“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

朴大統領「北、核に固執すれば生存不可能」‥金正恩「核弾頭打つ準備を」

2016年03月05日 20時35分03秒 | 臼蔵の呟き

朝鮮半島の同一民族が、冷戦構造の中で、南北に分断され、何十年にわたって分裂、軍事的に対峙する姿は本当に痛ましいものです。これも、第二次大戦と冷戦構造が作り出した、負の遺産です。当事国同士、同一民族が分断され、指導者が憎しみ合い威嚇しあうことで何かが得られることはないでしょう。仮に核兵器を保持したとしてもその結果、相手を威嚇することはできても、政治的に従属させることができるはずもありません。また、その核兵器を使用したとすれば、北朝鮮の現体制が、世界各国から非難され、アメリカ軍などの軍事同盟を結んだ国家からの反撃を受けるだけです。そのくらいのことは金正恩であってもわからないはずがありません。

恐怖による力の均衡が有効というのは幻想でしかありません。お互いに愚かな軍事的な威嚇と軍事力の増強を止め、話し合いによる解決、妥協の道を探すべきです。

 [中央日報]朴大統領「北、核に固執すれば生存不可能」‥金正恩「核弾頭打つ準備を」

  朴槿恵(パク・クネ)大統領は4日、「北を立ち止まらせなければ核能力は今後も高度化され、民族の未来に取り返しのつかない災難をもたらすだろう」とし「今回は必ず、核を放棄しなければ体制の生存が不可能だということをはっきりと分からせなければいけない」と述べた。 

  朴大統領はこの日午後、忠清南道の鶏龍台(ケリョンデ)で開かれた「2016年将校合同任官式」に出席し、「北の政権は核兵器が体制を保障するという誤った妄想を捨てて真の変化の道に出てくることを改めて強く求める」と話しながら、このように強調した。 

  朴大統領は「今後、類例のない強力な対北制裁が施行され、北の反発と挑発もさらに強まる可能性がある」とし「夜明け前が最も暗いように韓半島(朝鮮半島)が平和と統一に向かううえで今が最も厳しい最後の峠」と診断した。また「政府は国政の最優先を国民と国家の安危とし、断固かつ主導的にこの問題を解決していく」と述べた。 

  これに先立ち金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は新型大口径放射砲の試験射撃を現地指導し、「実戦配備した核弾頭を任意の瞬間に発射できるよう準備するべき」と述べたと、北朝鮮の朝鮮中央通信がこの日午前報じた。金正恩は「最近開発した打撃武器を最高司令部の作戦全域に一日も早く実戦配備することで、敵が最後の終末を迎える瞬間までわずか一日、一時も気楽に眠れないようにしなければいけない」と述べ、核弾頭攻撃の準備を指示した。また「今は軍事的対応方式を先制攻撃的な方式にすべて転換する」とも話した。これに関し国防部の当局者は「北の核能力はまだ実戦配置する段階ではない」と述べた。 

  また金正恩は肉声で「朴槿恵が後に起きることへの対策もなく先制攻撃まで云々するが、これは愚かなことだ」と誹謗した。金正恩はこの日、朴大統領を6回も呼び捨てにした。金正恩が朴大統領を名指しして非難するのは異例だ。この日、北朝鮮祖国平和統一委員会も「報道官声明」を発表し、朴大統領に向けて「民族の名前で処断される最初の対象になるだろう」と脅迫した。 

  この日、「体制の生存」という表現を公式演説に登場させるほど朴大統領の対北朝鮮基調は強硬一辺倒だ。前日の国家朝餐祈祷会でも「北の同胞の自由と人権を抑圧する暴政を中止するよう全世界と協力していく」と述べた。朴大統領が金正恩を狙って「暴政」という言葉を使ったのは初めてだ。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の関係者は「金正恩が朴大統領を名指しで批判し、『核弾頭の準備』を指示するなど挑発の程度を高めているため、『核開発は妄想』という点を強調した」と説明した。朴大統領はこの日の任官式で6003人の新任将校と28回にわたり記念撮影をした。


