十一月の営業運転を見込んでいたが、福島原発事故で建設が中断され、一二年十月に工事再開した。

 大間原発は、フルMOXと呼ばれる世界初の特別な原発だ。

 MOX燃料は、原発で使用済みの核燃料からプルトニウムを取り出して、普通のウランを混ぜたもの。それを再び原発で燃やすのがプルサーマル発電だ。

 通常のプルサーマル発電では、MOX燃料の割合は多くて三分の一までだった。ところが大間は、MOX燃料100%で運転できる。原爆の材料になるプルトニウムの“焼却炉”として、建設を急がされているようにも見える。プルサーマルより危険性が高いとの指摘もある。世界初のことだけに、住民の不安はより強い。

 原発推進に戻った自民党は、衆院選で大勝した。しかし、国民の多くが、将来的には、原発への依存から脱却したいと望んだままだ。原発を新たに造れば、その意思に背くことになる。

 大間原発から対岸の北海道・函館は、最短だと二十三キロしか離れていない。3・11後、原発事故時の避難計画策定を義務付けられた三十キロ圏内だ。函館市の工藤寿樹市長は四月、「私たちを全く無視している」と、国とJパワーを相手取り、建設差し止めを求めて東京地裁に提訴した。その不安と憤りをさらに無視するような審査の申請ではなかったか。

 申請の翌日、規制委は、関西電力高浜3、4号機が事実上、3・11後の新基準に適合するとした。

 高浜原発の三十キロ圏は福井、京都、滋賀の三府県をまたぐ。京都も滋賀も、立地自治体並みの安全協定を求めている。

 規制委の田中俊一委員長は、川内原発の時と同様、「安全か、安全じゃないかという表現はしない」と繰り返す。だとすれば、立地や稼働の条件として、最低でも三十キロ圏内の同意を得ることを、法的に義務付けるべきではないか。