福島で考える 放射能汚染と現実

2016年03月05日 15時00分50秒 | 臼蔵の呟き

「放射能汚染が生命にもたらす影響はまともに調査されているとはいえない。そんな状況で原発再稼働は進んでいる。逆戻りさせてはならない。起きた事実と向き合うのは将来の世代に対する大人たちの責任である。」

 福島第一原発事故が日本と世界に問いかけたことは、原発は人間が統制できる科学技術、装置ではないということ。したがって、電力が足りるかどうか。発電の種類によって、電力の価格がいかに安いかという議論は、福島第一原発が問うかけたことに対する議論、回答としては的外れどころか、意識的に議論をすり替えるものとしか言えません。

 そのことを一番よく知っているのが安倍、山口自公政権、原子力産業、東京電力をはじめとした電力会社、そこに巨額の融資を行っている巨大金融機関です。その後ろで彼らから資金を提供される御用学者たちです。彼らこそが日本をダメにする最大の犯人たちです。原子力発電が安全安心であれば、東京都、大阪府のど真ん中になぜ建設し何かを合理的に説明すべきです。

<東京新聞社説>福島で考える(中)起きた事実を見つめよ

 福島原発から北西に十四キロ、避難指示で居住制限区域とされた福島県南相馬市小高区と浪江町にまたがる「希望の牧場ふくしま」。牛が草をはんでいる。

 五年前の原発事故直後、畜産農家の吉沢正巳さん(61)は、放射線被ばくした三百二十頭の黒毛和牛を殺処分するよう政府から求められた。悩んだ末に、生かすことを選んだ。なぜなのか。

 「被ばく牛は原発事故の生き証人。処分すれば証拠は消え、事故はなかったことにされる」

 経済動物としての意味を失っても、放射能汚染の検証に役立てようとした吉沢さんの判断は正しかったようだ。一年後、約二十頭の体に白い斑点が出た。水素爆発の時に放出されたセシウムが体内から検出された。原発に近い大熊町の牧場でも、五十頭の牛のうち十頭に斑点が出ている。

 長い畜産生活で初めて見る。この異常が被ばくと関係があると考え、農林水産省に調査を求めたが「原因は不明」。今も国立大の研究チームが牛の血液を採取したり、首輪につけた計器で放射線量を測定したりしているが、吉沢さんには解明に消極的だとも映る。

 「いつまで生かしておくんだ」と、同業者の非難めいた声も聞こえてくる。吉沢さんには言いたくなる気持ちが分かるのだという。原発事故は牛を殺処分した者と、しなかった者と、命を扱う仲間をも分断してしまったのだ。

 被災地の内外で原発事故の記憶の風化が進む。被ばく牛は復興の邪魔者ではない。事実を見つめよと、人間たちに問いかける生き物たちの象徴ではないか。

 子どもたちの間では甲状腺がんが増えているが、県の調査班は放射能の影響を否定するばかりだ。原発のちりは広い範囲に降った。原因の究明は進むのか、将来への不安を声にも出せず苦しんでいる子どもは各地にいる。

 放射能汚染が生命にもたらす影響はまともに調査されているとはいえない。そんな状況で原発再稼働は進んでいる。逆戻りさせてはならない。起きた事実と向き合うのは将来の世代に対する大人たちの責任である。 


「辺野古」和解 県内断念こそ選択肢に

2016年03月05日 14時10分51秒 | 臼蔵の呟き

「今回の和解が、選挙をしのぐ時間稼ぎであってはならない。望むべくは、沖縄を米軍基地の重圧から解き放つ「真の和解」である。」

 先進工業国で、アメリカ軍基地をこれだけ、大量かつ集中的に億地域はありません。その意味では日本は、主権国家、独立国家なのかが問われているのだと思います。安倍、山口自公政権がアメリカ政権とアメリカ軍の要求を無条件で受け入れたとしても、そのことを該当地域である沖縄県民、県知事、名護市が受け入れなければならない理由などどこにも存在しません。

 米軍と沖縄米軍基地が抑止力とする妄言はもうやめる必要があります。そもそも、日本とアメリカが他国を侵略、植民地化したことがあっても、中国、韓国、北朝鮮などが他国を侵略し、植民地化したことなどは1800年以降全くありません。こんなことは歴史を学んだことがある小学生だって知っていることです。その侵略した側のアメリカと日本の好戦的な政権、軍事組織が中国、北朝鮮などをあたかも「危険な国・好戦的な国」として宣伝し、抑止力を叫ぶことのほうがよほど、滑稽であり、理屈には合いません。

 普天間基地を撤去する。撤去する先は日米両政府が話し合う。移転先を沖縄県民と県知事、名護市が用意するかの暴論こそが異常なのです。

<東京新聞社説>「辺野古」和解 県内断念こそ選択肢に

 安倍晋三首相が裁判所の和解案を受け入れ、沖縄県名護市辺野古での米軍基地新設工事を一時中断する。しかし、計画自体を変えたわけではない。

県民の基地負担軽減には県内移設を断念すべきだ。

 この裁判は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内移設に必要な辺野古沿岸部の埋め立て承認を、翁長雄志知事が取り消したため、知事に代わって国が取り消し処分を撤回する「代執行」のために、国が翁長知事を訴えたものだ。

 国と県が福岡高裁那覇支部の和解案を受け入れ、きのう和解が成立した。国は代執行訴訟を取り下げて埋め立て工事を中断、訴訟手続きをやり直し、県との協議を継続するという。

 国と県はこの代執行訴訟を含めて三つの裁判で争っていた。訴訟合戦はやはり異様な光景だ。

 安倍政権は、県側の反対を押し切って埋め立て工事を強行し、知事の埋め立て承認取り消し処分に対しても、地方自治法に基づく是正指示や違法確認訴訟などの手順を踏まず、いきなり代執行訴訟に踏み切った。かなり強引だったと言わざるを得ない。

 六月には沖縄県議選があり、夏には参院選もある。工事車両などが出入りする辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、市民が抗議活動を続けている。

 安倍政権が工事中断を含む和解案を受け入れた背景には、強硬姿勢を貫けば選挙に悪影響が出るとの政治的判断もあったのだろう。

 国と県が法的手段を通じてではなく、話し合いで解決策を探るのが、あるべき姿だ。国が協議のテーブルに戻ることは当然である。

 とはいえ、安倍政権が辺野古への県内移設を断念したわけではない。首相はきのう「二十年来の懸案である普天間飛行場の全面返還のためには、辺野古移設が唯一の選択肢という国の考えに何ら変わりはない」とわざわざ強調した。

 市街地に囲まれ、危険な普天間飛行場の返還は喫緊の課題だが、同じ県内での代替施設建設を条件とする限り、在日米軍専用施設の約74%が集中する沖縄県に暮らす県民の米軍基地負担は抜本的には軽減されない。

 首相に埋め立て工事中断を決断する度量があるのなら、普天間飛行場の辺野古への県内移設を断念し、国外・県外移設を米側に提起すべきではないか。

 今回の和解が、選挙をしのぐ時間稼ぎであってはならない。望むべくは、沖縄を米軍基地の重圧から解き放つ「真の和解」である。


代執行訴訟和解 新基地問え「辺野古が唯一」は本当か

2016年03月05日 13時23分58秒 | 臼蔵の呟き

「首相の姿勢が正当化されるなら、どんな危険を強制されても、環境を破壊されても、選挙でどんな意思表示をしても、国がひとたび決めてしまえば地方は奴隷のごとく従うしかないことになる。これで民主国家だと言えるのか。それこそが本質的な問題なのだ。」

「辺野古が唯一」とする軍事的理由はどこにもない。

<琉球新報社説>代執行訴訟和解 新基地 根本から問え「辺野古が唯一」は本当か

 辺野古新基地の埋め立てをめぐる代執行訴訟で、安倍晋三首相は工事中断を含む暫定的和解案を受け入れた。もともと前向きだった県も応じ、和解が成立した。一見、国が柔軟な姿勢に転じたかに見える。だがそれは見せ掛けにすぎない。真実は、敗訴間近に追い詰められた国が、やむなく代執行訴訟から退却したのである。

 県と国の対立は仕切り直しとなった。だが新基地建設という国の頑迷な姿勢はいささかも揺らいでいない。沖縄の民意を踏みにじり、あくまで新基地を押し付ける姿勢が民主主義、自治の観点から正しいのか。「辺野古唯一」は本当か。根本から問い直すべきだ。

沖縄側の勝利

 「暫定案」は国が工事を停止して代執行訴訟を取り下げた上で、代執行より強制力の低い手続きを踏んで再度、県に是正を求めるという内容だ。
 福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判長がこの和解案を示した時点で、結論は必然だったとも言える。国と県の対立に決着を図る上で最も強権的な手法が代執行だ。他の手段を経ず、いきなり最終手段たる代執行を求めた国に対し、裁判長は代執行以外の手段を勧めたわけである。「このまま行けば国敗訴だ」と警告したのに近い。
 一方で裁判長は、県側が申請していた環境や軍事専門家の証人申請を却下していた。前知事の埋め立て承認に瑕疵があったことを立証するのに不可欠な証人たちだ。却下は、翁長雄志知事の承認取り消しの適法性に対する関心の低さの表れとも見える。不適法との心証を抱いていたのかもしれない。
 さらに裁判長は、違法確認訴訟で県が敗訴すれば県は確定判決に従うかと問い、県は「従う」と答えた。このやりとりを国側にあえて見せたのではないか。代執行訴訟では国が敗訴しそうだが、仕切り直して是正の指示の取り消し訴訟になれば、いずれは国有利での解決もあり得る、とのメッセージを送ったようにも見える。

 だから国は代執行訴訟取り下げという「退却」を選択したのだろう。
 今後、県と国は再び協議の席に着く。溝が埋まらなければ、「是正の指示」、係争処理委員会、是正の指示の取り消し訴訟などの、より強権度の低い手続きへと進むことになる。その間、工事は止まる。いずれにせよ、あれだけ強硬だった政府の工事を暫定的ながら止めたのだから、沖縄側の勝利であり、成果には違いない。

真の仕切り直し

 安倍首相は早速、「辺野古移設が唯一の選択肢という考え方に変わりはない」と述べた。この頑迷ぶりが今日の混迷を招いたという自覚はうかがえない。ましてや民主主義や地方自治の無視を恥じる姿勢は見当たらなかった。
 首相の姿勢が正当化されるなら、どんな危険を強制されても、環境を破壊されても、選挙でどんな意思表示をしても、国がひとたび決めてしまえば地方は奴隷のごとく従うしかないことになる。これで民主国家だと言えるのか。それこそが本質的な問題なのだ。

 是正の指示の取り消し訴訟は国有利だとささやかれる。沖縄側敗訴もあり得るだろう。だが仮に敗訴しても、次は埋め立て承認の「撤回」をすればよい。設計変更は必ずあるからそのたびに知事が承認を下さなければ、工事はできない。いずれにせよ沖縄側が折れない限り、新基地完成は不可能である。
 今回、工事は1年以上、止まるだろう。米側もさすがに、日本政府の「移設に問題はない」との説明に疑念を募らせているはずだ。
 真の意味での仕切り直しの好機である。海兵隊は、普天間代替基地は必要か。百歩譲って必要としても、「辺野古が唯一」とする軍事的理由はない。復帰前は海兵隊の航空団と歩兵砲兵は岩国と沖縄に分かれていた。両者が近距離にないといけないというのは虚構なのだ。「沖縄の海兵隊」という思考停止の見直しが必要だ。そこからしか真の解決は見つかるまい。